「チャット接客ツール」とは?
「チャット接客ツール」は、Webサイト上でユーザーの質問に答えたり、おすすめの商品やサービスを紹介したりすることができるツールです。企業のWebサイトにアクセスした際、画面下にチャット画面が表示された経験がある方も多いのではないでしょうか。チャット接客ツールは、Webサイトに設置したチャット画面を使用してユーザーとコミュニケーションをとり、商品の売上拡大やサイトの離脱防止を目的として導入をされます。
「チャット接客ツール」にはどのようなタイプがある?
チャット接客ツールは、主にチャットなどのカスタマーサポートに特化したタイプと、その他マーケティング機能をあわせたタイプに分かれます。
チャットタイプ
「チャットタイプ」は、カスタマーサポートに特化したチャット接客ツールです。「チャットボット」と呼ばれるAI搭載の自動会話プログラムを活用し、ユーザーの質問に自動応答させるツールが大部分を占めます。実際のオペ―レーターとチャットで会話をしてサポートを受けることができるツールもあります。
ハイブリッドタイプ
「ハイブリッドタイプ」は、チャットタイプに営業機能やマーケティング機能を加えたタイプです。いわゆる「複合型のWeb接客ツール」と言えるでしょう。例えば、Webサイトを訪れた人の属性や行動履歴を読み取り、画面上におすすめの商品やサービスを表示させる「ポップアップ機能」を搭載したものがハイブリッドタイプになります。システムの運用はチャットタイプと比べると難しいかもしれませんが、企業のマーケティング部門やカスタマーサポート部門など、幅広い部署の業務効率化を可能にするツールです。
「チャット接客ツール」の選び方は?
機能性
チャット接客ツールを選ぶポイントとして、まず、自社に必要な機能が備わっているかが重要です。
チャットタイプでも、チャットボットによる自動返信で十分なのか、有人チャットで対応をする必要があるのかによって選ぶ製品は大きく異なります。チャットタイプかハイブリッドタイプかによっても大きく機能は異なります。製品によってはAIが訪れたユーザーの属性などを分析する機能を備えたものもあり、あらかじめ自社の課題や必要機能を整理し、課題解決に最適な製品を比較検討しましょう。
サポート体制
特にチャット接客ツールを初めて導入する場合、サポート体制もよく確認すべきポイントです。
具体的には、導入から運用までのサポートがあるか、サポートが有料か無料かなどをチェックしましょう。提供元によっては、導入後のコンサルティングを行っている場合もあります。また、運用に不安がある場合や問い合わせ対応のスタッフが足りない場合は、代行サービスを行っている製品もあります。
料金
チャット接客ツールを選ぶ際には、料金もよく比較検討しましょう。チャット接客ツールの料金は製品によってさまざまです。特にハイブリッドタイプは機能が非常に豊富な反面、チャットタイプと比べると高額になります。
いくら良い機能が詰まっていても、活用しないのであれば不要なコストがかかってしまいます。初期費用やランニングコストをしっかりと把握し、自社にとって費用対効果のよい製品を選びましょう。
「チャット接客ツール」比較検討時の注意点は?
チャット接客ツールを比較検討する際、「自社の運用体制に適しているか」も重要なポイントとなります。チャット接客ツールの導入にあたり、今の人数で運用するのか、関わる人数を増やす必要があるのか、しっかりと検討しましょう。専門のスタッフを増やす場合は、増員によるコストもあわせて製品を比較検討するのが重要です。
主要な「チャット接客ツール」の一覧
「Chat Plus」(チャットプラス株式会社)
おすすめ対象者
安い価格で気軽に導入したい企業
主要機能
チャット機能、訪問者閲覧機能、チャットボット、
レポート機能、デイリーメール機能など
特徴
一番安いプランで月1,500円と利用料金は業界最安。
1分でID発行ができる他、チャットボット開始時もデフォルトでおすすめ設定が表示されるため、初期設定も簡単に行えます。
初期費用、月額費用、その他費用
ミニマムプラン (年契約)1,500円/月 (月契約)1,980円/月
ビジネスライトプラン (年契約)9,800円/月 (月契約)10,800円/月
ビジネスプラン (年契約)15,800円/月 (月契約)16,800円/月
プレミアムプラン (年契約)28,000円/月(月契約)30,000円/月
AIチャットボット (年契約)150,000円/月(月契約)170,000円/月
追加オペレーター 2,500円/月・人
無料プランの有無、無償トライアルの有無
有(10日間)
サポートの有
有(チャット、メール、電話でのサポート)
「Zendesk」(株式会社Zendesk)
おすすめ対象者
さまざまなチャネルでの問い合わせに対応したい企業
主要機能
Webサイト・モバイルアプリ・SNSでのメッセージ対応、AI を用いた自動回答、
統合エージェントワークスペースなど
特徴
チャット画面だけでなく、LINEやFacebookなどのSNSでの問い合わせにも対応。
ユーザー情報や会話履歴を1か所で管理でき、担当者間の引継ぎも容易に行えます。
初期費用、月額費用、その他費用
Suite Team $49(約5,300円)/月
Suite Growth $79(約8,600円) /月
Suite Professional $99(約10,000円) /月
無料プランの有無、無償トライアルの有無
有(期間は問い合わせ)
サポートの有無
有(Webサイト・メール・電話での問い合わせ対応)
「Robee」(株式会社Macbee Planet)
おすすめ対象者
サービス利用者の解約防止、満足度向上に努めたい企業
主要機能
チャットボット、カスタマイズ機能、ユーザーの行動分析、広告効果の自動分析など
特徴
チャットボットによる自動会話はもちろん、会話内容からユーザーの疑問点や不満な点を分析。コールセンターと共存して夜間や祭日の問い合わせにも対応し、解約防止に努めます。
初期費用、月額費用、その他費用
別途問い合わせ
無料プランの有無、無償トライアルの有無
無
サポートの有無
別途問い合わせ
「AI Messenger Chatbot」(株式会社AI Shift)
おすすめ対象者
チャットボットメインで利用したい企業
主要機能
独自のAI研究開発、複数チャネル対応、レポーティング、画像/動画の利用など
特徴
独自のテクノロジーを活用したチャットボット運用で、高精度の回答をユーザーに提供。
チャット画面に画像や動画の利用が可能で、ユーザーにわかりやすく内容を届けられます。
初期費用、月額費用、その他費用
別途問い合わせ
無料プランの有無、無償トライアルの有無
無
サポートの有無
別途問い合わせ
「Chamo」(株式会社ジーニー)
おすすめ対象者
質問対応だけでなく、あらゆるWeb接客に対応したい企業
主要機能
訪問者一覧、有人チャット、チャットボット作成など
特徴
Webサイトに訪問したユーザーの状況や属性を分析し、キャンペーンやクーポンなど
最適な情報を提案。サイトの遷移率改善や、離脱率軽減にも努めます。
初期費用、月額費用、その他費用
ライト 6,500円/月
スタンダード 50,000円/月
ビジネス 100,000円/月
チャットFEO 応相談
無料プランの有無、無償トライアルの有無
無
サポートの有無
別途問い合わせ
「チャット接客ツール」導入のメリット、デメリット
メリット1:サイトの改善につながる
チャット接客ツール導入のメリット1つめは、サイトの改善につながる点です。通常、Webサイトを離脱したユーザーが「なぜ離脱したのか」はサイト運営側にとって把握しづらいものです。一方、チャットログを確認すれば、「ユーザーがどんな点を疑問に思っているのか」を分析できます。共通して多い疑問点があれば、サイトに説明を追加したり、動画や画像を設置したりといった対策が可能になります。
メリット2:サポート業務の効率化
チャット接客ツール導入のメリット2つめは、サポート業務の効率化につながる点です。従来の問い合わせ対応はメールや電話を利用しているため、サポート担当者にとっては1人の対応に多くの時間を割く必要がありました。しかし、チャットを利用すれば複数ユーザーの同時対応も可能になります。さらに、チャットボットを設置し自動応答させれば、担当者の業務負担を減らすことが可能です。また、対応チャット数や応答時間を確認すれば担当者自身のパフォーマンスを可視化でき、自身の業務改善に繋げられるメリットもあります。
メリット3:ユーザーの満足度向上
チャット接客ツール導入のメリット3つめは、ユーザーの満足度が向上する点です。ユーザーからすれば、メールや電話の問い合わせは「返信が来なさそう」「無理な勧誘を受けそう」といった考えを持ち、問い合わせをしづらい傾向があります。一方でチャットであれば気軽に質問しやすく、その場で疑問を解決できるため満足度が高まるでしょう。チャット接客ツールは企業側だけでなく、ユーザー側にもメリットがある点がポイントです。
デメリット1:コストがかかる
チャット接客ツール導入のデメリット1つめに、コストがかかる点が挙げられます。ツールの導入には、初期費用の他、運用コストがかかります。費用や製品によっても異なりますが、ツール導入にあたり運用スタッフを増やす場合もあるでしょう。ツールの導入によりどれだけの効果が見込めるのか、費用対効果は適切かを見極めて導入を検討するのが重要です。
デメリット2:初期設定に時間がかかる
チャット接客ツールのデメリット2つめに、初期設定に時間がかかる点が挙げられます。
自動応答をさせる場合、最初に想定される質問と回答を洗い出して設定する必要があります。提供側が導入から運用開始をサポートしてくれる場合もあるので、積極的に利用するといいでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
上手く運用ができれば会社に大きな利益をもたらす、「チャット接客ツール」。
かかるコストや得られる利益をしっかりと検討して、是非導入を検討してください。