物品管理システムの比較

「物品管理システム」とは?

物品管理システムとはバーコードやICタグ・RFIDタグなどを読み取ることで、物品や企業が管理している備品を管理できるシステムのことです。どの物品が、どこにどのような状態であるのかをリアルタイムで把握できます。

会社が管理している備品や医療機器など業界を問わずに利用できるため、幅広い業界で物品管理システムが導入されています。

物品管理システムの活用の一例としては、備品貸出の際に備品のバーコードを読み取ることで、備品貸し出しの予約やスケジュール調整・返却通知などを行えます。返却日が近づくと搭載されたアラート機能などで貸出者に通知し、備品の返却忘れを防止できます。

これまでExcelやデータベースなどで管理台帳を作成して入力していた企業であれば、物品の量が多いと事務処理作業に時間がかかってしまいますし、返却期限の通知が人為的な作業になると連絡を忘れてしまうことや、連絡ミスが発生することもあります。

事務作業を物品管理システムで自動化することで、人の手を割くことなく運用でき、業務の効率化がアップして人件費の削減にも繋がります。

「物品管理システム」にはどのようなタイプがある?

物品管理システムは主に“クラウド型”と“オンプレミス型”の2タイプのシステムが提供されています。

クラウド型は現在利用している回線を利用してシステムにアクセスするので、インターネットが接続できる環境であればIDやPWを発行することで物流管理システムをすぐに導入できます。

大衆向けのサーバーを利用しているので、自社の使いやすいように機能を追加・修正したりなどのカスタマイズはできません。既にシステム内に搭載されている一般向けの機能で満足でき、リーズナブルな価格でシステムを導入したいという企業にオススメです。

またシステムを利用する場所に制限がないため、テレワークを導入している企業にも適しています。

オンプレミス型はクラウド型と異なり、自社専用の特定サーバーを構築してシステムを利用します。特定サーバーを経由しなければシステムの利用ができないので、外部からの不正アクセスを防げてセキュリティ対策になります。

また、機能の追加・修正が可能で、自由度の高いカスタマイズを実現できるから、システムを使いながら利用者の使いやすいように仕様改善が可能です。

オンプレミス型のデメリットはサーバーの構築費用として初期費用が高額になってしまうことで、コストを抑えて物流管理システムを導入したい企業には向いていません。

「物品管理システム」の選び方は?

物品管理システムを選ぶポイントは「導入・切り替えのしやすさ」や「運用タイプ」を軸として選ぶことをオススメします。

物流管理システム導入するなら、今利用している物品管理方法から簡単に切り替えができるシステムを選びましょう。システムの切替えが簡単にできなければ、切替えのタイミングで業務上大きな負担がかかり、ストレスとなってしまいます。

例えば、Excelで物品管理を行っていると仮定すると、CSV形式でインポートができれば読み込みを行うだけですぐに新しいシステムに切り替えが可能です。

このように現在利用している形式を基準として、次に導入するシステムを検討するのも1つの方法です。

また、先ほどご説明した“クラウド型”と“オンプレミス型”の運用タイプを基準としてシステムを選ぶのも良いでしょう。

棚卸や備品管理だけできればOKという場合にはクラウド型、既存のシステムにプラスして多用な活用を目的とする場合はオンプレミス型の導入が適しています。

「物品管理システム」比較検討時の注意点は?

物品管理システム導入の注意点は「システムで管理できる物品数」を確認しておくことです。

システムによっては管理できる物品数に制限があり、管理する物品が多いと全てのスキャンに対応できない可能性もあります。せっかくシステムを導入したのに全ての物品管理ができなかったとならないよう、導入前に管理できる物品数を確認しておきましょう。

また、管理物品数を増やすと品数ごとに月額料金が増える仕組みのプランもあるので、思いのほか月額のコストが高くなってしまうことも考えられます。

主要な「物品管理システム」の一覧

「Convi.BASE」(株式会社ネットレックス)

おすすめ対象者

業務に合わせたシステム構築をしたい方、複数拠点・他部門でもシステムを利用したい企業、低コストで棚卸しをシステム化したい企業

主要機能

台帳機能、データIN/OUT、ラベル発行、子台帳作成、棚卸し、関連ファイル管理、入出庫管理、メール送信、貸出し/返却、履歴管理、API提供、

特徴

ICタグ・バーコード・2次元コード・カメレオンコードに対応、クラウド型ですぐに導入できる、物流管理システム導入事績No.1

費用

基本機能+棚卸し+1ユーザーライセンス:月額費用55,000円

基本機能+棚卸し+5ユーザーライセンス:月額費用70,000円

基本機能+棚卸し・貸出・入出庫+5ユーザーライセンス:月額費用100,000円

無料プラン

なし、

無償トライアル

なし

サポート

あり(問い合わせ・バージョンアップ対応)、初期導入サポートは90万円~

「fine asset」(中央システム株式会社)

おすすめ対象者

シンプルで使いやすいシステムを求める方、クラウド型の物品管理システムを導入したい方、リーズナブルな価格でシステムを利用したい企業

主要機能

資産管理、台帳機能、棚卸しリスト、棚卸しレポート、スマホアプリ、API連携、柔軟な設定、ダッシュボード

特徴

あらゆるモノを一元管理する物品管理・棚卸しシステム、スマホアプリで簡単棚卸し、これまでの管理台帳をCSV形式でインポート

費用

初期費用、サポート費用はいずれも無料

【物品管理プラン】月額基本料金10,000円(~1,000資産)、100資産ごとに+1,000円

【棚卸し専用プラン】月額基本料金5,000円(~1,000資産)、100資産ごとに+500円

無料プラン

なし

無償トライアル

あり(30日間)

サポート

あり(問い合わせ対応、運用相談サポートなど)

「物品管理システム」導入のメリット、デメリット

物品管理システムを導入するメリット・デメリットについてお話していきます。

物品管理システムを導入するメリットは次の4点が挙げられます。

・人為的なミスを軽減

・面倒な自己処理を自動化

・業務効率アップ

・コストの削減

物品管理システムを導入すると、棚卸しや備品管理の際にバーコードなどをスキャンするだけでカウントできるので、簡単に作業を行うことができます。備品の場所や貸出状態を確認できるから、貸出管理にも役立ちます。

手作業で棚卸しを行うと二重カウントや確認漏れなどのミスをしてしまうこともあります。システムでカウントを自動化することで人為的なミスを削減でき、正確な物品管理を行えます。これにより業務効率がアップし、人件費の削減にも繋がるというメリットがあります。

物品管理システムを導入するデメリットは特にありませんが、Excelで管理台帳を作成すると管理費用はかからないので、その場合と比較するとシステム導入のコストがかかってしまいます。

しかし、物品管理システムはバーコードなどを読み取るだけで簡単に物品の管理ができるので、入力の手間を考えると備品の多い企業はシステムを導入した方が良いと言えます。

固定資産などの備品を管理している場合は、物品の管理を正確に行わなければならないので、システムを導入する目的やコストを鑑みて物品管理システムの導入を検討するようにしましょう。


AD