経理アウトソーシング(外注)の比較、選び方

「経理アウトソーシング」とは?

経理アウトソーシングとは企業内の経理業務を外部にアウトソーシングできるサービスです。業務は会社内の一部の経理業務から全般まで幅広く対応しています。

部分的な経理業務をアウトソーシングできるので、経理の専門的な知識を持たない企業や個人事業主、経理担当として従業員を雇う規模の企業ではなく採用に踏み込むことを検討している企業に人気が高いです。

「経理アウトソーシング」にはどのようなタイプがある?

経理アウトソーシングサービスには「在宅ワーク」と「出向型」の2タイプがあります。

経理アウトソーシングは在宅ワークタイプが大半を占めており、ワーカーは出社することなく依頼やメッセージなどは全てインターネット上でやり取りをして自宅で業務を行います。

交通費なども発生しないため、支払う料金は時給や月額費用の業務で発生する費用のみだから、従業員を1人雇用するのと比較すると人件費を抑えて業務を委託できます。

出向型は実際にワーカーがオフィスまで出向いて業務を遂行するタイプで、ワーカーに企業に出社してもらうので、在宅ワーク型と比べると費用が高くなる傾向にあります。

経理アウトソーシングサービスは自社の経理業務を外部に業務委託するので、出向型を導入している企業は少ないですが、外部に企業のデータを持ち出したくない企業や機密情報を取り扱う企業からの支持を得ています。

「経理アウトソーシング」の選び方は?

経理アウトソーシングを選ぶポイントは「対応できる幅や納期」を軸として選びましょう。

経理アウトソーシングサービスは時間単価や月額費用制度などサービスの提供会社によってプランはさまざまですが、外部に委託するにあたって迅速に業務を遂行してくれるかがカギとなってきます、

特に月次決算や確定申告など期限が決まっている業務を依頼する場合は納期に間に合わなければなりません。

在籍するワーカーの人数が多い企業であれば、依頼を行ってから24時間以内にワーカーとのマッチングを設定してくれることが多く、緊急時に早いレスポンスが期待できるため、登録者数の多いサービスを軸に選ぶのも1つのポイントです。

また、経理業務のなかでどの業務まで対応をしてくれるかを知っておく必要があります。業務に付随した手続きまで幅広くカバーしてくれるサービスを選ぶことをおすすめします。

「経理アウトソーシング」比較検討時の注意点は?

経理アウトソーシングサービスを提供する企業の中には1ヶ月単位から契約できる企業もあれば、1年契約でしか依頼ができない企業もありますので、経理アウトソーシングを導入する際の比較検討時は「契約期間の縛り」があるかどうかに注意しておきましょう。

例えば、年末調整などで税理士による対応を希望される方は継続的ではなく単発での利用を行います。数ヶ月程度のみの利用しかしないのに年間契約になってしまうと無駄なコストが発生してしまうので、あらかじめ対応できる契約期間について確認しておくようにしましょう。

主要な「経理アウトソーシング」の一覧

「NOC経理アウトソーシング」(NOCアウトソーシング&コンサルティング株式会社)

おすすめ対象者

経理業務をアウトソーシングして業務効率化を目指す企業、人件費を削減してコストを削減したい企業、プロによるスピーディーな作業を求める企業

主要機能

請求書作成・請求書受取・支払管理・経費精算代行・領収書の照合作業・賃借対照表作成・損益計算書作成・キャッシュフロー計算書作成・税務申告書作成・領収書整理・記帳代行・給与計算代行・財務サポート&コンサルティング

特徴

課題に応じたサービスアレンジ、経理経験者が業務を設計・代行、最適なIT・クラウド環境整備支援、業務改善のアドバイス・財務コンサルティング、設立30年の豊富な実績

費用

初期費用、月額費用については要問合せ

無料プラン、無償トライアルの有無

無料プランなし、無償トライアルなし

サポートの有無

サポートの有無(電話・メール問合せ対応、担当者によるサポート)

「ビズアシスタントオンライン」(株式会社クラウドワークス)

おすすめ対象者

ハイレベルな人材とマッチングしたい方、苦手な作業を外部委託したい方、業務効率をアップさせたい企業、コスト削減を行いたい企業

主要機能

経理業務(会計ソフトへのデータ入力、給与計算、領収書まとめ、月次決算業務/月末経費支払い)、営業事務、ライティング、データ入力など

特徴

全国約320万人の豊富な人材データベース、幅広い業務を依頼可能、業務開始後の手厚いフォロー、在宅ワクのアシスタント人材をマッチング

費用

初期費用0円、利用料金は時間単価のみ(デザイン・広告運用業務は月30時間~、そのほかの業務は月50時間から対応可能 ※1ヶ月から利用OK)

無料プラン、無償トライアルの有無

無料プランなし、無償トライアルなし

サポートの有無

サポートあり(専任の担当者によるフォロー、電話・メール問い合わせ対応など)

「CASTER 」(株式会社キャスター)

おすすめ対象者

経理のプロに業務を任せたい企業、作業効率をアップさせたい方、コストを抑えて業務を依頼したい企業、業務負担を視覚化して改善提案を求める方

主要機能

経費精算、売上・支払管理、月次決算、税理士対応、資料スキャン、業務コンサル、システム活用サポート、クラウド会計導入サポート

特徴

クラウド会計の導入から運用まで対応可能

費用

BASIC:1ヶ月198,000円 企業規模の目安/従業員20名以下 ※6ヶ月契約

LONG:1ヶ月178,200円 企業規模の目安/従業員20~100名以下 ※12ヶ月契約

CUSTOMIZA:ご要望に合わせてプランを作成

無料プラン、無償トライアルの有無

無料プランのなし、無償トライアルなし

サポートの有無

サポートあり(カスタマーサポート、システム・クラウド会計導入サポート)

「経理アウトソーシング」導入のメリット、デメリット

経理アウトソーシングを導入するメリットは以下が挙げられます。

  • 人件費が削減できる
  • 専門業者による正確な対応
  • 本業に支障がない
  • 改ざんや横領のリスクがない

経理アウトソーシングを利用するメリットはアウトソーシング会社をうまく利用することで人件費の削減ができるという点です。

経理を行う社員を1人雇うと初任給は20万円程度で、派遣社員の平均時給が1,385円、アルバイト・パートの平均時給が997円の費用が発生しますが、アウトソーシング会社は月9万円からや1仕訳あたり50円から100円程度で利用できます。

人を雇うと給与以外にもそのほか社会保険料や交通費・設備費用などが発生しますので、経理アウトソーシングサービスを利用することでトータルの人件費が削減できます。

経理アウトソーシングには経理の知識が豊富な経理専門のスタッフが対応を行うので、自社に経理知識のある社員が在籍していくとも正確に対応してくれます。また、業務委託作用を外部にアウトソーシングすることで本業に集中できるものメリットと言えます。

また自社内で処理を行わないため、文書改ざんや横領をするリスクもありません。

経理アウトソーシングを導入するデメリットは以下が挙げられます。

  • 自社社員が育たない
  • 情報漏洩のリスクがある
  • 頻繁なアウトソーシングは割高

経理アウトソーシングを利用していると自社の社員のノウハウが蓄積されないため、社員の育成・スキルアップが難しくなります。今後も経理担当者を雇わない企業は構いませんが、事業拡大などで経理職の社員を育成していきたいと考えている企業は要注意です。

また、外部に自社の利用した購入物品や経費の領収書を提出するので、どこかで情報が流出してしまう可能性があります。情報漏洩のリスクを抑制したい場合はセキュリティ対策が整ったアウトソーシング会社を選択しましょう。 経理アウトソーシングを導入するメリットで「人件費が削減できる」とお伝えしましたが、頻繁に経理アウトソーシングを利用する場合はかえって割高になってしまいます。利用頻度が多い場合は自社に経理職の社員を雇った方がコストを抑えられることもあります。


AD