「BIツール」とは?
BIツールとは「ビジネス・インテリジェンス」の略で、企業が蓄積しているさまざまな大量のビックデータを分析・見える化するツールのことを指します。
BIツールは企業にあるビックデータを活用して経営や業務に役立て、精度の高い意志決定を行うためのサポートツールとして利用されています。
Excelなどで多くのデータを集計・分析するのは時間がかかってしまいます。また入力時にミスをしてしまうと集計結果に相違がでて、作業効率が悪くなってしまいます。BIツールはデータの自動集計を行ってくれるので、業務効率のアップが期待できます。
「BIツール」にはどのようなタイプがある?
BIツールには「オンプレミス・クラウド・パッケージ」の3種類のタイプがあります。
BIツールはビックデータの収集や蓄積・分析を行うので、「オンプレミス型」での提供が多くなっています。オンプレミス型は自社の専用サーバーを用意して、そのサーバー経由でツールを利用するものです。
オンプレミス型は自社の専用サーバーを利用しているから、外部からの攻撃を受けるリスクが少なく、蓄積してあるビックデータの情報漏洩のリスクが低いです。またツールのカスタマイズができるので、自社の要望に合わせた機能の追加・修正など自由度の高い運用が実現できます。
デメリットとしてはサーバーを経由しないとツールへのアクセスができないので利用できる場所が限られてしまい、サーバーの構築を行うため初期費用が高くなる傾向にあります。
さらにシステムの運用・保守を行う技術を持っている従業員がいないと現実的な運用は難しいです。また導入までに時間がかかるので、すぐに導入したいという方には向いていません。
クラウド型はオンプレミス型と異なり、既存のサーバーを利用してツールを利用するものです。すでにあるサーバーを利用するので、すぐに利用を開始できる特徴があります。初期費用は安価ですが、サーバーやツールの利用料として月額費用を支払います。
基本的にカスタマイズを行うことはできず、自社専用のサーバーではないためオンプレミス型と比べると情報漏洩のリスクが高まります。
パッケージ型はソフトなどを利用してPC内にツールをインストールし、運用を行うものです。パッケージ型は一度インストールするとアップデートなどに対応できないので、バージョンが古くなるとアップデートや新しいバージョンを購入する必要があります。
イメージとしてはOfficeソフトのWordやExcelが分かりやすいでしょう。1回限りの購入価格なので、初期費用のみでツールの維持費は一切かかりません。
「BIツール」の選び方は?
BIツールの選び方は「提供会社」や「運用タイプ」を軸にして選ぶとよいでしょう。ツールの選定には、どんな企業が提供しているツールなのかということを知ることが大切です。
BIツールは海外の企業が日本企業向けに提供しているサービスも多く存在します。日本人向けに翻訳されてはいますが、内容が分かりにくいということも。英語が分からない人によっては運用に慣れるまでに時間がかかってしまい、かえって業務効率が悪くなるケースも考えられます。
次に運用タイプを軸にする場合、「オンプレミス・クラウド・パッケージ」から好みの提供タイプを選びましょう。
自社サーバーで自由度の高い運用を行いたい企業はオンプレミス版、場所を問わずにすぐに導入したい方はクラウド版、PCにダウンロードして運用したい方はパッケージ版がおすすめです。
「BIツール」比較検討時の注意点は?
BIツールの導入を比較検討する際は「サポート体制が整っているか」という点に気を付けましょう。BIツールはさまざまな企業が提供していますが、海外の企業が提供しているツールも多いです。
例えば、提供企業の本社所在地がオーストラリアやアメリカの場合、日本語で対応してくれるカスタマーサポートがいなければ、英語でやり取りをする必要が出てきます。
何かトラブルがあった際に対応が遅かったり、なかなか意思疎通がとれなかったりするケースも考えられますので、BIツールの導入を比較検討する際にはサポート体制の充実しているものを選ぶようにしましょう。
主要な「BIツール」の一覧
・「Tableau(タブロー)」(Tableau Japan)
・おすすめ対象者:データの検索と管理を簡単に行いたい方、分かりやすいデータ表現を求める方
・主要機能:データのダウンロード、カスタムビューの作成および共有、SQLクエリによるデータ取込み、データフロー (.tfl) の編集および変更、サーバーの管理など
・特徴:分かりやすいビジュアルでデータを確認できる、すべてがそろった統合分析プラットフォーム、ドラックアンドドロップで簡単操作
・Tableau Creator:102,000円/年(1ユーザー)
Tableau Explore:51,000円/年(1ユーザー)
Tableau Viewer:18,000円/年(1ユーザー)
・無料トライアルあり(14 日間の無料トライアル)
・サポートあり(サポートFAQ・カスタマーサクセス・サポートサービス・サポートなど)
・「MotionBoard(モーションボード)」(ウイングアーク1st株式会社)
・おすすめ対象者:データを簡単に集約したい方、職種に最適化したデータ活用をしたい方、データ入力業務の効率化を図りたい方
・主要機能:データ活用コンサルティングサービス、データ分析・編集・更新、GIS機能を標準搭載
・特徴:まとめたデータをリアルタイムで可視化、多種多様なビジュアライズ、2,000社以上の導入実績、クラウド版・パッケージ版をご用意
・初期費用10万円(税別)、月額費用3万円(税別)~
・無料トライアルあり(体験デモ/体験できるダッシュボードは60種類)
・サポートあり(セミナー、ユーザー専用サポートサイト、BIコンサルティングサービス)
・「Actionista!(アクショニスタ)」(株式会社ジャストシステム)
・おすすめ対象者:Excelでのデータ集計と分析に課題を感じている方、簡単な操作のBIツールを探している方、コストパフォーマンスを重視する方
・主要機能:企業の集計・分析・レポーティング業務、分析ウィザード、
・特徴:プログラミングの知識がなくても利用可能、1ライセンスの購入で企業内すべてのユーザーが利用可能、データの収集から分析まで数分で集計できる
・初期費用、月額費用、その他費用については要問合せ
・無料トライアルあり(30日間)
・サポートあり(開発・販売・サポートまで一貫してメーカー対応、無料セミナー)
・「BIツール」導入のメリット、デメリット
BIツールを導入するメリットとデメリットについてお伝えします。
BIツールを導入するメリットは次のようなものが挙げられます。
・データの集計・入力の時間を大幅削減
・大量のデータをまとめて可視化できる
・精度の高い意思決定ができる
・問題の早期発見に繋がる
・情報をリアルタイムで共有できる
BIツールを導入する最大のメリットは「大量のデータを自動で分析できる」という点です。ツールがまとめた情報をすぐに集計できるから担当者の負担を軽減し、業務効率をあげることができます。
またデータを分かりやすく可視化することで、企業経営の問題の早期発見にも繋がりますツールを経由して企業全体で情報を共有できるのもメリットと言えるでしょう。
BIツールを導入するデメリットは自社に合ったツール選び方が難しく、まとまった費用が発生するという点です。
企業の目的やニースにマッチした製品を選ぶのは難しいです。せっかくツールを導入しても、課題を解決するための充分な機能が備わっていなかったり、操作が分かりにくくてかえって時間がかかってしまったりすることもあります。
提供タイオウによってはツールの導入にまとまった費用がかかるケースもありますので、自社に合ったツールを見つけるようにしましょう。
BIツール選びに悩まれている方は、この記事を参考にBIツールを選定して頂けると幸いです。