「運行管理システム」とは?
運行管理システムとは、バスや電車・トラックなどの最適な配車やルートの管理、運転シミュレーションなどを行うシステムのことです。
具体的なシステムの活用例としては、システムからタクシー会社に配車予約が入った際に、システム内に搭載されているGPS機能を利用して予約のあった住所から1番近くて最適なドライバーのもとへ予約情報や目的地までの最短ルートが送信されます。
ドライバーが最短ルートで目的地まで迎えるのでタイムロスを防ぐことができ、移動費もコストダウンを目指せます。運行管理システムから自動通知が入るので、お客様を待たせることなくすぐに目的地まで送迎できるので、顧客満足度もアップ期待できます。
また車両の速度などの運転の状況や現在地が分かるので、運転指導や業務情報が簡単に手に入ります。
「運行管理システム」にはどのようなタイプがある?
運行管理システムは多くのサービスが提供されていますが、主に「クラウド型」と「オンプレミス型」の2タイプに分かれています。
クラウド型は既存のインターネットサーバーを利用してシステムにアクセスするため、インターネット環境があれば場所や時間を問わずにどこでも利用できるタイプです。
申し込みを行ってから実際に利用開始できるまでがスピーディーで、導入にかかる費用は月額費用のみなので、比較的リーズナブルな価格で運用できるという特徴があります。
自社専用のサーバーではないので、特定の企業向けに機能や画面表示をカスタマイズすることは難しいため、カスタマイズが不要で一般向けの初期機能で満足できるという企業には「クラウド型」がおすすめです。
オンプレミス型は自社専用のサーバーを用意してシステムを利用するタイプです。
新しくサーバーを用意するのでサーバー構築のため導入までに少し時間がかかってしまいますが、自社の特徴や機能に合わせてシステムをカスタマイズできます。システムを随時更新できるので、現場の要望に合わせて機能を変えたいという企業にオススメです。
「運行管理システム」の選び方は?
運行管理システムを選ぶポイントは「操作のしやすさ」や「画面表示の分かりやすさ」を軸として選ぶことをオススメします。
運転中にシステムを操作することも想定されるので、画面の操作がしやすく・分かりやすい画面表示でなければ、思わぬ事故の原因になってしまうことも考えられます。従業員の安全を確保するためにも、運行管理システムを導入する際には使いやすさに着目して選定すると良いでしょう。
「運行管理システム」比較検討時の注意点は?
運行管理システムを比較検討する際は「現場が求めている機能が搭載されているか」に注意しておきましょう。
システム選定を行う担当者が実際の運行業務に携わっている場合は心配ありませんが、長年業務から離れていたり、管理業務のみの担当を行っていて実際の業務はあまり分からないというケースは要注意です。
現場で働く従業員の声を聞き、要望の多かった機能が搭載されているシステムを選ぶことで、従業員のモチベーションアップや満足度に繋がります。
また、お試し機能やでも画面を操作する場合は、運転しながらシステムを操作するのと、システム操作だけを行うのでは操作のしやすさに差が出ることを覚えておきましょう。
主要な「運行管理システム」の一覧
「Cariot」(株式会社フレクト)
おすすめ対象者
業務の効率化を目指す企業、使いやすいシステムを導入したい企業、働き方改革に取り組みたい企業、運行管理を正確に行いたい企業
主要機能
エリアマップ、車両予約、予約管理、到着予測、配送計画、遅延の検知、到着・出発通知、運転日報・月報、危険運転検知、Drive Cast、荷量情報管理、業務ステータス、訪問自動記録、メッセージ、乗車前点検、アラーム機能、走行データ分析、速度マップ、レポートの作成、ルートの設計、実績ルート最適化など
特徴
日報の作成や到着記録が楽に、確認・連絡の手間が大幅に削減、運転日報を自動で作成、リアルタイムで情報共有ができる
【Cariot Mobile:危険運転時の映像を記録したい】初期費用0円、契約台数とアカウントに応じた月額費用(詳細は要問合せ)
【Cariot GPS Logger:ドライバーの状況を詳しく知りたい】初期費用0円、契約台数とアカウントに応じた月額費用(詳細は要問合せ)
【Cariot Drive Recorder:車両からのデータを詳しく取りたい】初期費用0円、契約台数とアカウントに応じた月額費用(詳細は要問合せ)
無料プラン
なし
無償トライアル
なし
サポート
あり(専任のサポート担当によるセットアップ、オンライン無料相談、カスタマーサポート)
「docoですcar」(ドコモ・システムズ株式会社)
おすすめ対象者
車両事故を削減したい企業、運行管理業務をシステムで総合的に支援してほしい企業、無駄なコストをカットしたい企業、
主要機能
動態管理、安全運転支援、アルコールチェック・IT点呼、輸配送進捗管理サービス、バスロケーション・バス運行管理、幼稚園・保育園向けバスロケ
特徴
3,000社・52,000台の導入実績(2021年8月時点)、窓口を全て一本化で安心のサポート体制、高度な専門性と総合性を両立、
【動態管理 標準プラン】買取り月額2,900円~/台、レンタル月額4,500円~/台
【動態管理 ライトプラン】レンタル月額3,900円/台(オプション料金は要問合せ)
【安全運転支援】買い取りプラン月額2,000円~/台、レンタルプラン月額3,200円~ / 台
無料プラン
なし
無償トライアル
なし
サポート
あり(カスタマーサポートセンター、問い合わせ対応)
「運行管理システム」導入のメリット、デメリット
運行管理システムを導入するメリット・デメリットについてお話していきます。
運行管理システム導入のメリットは次の4つが挙げられます。
・業務効率が大幅にアップする
・運転状況を把握できて事故を防げる
・コストダウンが望める
・面倒な事務処理が無くなる
運行管理システムを導入するとアプリなどを連携して、GPSで目的地までの最短ルートの情報が表示されるので、これまで必要だったナビの入力などの手間が無くなり、送迎をスムーズに行えるため業務効率が大幅にアップします。
また、車両の現在地だけでなく、走っているスピードなどの運行情報もリアルタイムで把握できるため、危険な運転や車両に不自然な動きがあればアラート機能などですぐにお知らせが入ります。
バスや電車などの決まったルートの場合は予定時刻よりも早く運用してしまっていないか、ルートを間違えていないかを確認できるため、運転手の負担を軽減できます。さらに最短ルートで運転できることで移動費用を削減できるため、経費削減にも繋がります。
タクシーでは“どこで誰を乗せて、どこまで走ったか”というその日の運転記録を提出しなければなりません。乗客を乗せるたびに運行情報を手書きしている企業の場合はシステム内で情報が完結するので、日々の面倒な入力業務の手間が省けるメリットがあります。
運行管理システムのデメリットは「短期間の導入ではコストパフォーマンスが悪い」という点です。
GPSなどが搭載された運行管理システムを導入するとなると、アプリやインターネットを利用するための端末を車1台につき1台用意しなければなりません。そのため、短期的な利用であれば初期費用が高額になってしまうため、デメリットと言えます。
一度は導入したけれど、使い勝手が悪くて別のシステムの導入を検討するというケースも考えられますので、短期間の試験的な導入を検討する場合には短期間プランやレンタルプラン、無料お試し期間などあるシステムを使ってみるのも良いでしょう。