コンフィグ管理製品とはインターネットに関する機器のコンフィグレーション(設定)をサポートしてくれるツールのことを指します。
例えば、PCを購入した後の設定ではアカウント作成やインターネット接続のためのモデム選択、ネットワークシステムの構成・設定、バックアップ作成などさまざまな初期設定を行う必要があります。
そのほかPCだけでなくサーバーやネットワーク機器などのハードウェアや、OSなどのソフトウェアまで多くの設定を行わなければなりません。
しかし、今や1人1台以上のデバイスを使って業務に取り組んでいる企業がほとんどですから、これらデバイスの設定を手動で行っていると多くの時間がかかりますし、万が一設定を間違えると業務に支障がでてしまう可能性もあります。
そんな時にコンフィグ管理製品を利用することでインターネット関連の設定管理ができ、設定の一括変更や変更履歴の確認、バックアップの自動作成を行えて、システム管理者の負担を軽減できます。
「コンフィグ管理製品」にはどのようなタイプがある?
コンフィグ管理製品は“クラウド型”と“オンプレミス型”の2つの接続タイプに分かれています。接続方法の違いにより運用方法も変わってくるので、企業によってクラウド型・オンプレミス型の適するタイプが分かれます。
クラウド型はサービス提供事業者が管理するサーバー・ネットワークを利用して、インターネット経由でコンフィグ管理製品にアクセスするタイプで、インターネット環境があれば場所や時間を問わずいつでもサービスが利用できる特徴があります。
サービスの提供元がハードウェアを設置・運用するので、自社でサーバーを構築・システム運用を行う必要がなく、バージョンアップやシステム更新も全て運営元が行います。そのため初期費用を抑えてサービスを利用でき、お申し込みから導入までがスピーディーです。
デメリットは自社回線ではないため、サービス機能の編集・追加やデザインの変更などの自由度の高いカスタマイズができず、大衆向けのサーバーのため外部からのサイバー攻撃を受けてしまうリスクがあるという点です。
クラウド型はテレワークなど場所を問わない働き方を導入している企業や既存パッケージとして搭載されている機能で充分に運用ができるという企業からの人気が高いです。
オンプレミス型は自社サーバー内にあるPCにソフトウェアやデータベースにハードウェアを構築して、自社内でシステム開発を行う運用タイプです。
自社専用のサーバーを利用してサービスを利用するので外部からの不正アクセスを防ぎ、高いセキュリティを保持することができます。
また自社内でシステムを運用・管理するので、システム障害やバージョンアップは自社で対応をしなければなりませんが、自社特有の条件や従業員からの要望によって機能を追加するなど自由度の高いカスタマイズができる特徴があります。
デメリットはサーバーを開設してシステム構築を行うのでシステム運用の知識が必須となり、実際にサービスが利用できるまでに時間がかかってしまうこと、システム開発費として初期費用が高額になってしまう傾向にあることが挙げられます。
オンプレミス型は製品の導入にある程度お金を掛けて、自社に沿うカスタマイズをしたサービスを利用したいという企業に適しています。
「コンフィグ管理製品」の選び方は?
コンフィグ管理製品を選ぶポイントは「必要な機能を明確にする」ことが大切です。
コンフィグ管理ツールにはさまざまな機能が搭載されており、製品を選んでいるうちに魅力的に感じる機能も多数存在します。しかし、多機能搭載していても実際に導入すると使用する機会が少なく、導入コストが高くなってしまうケースもあります。
ツールを導入する際には必要な機能を明確にして、後から機能が追加できるコンフィグ管理ツールを選ぶこともオススメです。
「コンフィグ管理製品」比較検討時の注意点は?
コンフィグ管理製品を導入する際の比較検討時の注意点はサポート体制が整っている企業を選ぶことです。
インターネット製品の管理を行うツールなので、問題が発生してしまうと機器の設定が変わってしまったりと業務に支障が出てしまうリスクもあります。
特にオンプレミス型の場合は自社でシステム構築・運用を行うため、トラブルが発生した際に提供事業者のサポート対応時間や回答までにかかる平均所要時間、どのようなサポート対応を行ってくれるのかを知っておくようにしましょう。
主要な「コンフィグ管理製品」の一覧
「Net Line Dancer」(株式会社ロジックベイン)
おすすめ対象者
分かりやすい操作性を求める方、業務効率をあげたい企業、ツールによる施術で人為的なミスを減らしたい方、社内コンプライアンスを強化させたい企業、コンフィグ管理による大幅なコスト削減を目的とする企業、
主要機能
デバイスディスカバリ(SNMP・SSH・TELNET)、設定管理、デバイスビュー、デバイスプロパティの収集、検索条件、変更ツール、設定変更後の自動バックアップ機能、バルクチェンジ機能、Cisco Zero-Touch、情報収集ツール、レポート機能エクスポート機能、ターミナルプロキシ、管理機能、ジョブ履歴、コンプライアンス機能など
特徴
導入コスト・運用コストを圧縮、セキュリティや利便性も万全、スモールスタートからMSP事業者までフォロー
費用
クラウド型の場合…ノード数100:3ヶ月166,000円・6ヶ月332,000円・9ヶ月498,000円・12ヶ月(年間)664,000円 ※ノード数500・1,000・3,000~は要問合せ
無料プランの有無
無料プランなし、無償トライアルあり(30日間)
サポートの有無
サポートあり(電話・メールによる対応、サポート対応のシステム化、)
「ManageEngine」(ゾーホージャパン株式会社)
おすすめ対象者
運用を自動化して業務効率をアップしたい企業、コンフィグ操作履歴の取得で内部統制を行いたい企業、コストを抑えてツールを導入したい企業、マルチベンダー対応のツールを求める企業
主要機能
ユーザー管理、バックアップ自動化、世代・変更管理、コンプライアンスチェック、レポート、スケジュール機能、ディスカバリーコンフィグ設定、一括変更、日本語ダッシュボードなど
特徴
運用の自動化を低コストで実現、マルチベンダー対応、未対応機器のテンプレートを開発、バックアップの省力化、差分比較・世代管理で障害発生時のコンフィグロールバックを迅速化
費用
初期費用、月額費用、その他費用については要問合せ
【参考価格(50デバイス/サポート付、税別)】
年間ライセンス:230,000円/年、初年度548,000円/年+次年度以降102,000円/年
通常ライセンス:初年度548,000円/年+次年度以降102,000円/年
無料プランの有無
無料プランなし、無償トライアルあり(30日間)
サポートの有無
サポートあり(電話・メールによるカスタマーサポート、オンライン相談)
「コンフィグ管理製品」導入のメリット、デメリット
コンフィグ管理製品を導入するメリット・デメリットについてお話していきます。
コンフィグ管理製品を導入するメリットは次のようなものが挙げられます。
- コンフィグ業務の効率化
- 人為的ミスの削減
- ネットワーク管理業務のコスト削減
- 問題の機器をすぐに特定
コンフィグ管理ツールを導入すると機器の設定を一括で管理でき、バージョンアップを自動化できるのでコンフィグ業務の効率が大幅にアップします。またツールで自動作業を行うので人為的な設定ミスも削減でき、設定に関するトラブル発生の心配が不要です。
これまでコンフィグ管理を外部委託していた企業や担当者に業務負担がかかっていた場合はアウトソーシング費用・従業員の人件費も削減できるため、ネットワーク管理業務のコストをカットできます。また機器を一元管理しているので、機器にトラブルが発生するとコンフィグ管理ツールですぐに問題が行っている機器の特定が可能です。
コンフィグ管理製品を導入するデメリットは特にありませんでした。多くのインターネット機器を所有する企業は多くのメリットがあるため、導入を検討してみてくださいね。