「採用コンサルティング」とは?
採用コンサルティングは採用に関するノウハウや有益な成功を企業に提供し、採用をサポートするサービスのことを指します。
採用コンサルタントは企業の経営方針やカラー・求める人材に合わせて戦略的に採用戦略を提案し、企業の採用から入社までの採用計画を支援します。会社説明会の計画から企業のアピールポイント・インターンシップなどを企画し、面接官のトレーニングも行います。
人材採用の知識やノウハウがない企業の場合、より良い人材の採用や採用担当者の業務負担の軽減に繋がります。
採用コンサルティングは採用代行と異なり、採用に至るまでの知識を提供・フォローをします。実際に応募者のスクリーニングや面接を行うという訳ではないので注意が必要です。
採用担当者が採用の流れを把握して、スムーズに採用を行えるまでの期間は採用コンサルティング会社にサポートを受けながら採用を行い、ある程度企業内の採用ルーティンが構築できたら、スポット的な採用コンサルティングの利用に留める企業も多いです。
「採用コンサルティング」にはどのようなタイプがある?
採用コンサルティングの内容は「採用戦略設計・採用選考支援・内定者(入社後)フォロー」の3種類に分かれています。
採用戦略設計では企業の採用ターゲットやテーマを明確化し、面接の回数や合否率などの選考のフロー設計・自社の魅力分析や競合他社の採用分析など、自社の採用をより良くするための戦略を計画します。
新卒採用の場合はインターンシップの設計や会社説明会・グループワークなどの企画や評価表などの作成をサポートします。期間は半月から2ヶ月間が一般的で、採用担当者が今後スムーズに採用業務を行えるようになります。
採用選考支援は面接官の想定質問集などのマニュアル作成や面接指導、リクルータートレーニングなどを行います。採用選考支援は1日間~数日でのトレーニングが多いです。
内定者・入社後フォローは内定者が入社するまでのフォロー対策を計画します。最近では内定が決まったものの、入社前に辞退する内定辞退者が増えていることから、採用した人材を逃がさないための研修や入社後のフォロー研修を行います。
「採用コンサルティング」の選び方は?
採用コンサルティングを選ぶ際は、「豊富な導入実績があるか」や「どのような研修内容をするのか」に着目しましょう。
採用コンサルティングは採用に関する知識やノウハウなどの目に見えないものを提供するサービスなので、研修内容の濃さが需要となります。
コンサルティングサービスの利用社数が多く、よく利用されている会社ほど信頼度が高いので、採用コンサルティングを選ぶ際には導入者数を確認しておくことをオススメします。
「採用コンサルティング」比較検討時の注意点は?
採用コンサルティングを比較検討する際は「バックアップ・サポート体制」が整っているかに注意しましょう。
採用コンサルティング会社のなかには、問合せになかなか対応をしてくれないケースや、資料の配布だけで詳しい説明をしてくれない企業も存在します。
企業のバックアップ・サポート体制が整っていないと、採用に関する知識が思うように入手できないリスクがあるため、社内体制や基盤が整っているコンサルティング会社を利用しましょう。
主要な「採用コンサルティング」の一覧
「新卒コンサルティング」(株式会社ネオキャリア)
おすすめ対象者
新卒採用の戦略的パートナーを求める企業、母集団の形成に力を入れるだけでは限界を感じている企業、内部で行う戦略設計やコンテンツ設計から見直したい企業、仕事や業種以外でも学生を惹きつける方法が知りたい企業
主要機能
特徴
パッケージではなくオリジナルで採用を企画、中小企業から大手企業まで10,000社を超える豊富な実績
費用
【選考プロセス構築】採用ゴール設計(採用ターゲット。テーマの明確化)/150万円、選考フロー設計/75万円、魅力訴求分析(自社の魅力分析 ・採用競合企業分析)/75万円、内定者・辞退者調査(調査結果報告と課題の抽出)/75万円、インターンシップ設計(イベント設計 ・投影スライド/アンケート作成)200万円、会社説明会設計(説明会の全体設計 ・投影スライド/アンケート作成/200万円
【採用アサイン構築】面接官マニュアル設計/200万円、面接官トレーニング/50万円、リクルーター制度設計/200万円、リクルータートレーニング/50万円
選考プログラム設計(グループワークコンテンツの設計・ワークシート/評価票作成)200万円
【内定者対策構築】内定者フォロー設計/150万円、内定者トレーニング/50万円
無料プラン
なし
無償トライアル
なし
サポート
あり(コンサルティング担当によるサポート、問い合わせ対応など)
「採用コンサルティング」(株式会社マイナビ)
おすすめ対象者
戦力となる人材を採用したい企業、効果的・効率的な採用プロセスを設計したい企業、採用に関するノウハウを蓄積したい企業
主要機能
調査(組織の方向性確認・採用課題調査)、設計(採用プロセス設計・エントリーシート設計・初期スクリーニング設計・説明会コンテンツ作成・評価シート設計)、運用支援(面接官トレーニング・新入社員向けトレーニング・ビジネススキル研修)
特徴
採用に関する全領域をワンストップでサポート、効果的・効率的な採用の実現、40年以上の採用実績、
費用
初期費用0円、月額費用0円、コンサルティング費用は期間や内容によって変わるので要問合せ
無料プラン
なし
無償トライアル
なし
サポート
あり(出張サポート、問い合わせ対応、専属コンサルティング担当者の設定)
「採用コンサルティング」導入のメリット、デメリット
採用コンサルティングを導入するメリット・デメリットについてお話していきます。
採用コンサルティング導入のメリットは次の4点が挙げられます。
・採用プロセスの最適化
・採用のノウハウが蓄積できる
・第三者からの意見を得ることができる
・採用担当者の負担が軽減する
採用コンサルティングを利用する1番のメリットは、効率良く採用が行えることです。
例えば、初めて新卒を採用する企業が採用はどのタイミングから募集を行っていいか分からず、スタートダッシュが遅れてしまうことも多いです。特に優秀な人材は早い段階で内定を獲得する傾向にあるので、新卒採用はスケジュール感を把握しておくことが重要です。
また最近では「仕事内容を詳しく知りたい」や「会社の雰囲気を肌で感じたい」と、インターンシップに参加する学生が増えています。
学生は初めて社会人になる訳ですから、なるべく不安な要素は無くしたいと考えています。しかし、初めての新卒採用となると手間取ってしまいがちなので、満足度の低いインターンシップを提供してしまって学生に物足りなさを感じさせてしまうリスクもあります。
採用のノウハウがない企業は採用コンサルティングを利用することで人材の獲得に繋がり、企業内にも採用ノウハウが蓄積されます。また採用担当者が一から採用の情報を仕入れる手間も省けて、人件費の削減と業務負担が軽減できるので大きなメリットとなります。
「第三者からの意見を得ることができる」という点では、自社の従業員だけで採用を行っていると、採用の流行りや競合他社の採用傾向など採用において重要な情報をうまく取り入れられないことがあります。
第三者からの意見を得ることで、これまで気付いていなかった自社の強みが見つかり、求職者に対して魅力的なアピールを行うことができます。そうすることで多くの求職者から興味を持ってもらうことができ、採用の質の向上に繋がります。
採用コンサルティングを導入するデメリットは「料金が高い」や「サービスを利用したからといって必ずしも質の高い人材が採用できる訳ではない」ということが挙げられます。
採用コンサルティングの価格はサポート対象期間や内容によって数十万円から数百万円と大きく料金が変動し、数ヶ月におよぶコンサルティングの場合は100万円~200万円が一般的です。
採用はタイミングも重要ですから、採用コンサルティングを受けたからと言って必ずしも成功する訳ではありません。時期によってはなかなか応募がない場合や、面接を重ねても希望するスキルや経験を持つ人に出会えないことも多いです。
そのため、採用コンサルティングは直接採用の結果に繋がると考えるのではなく、“自社社員の採用スキルアップ”や“企業への採用ノウハウの蓄積”だと考えておくといいでしょう。