アライアンスとは、一言で説明すると企業が共同で事業を行うことです。提携することで、それぞれの企業の不足しているリソースを相互補完しながら、コアコンピタンスを活かしつつ、新たなる経営をすることができるようになります。
アライアンスの意味
アライアンスの意味、目的を見ていきましょう。
アライアンスとビジネス
アライアンスとビジネスの関連についてです。
共通の利益を追求、規制緩和の後押しという2つの観点から確認していきます。
共通の利益を追求
アライアンスによって、企業同士が提携を結びます。よって、企業同士が共通の利益を追求するようになります。
M&Aとは異なるため、対等な立場でより早く締結・事業を展開できる可能性があるでしょう。
規制緩和の後押し
急速なグローバル化が進む中で、同業社間・他業界との連携に対し規制緩和が進んだ背景があります。そのため後押しするようにアライアンスが推し進められてきました。
アライアンスの目的
アライアンスが何なのかを確認してきました。
目的として、提携を結んでいる企業の強みを活用することで、提携したからこそできる事業展開を目指すことであると言えるでしょう。
それでは、アライアンスの目的について具体的に事業拡大とグローバル化への対応という2つの観点について見ていきます。
事業拡大
企業同士が提携することで、相手企業の知識やノウハウを習得できるほか、それによって顧客により良い商品あるいはサービスを提供することができるでしょう。
供給のみならず、他社の人と交流を持つことで、刺激を受けて自社社員のモチベーションが上がるような内部環境も良くなることがあるかもしれません。
相互補完などによって、結果的には事業を拡大することもできるでしょう。
グローバル化への対応
上述してある内容は、国内だけとは限りません。
国外の企業とアライアンスすることで、得られることはたくさんあるでしょう。
ネットで調べると、グローバル・アライアンスに参加できるようなプロジェクトしている企業もあります。
アライアンスの種類
アライアンスにはいくつかの種類があります。
経営的視線でのアライアンスと技術的視線でのアライアンスにわけて、それぞれ以下で説明していきます。
経営的視線でのアライアンス
経営的視線でのアライアンスでは、業務提携と資本提携に分けられます。それぞれについて解説します。
業務提携
業務提携とは、独立している企業同士が資本関係を築くことなく、業務上において協力関係を構築することです。
業務提携では、全ての業務を提携する必要はなく、何かしらの業務を共同で行うことが一般的です。
資本提携
資本提携とは、提携を結んでいる片方の企業が、もう一方の企業の株式を一定の程度を取得し、一定の支配権を得たうえで事業を協力していくことです。
資本提携は企業買収ではないため、取得する株式は30%程度です。
お互いの企業が資本を持ち合うこともできます。
一方の企業が株式を取得した場合は、子会社でなくてもある程度の主従関係が生まれてしまうことがあります。
技術的視線でのアライアンス
経営的視線でのアライアンスのあとは、技術的視線でのアライアンスについて解説していきます。
技術的視線では、技術提携と産業提携に分けて説明します。
技術提携
技術提携とは、提携を結んでいる企業同士が持っている技術を利用し合って製品を開発することや、一方の企業がもう一方の企業へ技術を提供しすることです。
特許を持っている企業とライセンス契約を結んだ際には、大きなメリットが生まれるでしょう。
産学提携
産学提携とは、主に大学や研究機関が持っている研究成果、技術やノウハウを民間企業が活用するために、企業が大学や研究機関と提携する仕組みのことです。
企業にとっても大学にとっても経済活動に結び付けられるメリットがあるでしょう。
アライアンスの使用例
アライアンスの使用例について見ていきましょう。
アライアンス契約を交わしてパートナーに
M&A以外で企業同士が協働していく場合には、アライアンス契約が必要になります。
どの経営資源をどれくらい提供し、配分など法的な契約を結びます。
契約を交わしたら、その企業がパートナーとなり、提携を結べたということになります。
アライアンス契約
アライアンス契約とは、企業が技術、人材や資本等の経営資源を出して、事業の更なる成長や競争力を確保するために結ばれる契約のことです。
アライアンスパートナー
アライアンスパートナーとは、アライアンス契約を結んだ企業のことです。
アライアンス事業と戦略
アライアンスの事業と戦略について見ていきましょう。
アライアンス事業
アライアンス事業として、3つのパターンが考えられます。
それらについて1つずつ説明していきます。
1つ目は、共同開発段階での提携パターンです。
研究開発や商品開発段階から外部と共同で行い、売るためのものつくり段階でのアライアンスです。
2つ目は、事業構築段階での提携パターンです。
事業開始時で自社の足りない部分を外部で活用する、強みと弱みの相互補完でお互いの強みを使うアライアンスです。
3つ目は、ある程度できていて、自社が介入することで伸びそうな企業と提携するアライアンスです。
アライアンス戦略
アライアンスの戦略についても見ていきましょう。
戦略では、主に生産提携、販売提携、技術提携の3つが挙げられます。
生産提携は、自社のリソースが不足している製造工程関連物をアライアンス先の企業にサポートしてもらうことです。
販売提携では、アライアンス企業同士で販売チャネルを共有し合うことです。
技術提携では、上述してあるように両社で人材、ノウハウ・技術を共有し合うことです。
アライアンスと似た用語との違い
アライアンスとは似た用語があります。
ここで、確認をしておきましょう。
M&Aは経営権の移転を伴う
M&Aはアライアンスと異なり、経営権(支配権)の移転があります。
M&Aは合併と買収を主に行うもので、アライアンスと目的も異なっています。
買収と提携は事業が異なっているということを理解できますね。
アライアンスは経営資源の共有
アライアンスは、自社の弱い部分をアライアンス契約先の企業の強みで補うことや、両社のコアコンピタンスを活かして、提携したからこその事業を拡大することを試みています。
よって、アライアンスでは、他企業を買収というより、経営資源を共有して事業拡大することが目的とされています。
アライアンスとパートナーシップの違い
パートナーシップとは、企業同士がお互いに協力して資金になり、技術等を提携してパートナーシップという枠組みに入っている企業同士を援助するというものです。
アライアンスとの差異は、アライアンスは収益を重視し、相手と協力するものであり、一方のパートナーシップは助け合いの精神であると言えるでしょう。
パートナーシップは共同企業
パートナーシップは、共同企業形態の1つです。
アライアンスは独立性を保持する
アライアンスは、緩やかな結び付きなため、経営方針などにアライアンスを築いた企業から指示されることがなく、お互い大きなストレスを感じることなく経営ができるでしょう。
よって、独自性を維持できますね。
アライアンスのメリットとデメリット
アライアンスの理解が深まったところで、それのメリットとデメリットの両方を確認しましょう。
アライアンスのメリット
さきにメリットについて解説していきます。
比較的コストがかからない
アライアンスでは、契約締結に時間とお金がそれほどかかりません。
比較的低コストで契約を進められることがメリットとして挙げられるでしょう。
独立性が保持できる
上述してあるように、アライアンスは緩やかな結びつきで、パートナー企業からの介入が多くなく、お互いに新本を持ち寄ってないことから、経営面での独立が維持できます。
この独立性が保持できることもメリットとして挙げられるでしょう。
アライアンスのデメリット
アライアンスには素晴らしいメリットがあることが分かりました。
つぎに、アライアンスのデメリットについて見ていきましょう。
提携の効果には保証がない
提携を結んだからといって、必ずしも利益が生まれるとは限りません。
提携の効果には保証がないということがデメリットとして挙げられるでしょう。
企業ノウハウの流出リスク
パートナー企業によっては、自社の企業ノウハウ・技術を漏洩されてしまう危険性があります。
アライアンスを行う方法
これまで、アライアンスについて詳しく見てきました。
ここからは、アライアンスを行う方法とパートナー企業の選定にについて見ていきましょう。
事前に明確にしておくポイント
アライアンスを築く以前に、アライアンスを行う目的と自社の強みと弱みをしっかりと把握しておきましょう。
そうでないと、なぜアライアンスを行おうとしているのか曖昧になってしまい、何をしていくのか分からなくなってしまいます。
アライアンスを行う目的
アライアンス契約をしようと思うのであれば、自社がアライアンスを行う目的をしっかりと明確にしておきましょう。
一般的には、パートナー企業と相互補完して、事業拡大することが目的です。
自社の強みと弱みの把握
アライアンスをするにあたり、自社の強みと弱みをしっかりと把握しておかなければなりません。
そうでないと、どのような企業と提携結べば目的を達成できるのか分からなくなってしまうからです。
アライアンスの相手となる企業の選択
では、これまでを踏まえて、アライアンスの相手となる企業の選択について見ていきましょう。
候補企業の経営戦略を理解する
企業それぞれで経営戦略、アライアンス戦略は異なるでしょう。
自社は、どこの企業と提携を結ぶことが最も効率的か考えるもとになる候補企業の経営戦略を理解することは、とても大事と言えます。・提携の詳細を共有し合意を目指す
企業によっては、提携で求めることは違うでしょう。
企業間で認識の差が生まれないように、提携するまでの間、しっかりと提携の詳細を共有することが大事です。
そこで引っかかるものがなければ合意に向けて頑張りましょう。