安否確認システムの比較

「安否確認システム」とは?

安否確認システムとは地震や津波・台風などの災害が発生した際に、登録者の安否状態を確認できるシステムのことです。

安否確認システムは災害時に登録者の安否を確認し、現在置かれている状況や安全な場所を確保できているかをするための位置情報の提供など、必要な情報をリアルタイムで受信・発信することができます。

災害時には普段使っているインターネットや電話回線にアクセスが集中するため、サーバーに負担がかかりアクセスができなくなってしまうこともあります。

連絡手段が途絶えてしまうと、近くにある安全な場所への避難誘導や災害マニュアルなどの有益な情報を得ることができません。また怪我で身動きが取れない場合に、助けを求める手段が無ければ生存率が下がります。

特に日本は災害が多い環境にあるので、災害時に向けて日頃から準備をしておく必要があります。安否確認システムには家族や知人で登録するタイプものもありますが、一般的に企業や学校が災害時に社員・生徒の安否確認に備えて導入しているケースが多いです。

「安否確認システム」にはどのようなタイプがある?

安否確認システムは主に「クラウド型」と「オンプレミス型」の2タイプに分かれています。クラウド型とオンプレミス型はシステムにアクセスするサーバーに違いがあります。

クラウド型はシステムの提供会社のサーバーを利用するため、インターネット環境が整っていれば場所や時間を気にすることなくシステムを利用できます。新しくサーバーを設置する必要がないので、月額利用料金を支払えば最短即日からとスピーディーに導入できます。

気軽に導入しやすいクラウドタイプですが、大衆向けであるシステムの提供会社のサーバーを利用するので、外部からの不正アクセスを受けるリスクがあります。

安否確認システムは従業員の個人情報が登録されているものもあるので、セキュリティ機能が充実したシステムを選ぶようにしましょう。

オンプレミス型は新しく用意した自社専用のサーバーを使ってシステムにアクセスします。そのため、外部からの不正アクセスを受けるリスクは少ないですが、サーバーの運用費用として初期費用が高くなる傾向があります。

自社回線を経由しなければシステムにアクセスできないので、仮想サーバーを作成するなどのサービスを追加利用しなければ、利用できる場所に制限が発生してしまいます。

しかし、メリットとして自社の機能する使用に合わせて自由度の高いカスタマイズができるので、使いやすいように機能の追加や修正などの仕様変更ができます。

「安否確認システム」の選び方は?

安否確認システムを選ぶポイントは「シンプルな操作性」と「安否確認に特化しているかどうか」を軸として選ぶことをオススメします。

災害時は予想外の事態に陥ることで通常よりも判断力が鈍ってしまう傾向にあり、安否確認システムの操作時にも焦ってしまう可能性が高まります。

そんな時にいざ安否確認システムを利用するとなると画面表示が分かりにくかったり、操作性が難しかったりするとタイムロスとなり、逃げ遅れの原因に繋がります。そのため、安否確認システムを導入する際にはシンプルな操作性であるシステムを導入しましょう。

また安否確認に特化している提供会社のシステムは、緊急事態発生時の対応に慣れているので、スムーズなサポートが受けられます。

安否確認をメイン業務として行っていない企業の場合、対応してほしいタイミングで手が回らずに対応してもらえないことや実際の緊急対応に慣れておらず手間取ってしまうリスクが考えられます。

「安否確認システム」比較検討時の注意点は?

安否確認システムの比較検討時には「稼働実績があるか」という点に注意しておきましょう。従業員の安否を正確に把握するためのシステムですから、ただ登録しておけばいいという訳ではありません。

実際に災害が起こった際に対応した実績があるかどうかや、従業員の情報を登録・管理しているので、セキュリティ面でも安全性が高いシステムを選ぶように注意することが大切です。

主要な「安否確認システム」の一覧

「セコム安否確認サービス」(セコムトラストシステムズ株式会社)

おすすめ対象者

災害発生時にスムーズな安否確認をしたい方、信頼性の高いサービスを利用したい方、サポート体制の整っているサービスを利用したい方

主要機能

代行送信機能、緊急連絡網機能、災害訓練機能、位置情報通知機能、メールアドレスクリーニング機能、グループ管理機能、自主報告機能、感染症確認機能、英語対応機能、運用サポート機能

特徴

導入実績国内No.1、利用者数770万人、大規模災害発生時の初動を専門スタッフが24時間 365日体制でサポート、セキュリティ事業で培った豊富なノウハウ

費用

初期費用:220,000円、月額利用料:33,000円、従量料金:従業員の人数により変動するため要問合せ

無料プラン

なし

無償トライアル

あり(30日間)

サポート

あり(防災士の専門スタッフによる24時間365日体制のオペレーション、運用サポート)

「安否確認サービス2」(トヨクモ株式会社)

おすすめ対象者

安否確認を自動化したい企業、マニュアル不要の簡単なシステムを導入したい方、リーズナブルな価格を求める方

主要機能

災害警報に連動した自動送信、回答結果を部署ごとに自動集計、掲示板、プライバシー保護

特徴

国内の大災害でも稼働するサーバー環境を構築、分かりやすい操作性・デザイン、無駄を省き必要な機能だけを搭載、ガラケー・アプリ対応

費用

トライアルプラン(30日間):0円

ライトプラン:50人6,800円/月、100人9,800円/月、200人12,800円/月、300人14,800円/月、500人18,800円/月、700人22,800円/月、1000人26,800円/月

プレミアプラン:50人8,800円/月、100人12,800円/月、200人15,800円/月、300人18,800円/月、500人23,800円/月、700人27,800円/月、1000人32,800円/月

ファミリープラン:50人10,800円/月、100人15,800円/月、200人18,800円/月、300人22,800円/月、500人28,800円/月、700人32,800円/月、1000人38,800円/月

エンタープライズ:50人14,800円/月、100人19,800円/月、200人22,800円/月、300人26,800円/月、500人33,800円/月、700人37,800円/月、1000人43,800円/月

無料プラン

なし

無償トライアル

あり(30日間)

サポート

あり(お電話やメールによる問い合わせ、オンラインセミナー、【有料プラン】安心教育/設定サポート100,000円)

「安否確認システム」導入のメリット、デメリット

安否確認システムを導入するメリット・デメリットについてお話していきます。

安否確認システム導入のメリットは次の5つが挙げられます。

・登録者の安否確認がリアルタイムでできる

・部署や拠点ごとに安否を自動集計

・GPS機能で現在地を発信できる

・安全な避経路への誘導が受けられる

安否確認システムを導入すると、災害が起こった該当地域に属する登録者に一斉で自動配信が行われ、リアルタイムで安否を把握できます。その回答を元に部署や拠点ごとに安否を自動集計してくれるので捜索が必要な従業員が分かりやすく、翌日以降の業務に対する人員配置などの準備を行うことも可能となります。

またGPSが搭載されているシステムでは、安否が確認できていない登録者がいた場合にスマホの位置情報などから現在地を特定して救助ができます。位置情報をもとに安全な避難経路へ誘導してくれるサービスもあるため、生存率アップに繋がりメリットがあります。

安否確認システムを導入するデメリットは「災害時に利用されない可能性がある」という点です。

日本は災害の多い国ではありますが、日頃から安否確認システムを利用することはないので、実際に災害が起こった際に「安否確認システムを使う」ということが頭から抜けていることもあります。

安否確認システムはリアルタイムで状況を把握できるのが魅力的なポイントのため、登録者側からアプリやサイトを開いて安否報告をするタイプではなく、システム側からURLや回答ページが自動配信されて、状況を報告するタイプの安否確認システムがおすすめです。


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