「メールセキュリティシステム」とは?
メールセキュリティシステムとはメールを送受信する際に発生するマルウェア感染などのリスクや、個人情報・企業情報の漏えいを制御するためのシステムのことを指します。
メールは仕事で業務を行う上で社内だけでなく取引先などの外部とやり取りを行うため欠かせないツールとなっていますが、メールセキュリティシステムを導入していないと日常のふとした瞬間に思わぬ脅威に襲われてしまうこともあります。
例えば、受信したメールに記載されているリンクを開いてマルウェアに感染する、メール受信時に誤って情報漏えいをするというリスクが潜んでいます。
コンピューターがマルウェア感染してしまうと、PCの使用者の意図にそぐわない動作をしたり、PCが起動しなくなってしまうこともあります。また個人情報を抜き取られたり、知らないサイトへ誘導する文言が表示されるなど、仕事に支障をきたす問題が発生します。
メールセキュリティシステムを導入するとコンピューターをウイルスから守ることができ、ウイルスの検出やデータの暗号化・誤送信の防止ができます。
「メールセキュリティシステム」にはどのようなタイプがある?
メールセキュリティシステムは多くのサービスが提供されており、「クラウド型」と「オンプレミス型」の2タイプに部類されます。
クラウド型はインターネット環境があれば場所や時間を問わずシステムを利用できるタイプで、申し込みから導入までがスピーディーな特徴があります。
自社専用のサーバー開設費用が不要なので、なるべくコストを抑えてメールセキュリティシステムを導入したいと考えている企業におすすめです。
オンプレミス型は自社専用の新しくサーバーを設置して、そのサーバーを利用してシステムにアクセスするタイプです。専用回線なので外部からの不正アクセスを受けるリスクが少なく、機能の修正や追加など自由度の高いカスタマイズが実現できます。
デメリットとしてはサーバーを新設しなければならないため、クラウド型と比べて初期費用が高くなる傾向にあります。
「メールセキュリティシステム」の選び方は?
メールセキュリティシステムを選ぶポイントは「導入目的に合った機能が搭載されているか」を軸として選ぶことをオススメします。
メールセキュリティシステムはさまざまな機能が搭載されていますから、システムを選定しているうちに多くの機能が搭載されているシステムに惹かれて本来必要であった機能が不十分な結果になってしまうことがあります。
そのため、メールセキュリティシステムを導入する際には導入目的が解決できる機能が搭載されたシステムを選ぶようにしましょう。
「メールセキュリティシステム」比較検討時の注意点は?
メールセキュリティシステムを導入する際の比較検討時の注意点は既存のメールシステムに対応できるかどうかという点です。
メールセキュリティシステムによっては現在使用しているメールツールにセキュリティシステムが対応していない可能性があります。導入してから対応していなかったとならないためにも、現在利用しているメールシステムと連携して運用ができるものかどうかを確かめておくと良いでしょう。
主要な「メールセキュリティシステム」の一覧
「Mail Dealer」(株式会社ラクス)
おすすめ対象者
問い合わせが急増して見落としが起きて困っている企業、窓口が多くメールの振り分けに追われている方、誰がどれを返信したか分からず対応が遅れている企業、社内でうまく情報共有ができていない企業
主要機能
ステータス共有、対応履歴、申請・承認、コメント、電話応対メモ、顧客共有、集計レポート、社内Q&A、ユーザー権限、楽天あんしんメルアド、二重返信防止、振り分け設定、自動削除、通知機能、テンプレート、複数ブラウザ対応、HTMLメール送受信、グループチャット、外部システム連携
特徴
導入社数7,000社以上、12年連続売上シェアNo.1、3営業日で導入開始可能、問い合わせ窓口を一元管理、進捗状況に合わせて自動でフォルダ分け
費用
初期費用50,000円、月額費用35,000円~ ※ユーザー数やメールの保存通数、利用用途により変動あり
無料プラン、無償トライアルの有無
無料プランなし、無償トライアルあり(期間未記載)
サポートの有無
サポートあり(専任スタッフによるサポート、初期設定、電話・メール対応、ユーザー企業限定セミナー)
「InterScan Messaging Security」(Trend Micro Cloud One)
おすすめ対象者
外部からのサーバー攻撃を防ぎたい企業、クラウド内の受信メールフィルタを行いたい企業、情報漏えい対策の管理を効率化したい企業
主要機能
メールゲートウェイへの影響を軽減、スピアフィッシングメールを検出、不正プログラム検索、スパムメール対策、ランサムウェアの検出、クラウドプレフィルタ、オンプレミスコンテンツの検索、隔離、ログ、レポート管理
特徴
オンプレミスとSaaSで対応可能、クラウド内のプレフィルタによるITリソースの効率化
費用
初期費用、月額費用、その他費用については要問合せ
無料プラン、無償トライアルの有無
無料プランなし、無償トライアルあり(期間未記載)
サポートの有無
サポートの有無(メール・電話でのカスタマーサポート、イベント・セミナーの開催)
「Cipher Craft/Mail7」(NTTテクノクロス株式会社)
おすすめ対象者
メール送信時のうっかりミスを削減したい企業、豊富なメール設定機能を求める方、低コストでメールセキュリティシステムを導入したい企業
主要機能
メールルール設定、メール誤送信防止機能、一時保留機能、パスワード暗号化機能、宛先漏えい防止機能、上長承認機能(送信前承認/送信後承認)、宛先Bcc追加機能、AI+サービス
特徴
2,200社以上の導入実績、AIによるリスク検知機能で誤送信メールの削減、クラウド型メールサービスに対応、利用者の環境に合わせて柔軟な導入形態を用意
費用
CipherCraft/Mail 7:80,000円~/50ユーザー
CipherCraft/Mail 7 for Microsoft 365(Officeアドイン版):80,000円~/50ユーザー
CipherCraft/Mail 7 Server(サーバーインストール版):105,000円~/100ユーザー
クラウドサービス:要問合せ
無料プラン、無償トライアルの有無
無料プランなし、無償トライアルあり(10ユーザー/2ヶ月間)
サポートの有無
サポートあり(カスタマーサポート、メール・電話対応)
「メールセキュリティシステム」導入のメリット、デメリット
メールセキュリティシステムを導入するメリットは次のようなものが挙げられます。
- メールの誤送信のリスク軽減
- 個人情報や企業の機密情報の漏えい防止に繋がる
- サイバー攻撃から守ってくれる
- IT部門の作業効率がアップする
メールセキュリティシステムを導入すると、メール送信時にシステムが自動でメール内の文章やファイルを検知してくれるので、メールの誤送信の防止に繋がります。また、メールの誤送信が防げることで、個人情報や企業情報の漏洩防止になります。
ITmedia エンタープライズによると、仕事上でメールの誤送信を行ったことがある人は56.1%なので、約2人に1人のミスを抑制できます。
さらにメールセキュリティシステムは受信したメールにもフィルタをかけてくれるので、スパムメールなどの怪しいURLなどが記載されたメールをブロックしてくれます。
受信するメールが多くて対応に追われている企業にとっては、システムでメールの自動振り分けが行われるため、対応するIT部門の作業負担が軽減されます。 メールセキュリティシステムを導入するデメリットは特にありませんでした。必要なやりとりは電話のみで、メールを利用しない企業にとっては導入する意味がないと言えるでしょう。