シフト管理・人員計画ツールの比較(WFMの比較)

「シフト管理・人員計画(WFM)ツール」とは?

「シフト管理ツール」は、名前の通り従業員の出勤可能日(シフト)を管理するツールのことです。複雑なシフト作成やシフト管理をツールによって自動化し、管理者の負担を軽減します。

加えて、近年はタスク量に応じて適切な人員配置を行う「ワークフォースマネジメント(WFM)」機能を兼ね備えているシフト管理ツールも増えてきました。例えばコールセンターの場合、入電数に対してオペレーターが少なければ入電者を待たせてしまい、顧客満足度低下に繋がりかねません。一方、人を増やせばその分人件費がかさんでしまいます。過去の入電数やトレンドをもとに必要な人数を予測するWFM機能を利用することで、入電数に応じた最適な人員配置が実現できます。

このように、シフト管理・人員計画(WFM)ツールは、企業の業務効率化やコスト削減の役割を担います。

「シフト管理・人員計画(WFM)ツール」にはどのようなタイプがある?

シフト管理・人員計画(WFM)ツールは「シフト管理・人員計画に特化したタイプ」の他、「勤怠管理システムに含まれているタイプ」があります。勤怠管理システムに含まれているタイプは従業員の勤怠記録とあわせて一括管理が可能で、従業員の残業時間把握や給料計算時に大いに役立ちます。

シフト管理・人員計画(WFM)ツールを比較検討する際は、「シフト作成や人員計画のみを行えれば十分なのか」、あるいは「システムで総合的に勤怠管理を行いたいか」を把握し、ニーズにあわせたタイプを選びましょう。

「シフト管理・人員計画(WFM)ツール」の選び方は?

勤務形態への対応性

シフト管理・人員計画(WFM)ツールを選ぶにあたり、まず「自社の勤務形態に適しているか」をチェックしましょう。例えば、正社員・アルバイト・パートなど複数の雇用形態が同じ現場で働く場合、雇用形態に応じたシフト管理ができるかを注視しなければなりません。また、夜間勤務や土日勤務など複雑な勤務形態がある場合も、自社の勤務形態に対応できるかを確認することが必要です。「複雑な勤務形態に対応しているか」「自社の勤務形態にあわせてカスタマイズ可能か」などに注目して製品を比較しましょう。

操作性

次に、ツールの「操作性」をチェックしましょう。シフト管理・人員計画(WFM)ツールは従業員全員が使用するもののため、「誰でも簡単に操作できるか」は重要なポイントです。ツールの画面は主に「シフト提出をする従業員画面」と「シフト作成・管理を行う管理者画面」に分かれます。中には無料プラン付きの製品もあるため、両方の画面を実際に操作して検討しましょう。

価格

最後に、製品ごとの料金体系・価格をチェックしましょう。シフト管理・人員計画(WFM)ツールは、「使用ユーザー数に応じて月額料金が決まるもの」や「1社単位の月額料金制」で料金が決まります。使用ユーザー数が多い大企業の場合、1社ごとに料金が決まるプランの方がコストを抑えられる可能性があります。使用人数や利用期間を検討して製品を比較しましょう。

「シフト管理・人員計画(WFM)ツール」比較検討時の注意点は?

シフト管理・人員計画(WFM)ツールを比較検討する前に、自社にとって必要な機能を整理しておきましょう。最低限のシフト作成や管理機能があれば十分なのか、他に機能が必要なのかによってどの製品を選ぶべきかが異なります。

なお、中にはスキル登録機能を備えた製品もあり、医療系など専門的な業務に携わる人がいる職場で導入することでより大きな業務効率化を図ることができます。他にも、必要人員予測機能や給与計算システムとの連携機能が備わっているタイプもあります。

多くの機能がついている製品は魅力的に見えますが、使用しない機能が多くあっても無駄なコストがかかるだけなので、どの機能が必要かを検討のうえ最適な製品を選びましょう。

主要な「シフト管理・人員計画(WFM)ツール」の一覧

「ジョブカン勤怠管理」(株式会社Donuts)

おすすめ対象者

さまざまな勤務形態が入り組んでいる企業

主要機能

出勤管理、シフト管理、休暇・申請管理、工数管理など

特徴

1分で無料アカウントを発行でき、即日運用開始が可能です。

フレックス・裁量労働制などさまざまな勤務形態にも対応。

初期費用、月額費用、その他費用

<中小企業(500名以下)>

機能数1:200円/月(1ユーザーあたり)

機能数2:300円/月(1ユーザーあたり)

機能数3:400円/月(1ユーザーあたり)

機能数4:500円/月(1ユーザーあたり)

<大企業(500名以上)>

別途問い合わせ

無料プランの有無、無償トライアルの有無

無料プラン有(30日間)

サポートの有無

有(電話・メール・チャットによる問い合わせ対応)

「[jinjer勤怠]」(株式会社ネオキャリア)

おすすめ対象者

勤怠に関連する項目をシステムで一括管理したい企業

主要機能

勤怠管理、シフト管理、給与計算、経費精算、ワークフローなど

特徴

管理画面・従業員画面ともに見やすく簡単に操作できるのが特徴。

シフトと実際の労働時間をリアルタイムで確認でき、最適な人数把握も可能。

初期費用、月額費用、その他費用

月額300円~(詳細は別途問い合わせ)

無料プランの有無、無償トライアルの有無

有(詳細は別途問い合わせ)

サポートの有無

有(詳細は別途問い合わせ)

「Optamo」(兼松コミュニケーションズ株式会社)

おすすめ対象者

専門的なスキルが必要な業種や、複数店舗を持つ企業

主要機能

シフト作成、人員計画など

特徴

スキルを考慮した条件マッチングにより最適なシフト作成が可能。

他店舗のヘルプ可能スタッフを確認でき、急な人員不足にも対応できます。

初期費用、月額費用、その他費用

別途問い合わせ

無料プランの有無、無償トライアルの有無

有(詳細は別途問い合わせ)

サポートの有無

有(詳細は別途問い合わせ)

「Shiftee」(株式会社システムサポート)

おすすめ対象者

複雑な勤務形態を持ち、カスタマイズ性に優れた製品を求める企業

主要機能

シフト作成、店舗管理、人件費計算、ヘルプ募集など

特徴

専用アプリでスマートフォンから操作が可能。

個別カスタマイズが可能でさまざまな勤務形態にも対応できます。

初期費用、月額費用、その他費用

LIGHT版:200円/月(1ユーザーあたり)

FULL版:400円/月(1ユーザーあたり)

初期設定代行作業:100,000円~(オプション)

無料プランの有無、無償トライアルの有無

有(45日間)

サポートの有無

有(導入後2~3週間の初回フォロー、問い合わせ対応)

「シフト管理・人員計画(WFM)ツール」導入のメリット、デメリット

メリット1:管理者・従業員双方の手間が省ける

シフト管理・人員計画(WFM)ツール導入のメリットに、まず「手間が省ける」点が挙げられます。シフトを組むのはまるでジグソーパズルのような作業です。学生のアルバイトがいる場合、授業やテストの予定を考慮してシフトを作成しなければなりません。しかし、それぞれの予定を考慮してシフト作成をするのは難しく、都度ヒアリングする手間もかかります。そこで、ツールによりシフト作成を自動化することで、管理者の負担を軽減します。

なお、シフト管理・人員計画(WFM)ツールの導入は従業員にとってもメリットがあります。特に、ツールを利用すればPCやスマートフォンからシフト提出が可能になる点が評価できます。もし今までシフト希望を紙で提出していたのなら、わざわざシフト提出のために職場に行く手間が省けますし、ツール上にアラート機能がついていれば、期日を忘れて提出が遅れることも防ぐことができます。

このように、シフト管理・人員計画(WFM)ツールは管理者・従業員双方の手間を軽減することができます。

メリット2:ヘルプの調整がしやすくなる

次に、「ヘルプの調整がしやすくなる」メリットがあります。人手が足りない時に必要な人材を確保するのも、管理者にとっては手間がかかる作業。シフト管理・人員計画(WFM)ツールを利用すれば、ツールが自動で人のいない日をスタッフへ通知し、簡単にヘルプ要請ができます。

なお、中には他店舗と連携できる機能がついた製品もあり、飲食店など複数の店舗を持つ場合に便利です。具体的には店舗のシフトが見られたり店舗間のチャット機能がついていたりと、欠員が出た際に簡単に応援を呼べるようになっています。

このように、人手がいない場合の調整も楽に行えるメリットがあります。

メリット3:人為的ミスを減らせる

次に、「人為的ミスを減らせる」メリットがあります。シフト作成は複雑な作業のため、紙やExcelでシフト管理をしていると人為的なミスが発生しがちです。もし当日になって人手が足りないと気づいた場合、人員を手配する手間も発生してしまいます。シフト管理・人員計画(WFM)ツールを利用すれば、シフト作成が自動化され人為的ミスも防げます。

メリット4:適切な人材配置が可能になる

最後に、「適切な人材配置が可能になる」メリットがあります。シフト管理・人員計画(WFM)ツールを利用することで、シフトの過不足を客観的に把握できます。余分に人を配置していた部分を他に回すことで、生産性向上も期待できるでしょう。結果、企業全体のコストダウンにつながります。

デメリット1:初期設定に時間がかかる

シフト管理・人員計画(WFM)ツール導入のデメリットに、まず「初期設定に時間がかかる」点があります。最低限の機能のみがついた製品でも、最初は多少の設定を行う必要があります。加えて、従業員全員が使えるようにマニュアルの用意や説明会の実施も必要となるでしょう。使用開始当初は、管理者に問い合わせが殺到する可能性も考慮しなくてはなりません。

デメリット2:コストがかかる

次に、「コストがかかる」点があります。シフト管理・人員計画(WFM)ツール導入にあたっては、初期費用や月額費用を含めたコストがかかる点は否めません。また、不必要な機能が備わっている製品の場合は無駄なコストが発生してしまいます。さまざまな製品を比較し、自社に必要な機能のみがそろった製品を選ぶのがコツです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

これを機にシフト管理・人員計画(WFM)ツールの導入を検討してみてください!


AD