「工程管理ツール」とは?
工程管理ツールは、おもに製造や建設業での進捗管理に役立つシステムです。工程管理は、生産ラインでの改善策や従業員の状況の把握、細かい進捗管理が可能となり、オンライン化することでモノづくりの生産性向上やコスト削減に繋がります。工程管理ツールの導入は、製品づくりのプロジェクトの成功に繋がり、顧客満足度アップと売り上げ向上におおきな役割を担います。
「工程管理ツール」にはどのようなタイプがある?
生産スケジューラ
BOM(部品表)や生産管理システムと連携して、製造業務の反復作業をサポートする進捗管理です。スケジュールを視覚化することで受注や生産、売上データを一括管理することができるようになります。
ガントチャートツール
製品づくりの工程と計画を縦軸と横棒による表形式で作成し、だれが・いつ・何の作業をしているかが、視覚化されることで、進捗管理の効率化を図ることが可能となります。
ガントチャートは製造業や建設業などで活用され、多くのプロジェクト管理に役立っています。
PDM(Product Data Management)/製品データ管理
設計データを管理するシステムです。設計図作成に活用するCADなどと連携して製造ラインの業務フローに役立てます。モノづくりに使う素材や部品などにかかるコストから製造工程でかかるコストなどを一括管理することが可能となります。
WBS「Work Breakdown Structure」
プロジェクトタスク管理の詳細を表形式にした方法です。作業工数の見積もりやタスク管理、プロジェクトの内容を明確に表すことが可能となります。
「工程管理ツール」の選び方は?
・無料ツールか有料ツールか?
・ガントチャート、WBS、工程表に対応可能か?
・進捗管理に対応可能か?
・自社での他の業務システムとの連携はどうか?
・BOMやCADと連携できるまでの機能の有無
・使いやすいか?見やすいか?
・製造業に向いているか?建設業に向いているか?各業界に対応できるツールであるか?
・導入期間がどのくらいかかるのか?
・クラウド型は?オンプレミス型か?
「工程管理ツール」比較検討時の注意点は?
・製造業の生産形態には2種類受注ごとの個別な仕様で生産していく形態(個別受注生産)と同じ製品仕様で繰り返し製造していく生産形態(繰返受注生産)があります。
2つの生産形態ではそれぞれ異なる工程管理が必要であり、各種適用した機能が備わった工程管理ツールを選ぶことが必要となります。
・目的にあった機能整備と、こんな機能が合ったら改善されるだろうという明確なプランが必要です。
・同じ機能でも使い勝手の良さや操作方法が簡単な方が、同じ業務を複数で連携して共有しやすいので、操作方法については良く確認すると良いでしょう。
主要な「工程管理ツール」の一覧
「IB-Mes」(株式会社ユニフェイス)
おすすめ対象者
製造業
主要機能
基本的な機能を網羅したパッケージ製品
特徴
導入が早くできる/汎用性とコストパフォーマンスに優れている/他システムとの連携/多言語・社内用語に対応/カスタマイズやアドオンによる機能拡充/
費用
問い合わせ
サポート
IB-Mes の導入には、補助金や助成金、税制措置が受けられる申請をサポート
「Seiryu」(株式会社テクノア)
おすすめ対象者
中小企業向け
主要機能
生産ラインスケジューラ/計画変更に対応/生産管理や販売管理システムと連携/機械の自動割り当てが可能
特徴
使いやすい/企業の運用レベルに合わせて管理できる/
費用
250万から。見積もりは問い合わせ。
「DIRECTOR6」(株式会社シムトップス)
https://director.cimtops.co.jp/
おすすめ対象者
個別受注生産工場の方
主要機能
生産スケジューラ+工程管理システム/
特徴
日程、負荷、進捗、実績、原価などの管理が出来る/
費用
問い合わせ
サポート
展示会・セミナー等のイベント情報あり
「KouTei STARTER」(株式会社 スノーピークビジネスソリューションズ
https://www.snowpeak-bs.jp/koutei_starter
おすすめ対象者
製造業、建設業、物流、運輸業、サービス業などに対応。
主要機能
バーコード印刷/指示書発行リスト/マスタ保守/作業履歴/CSVデータ出力機能/指図No.連携機能/製品別履歴画面の機能
特徴
簡単シンプル使いやすい/カスタマイズ対応/バーコードとハンディを活用/低コスト
費用
セットオーダープラン200万円〜/フルオーダープラン500万円〜/コンサルティングプラン1,000万円〜
無料プラン
有り。30日間無料トライアル。
サポート
問い合わせから現場訪問、見積もり、注文、仮運用、そして導入サポートと保守サポートまで現場目線のコンサルティングが可能。
「BRABIO」(ブラビオ株式会社)
おすすめ対象者
初心者専用クラウドツール
主要機能
タスクリンク/達成率表示/マイルストーン/プロジェクト横断ビュー/エクセルファイル や CSVファイル にも対応
特徴
使いやすいガンチャート/複数プロジェクト作成可能/ラクラク進捗管理/社外連携がスムーズ
費用
5人までならずっと無料
無料プラン
有り。お試しフリープラン
「工程‘s」(株式会社ウェッブアイ/Web I Laboratories, Inc.)
おすすめ対象者
製造業、建設業
主要機能
工程情報の表示/簡単操作/マルチビュー使用の工程作成/工程のグループ化/自動山崩しツール/進捗・実績管理/日程計算/アプリケーション/データ連携
特徴
手書き感覚で直感的な操作が可能/計画の可視化/万全なサポート体制
費用
問い合わせ
サポート
運用・保守サポート、PMO支援サービス、教育・製品トレーニング、コンサルティングなどを通じて、顧客ニーズを新製品にフィードバック/
工程表データ移行サービス/年間サポートサービス/サーバ提供サービス/インストールサービス/カスタムデモンストレーション環境構築/保守・運用サポート
「サクっと工程SP」(株式会社 インプローブ )
https://www.smart-go.net/sk_sp/event.html
おすすめ対象者
部品加工業/プレス業/樹脂成型業/金型加工業
主要機能
自動スケジューラの連携機能
特徴
多品種少量の繰り返し生産、個別生産の部品加工業向けのシステム/
費用
280万~
「TPiCS-X」(株式会社ティーピクス研究所(TPiCS Laboratory, Inc.))
おすすめ対象者
多様な生産形態の混在管理を行っている企業
主要機能
Excelテンプレートからユーザーが変更可能/他社システムとデータ連携が可能/生産計画作成機能/製番の生産計画作成機能/帳票発行機能/実績管理/在庫管理/
特徴
繰返頻度の高い生産、少量多品種生産、一品受注設計生産まで対応/
費用
https://www.tpics.co.jp/home/%E4%BE%A1%E6%A0%BC/#cc-m-header-7672912611
サポート
保守サービス
「工程管理ツール」導入のメリット、デメリット
メリット
・製造ラインが見える化することによって、問題とその改善策が明確になります。
・業務フローが効率よく進むことで生産性向上とそれに伴うコスト削減に繋がります。
・顧客満足度に繋がり、問い合わせ等には、すばやく対応できる仕組みが構築されます。
・プロジェクトの進捗状況が把握できるので、複数プロジェクトをかかえている企業に対応できます。
・他の管理システムと連携することで、製品が消費者の手元に届までの一連の流れが把握できるようになります。
デメリット
・新しいシステム導入時には、従業員の教育コストがかかります。
・不要な機能は、使いこなせないと返ってで効率化には繋がりません。機能については導入の前にしっかり把握し、従業員のスキルや管理者の有無に合わせて、どんなツールを選べばよいか検討すると良いでしょう。