バイラルマーケティングとは?意味や手法、成功例や注意点も解説

バイラルマーケティングは、広がりが早いコンテンツを利用し消費者による口コミを介して商品やサービスを普及させるマーケティング手法のことです。

マーケティングにおいて効果的なバイラルマーケティングですが、その分注意点もあります。

本記事ではバイラルマーケティングを販売促進の対策として取り入れる検討をする際に役立つ基礎知識や注意点について解説します。

バイラルマーケティングとは

我々の普段の生活にもすっかり浸透しているバイラルマーケティングですが、バイラルマーケティングという言葉自体はあまり耳にしたことがないかもしれません。

まずはバイラルマーケティングの基本的な意味と特徴について解説します。

バイラルマーケティングの意味

そもそもバイラルマーケティングのバイラルとはどういった意味でしょうか?

それがわかるとバイラルマーケティングについてのイメージがつかめます。

「ウイルスの・ウイルス性の」を意味する「Viral」が語源

バイラルマーケティングの「バイラル」は、「ウイルスの・ウイルス性の」という意味の「Viral」が語源です。

「ウイルスのように広まる」マーケティング

つまりバイラルマーケティングとはウイルスのように広がるマーケティングという意味を持ちます。

バイラルマーケティングの特徴

それではバイラルマーケティングの特徴には一体どんなものがあるでしょうか。

バイラルコンテンツが必要

ウイルスが広がるためには、当然感染力のあるウイルスが必要です。

同様に、バイラルマーケティングでは拡散力のあるコンテンツが必要になります。

SNSなどにより拡散

バイラルコンテンツはSNSなどによって拡散されます。コンテンツが魅力的であれば消費者が自主的に共有し拡散する可能性が高くなります。

バイラルマーケティングの類義語との違い

バイラルマーケティングに類似した手法には、ステルスマーケティング、バズマーケティング、インフルエンサーマーケティングなどがあります。

これらの違いについてもおさえておきましょう。

ステルスマーケティング

ステルスマーケティングとバイラルマーケティングの違いは、ステルスマーケティングは拡散する主体が企業である点です。

企業が消費者を装って拡散

ステルスマーケティングは俗に「ステマ」と言われる企業が消費者を装って拡散する手法です。

マイナスイメージも強い

ステルスマーケティングは消費者にとっては企業にだまされているといったイメージがあり、いわゆる「ステマ」はとても批判的なマイナスイメージを持つ言葉として使われています。

バズマーケティング

ステルスマーケティングと違い、企業が積極的に拡散するのがバズマーケティングです。

企業が積極的に拡散

バズマーケティングにおいては企業側が積極的に商品情報を拡散し消費者の中で話題になるのを狙います。

バイラルマーケティングは静観する

バズマーケティングが人物やキャラクターの権威性を利用して情報を拡散するのに対し、バイラルマーケティングでは顧客が製品またはサービス自体に興味を持ち他の人々に伝えることが期待されています。

インフルエンサーマーケティング

バズマーケティングに近いもので、特定のジャンルの顧客層に人気や影響力を持つ人物やキャラクターを利用し狙った層の購買につなげる目的で行われるのがインフルエンサーマーケティングです。

インフルエンサーを起用して拡散

インフルエンサーを起用して拡散することで、インフルエンサーの権威性や求心力によって商品のイメージを向上させたり購買行動につなげたりといった効果が期待できます。

バズマーケティングの一種と捉えられる

バズマーケティングがある程度広い層の消費者をターゲットとし、インフルエンサーマーケティングがそのインフルエンサーのファンを主な対象としているという違いはありますが、どちらも「消費者の中で話題にする」という目的という点ではインフルエンサーマーケティングは、バズマーケティングの一種と捉えられます。

バイラルマーケティングの手法

それではバイラルマーケティングの手法についてもう少し詳しく見ていきましょう。

ポイントは「コンテンツ」と「オーディエンス」です。

コンテンツの作成

バイラルマーケティングには、拡散が期待できるコンテンツを作成することが重要です。多くの場合、動画の利用が多いです。

多くは動画を使用

動画はユーザーに印象を残しやすいという特徴があり、バイラルマーケティングに適しているため多く使用されます。

拡散が期待できるコンテンツを用意

拡散したくなるようなコンテンツが用意できるかどうかがバイラルマーケティングにおいて肝要な部分です。

拡散されやすいコンテンツは、視聴者を楽しませたり、感動させたりするものが望ましいです。

オーディエンスの獲得

バイラルマーケティングにおいて、ターゲットとなるオーディエンスにアピールすべきポイントを明確にすることがオーディエンスの獲得につながります。

自社サイトのアクセス数を増やす

キャンペーンやイベントを開催し、自社サイトのアクセス数を増やし、ターゲットとなる消費者が商品に対する情報に触れる機会を増やします。

SNSのフォロワーを増やす

SNSなどを通じた発信や交流によりオーディエンスにアプローチする必要もあります。

フォロワー数が増えれば、その分フォロワー以外の大勢の目にも触れる機会が増え、更なるオーディエンスの獲得につながります。

バイラルマーケティングの成功例

次に、具体的にバイラルマーケティングを利用した成功例についていくつか見ていきましょう。

YGEntertainment

一時爆発的な人気を博した「江南スタイル」の流行も韓国の音楽レーベル、YGEntertainmentによるバイラルマーケティングが成功した代表的な事例です。

「江南スタイル」の配信

YGEntertainmentは、江南スタイルを配信する前に約1年の期間をかけてSNSやYouTubeチャンネルを育ててバイラルが起こる下地を作っていました。

SNSを効果的に活用

約1年がかりのSNSなどを活用した下地作りと海外のターゲット層にも分かりやすいPVにより、有名アーティストの紹介などもあって爆発的な流行につながりました。

VolvoTrucks

VolvoTrucksの行ったYouTubeを活用したバイラルマーケティングも有名なため、動画を目にしたことがあるのではないでしょうか。

エンターテインメント性の高い動画

VolvoTrucksの、トラックの性能の高さをアピールしつつインパクトの強い動画はエンターテインメント性が高く、話題性という点においてバイラルマーケティングに最適でした。

シリーズ化によりファンを獲得

同様のVolvoTrucksの動画はシリーズ化されると同時に多くのファンを獲得し、再生数が1億回を超えるものもあります。

無印良品

口コミやアンケート、キャンペーンを中心としたバイラルマーケティングを行っているのが無印良品です。

口コミやアンケートを活用

無印良品もTwitterのフォロワーを80万人近く持ち、SNSを活用したマーケティングを行っています。

それと同時に顧客がアンケートに回答したり、商品の口コミを自社アプリに投稿するとマイルが付与され、ポイントとして買い物に利用したりできるシステムになっています。

割引が適用されるキャンペーン

アプリを活用したマイルシステムのほかに、割引が適用されるキャンペーンも活用しています。

以前には「無印良品といえば○○」とSNSに投稿したら10%OFFといったキャンペーンを行っています。

CMを活用したバイラルマーケティング

SNSやYouTubeではなく、CMでの活用を中心としたバイラルマーケティングを行う企業もあります。

「au」の三太郎シリーズや「Softbank」の白戸家シリーズは誰しも知っているCMを活用したバイラルマーケティングの代表です。

「au」の三太郎シリーズ

「au」の三太郎シリーズではシリーズ化によりストーリー化され、キャラクターの謎が明らかになったり隠し要素があったりしたことで人気が長く続きauブランドの効果的なマーケティングにつながりました。

「Softbank」の白戸家シリーズ

「Softbank」の白戸家シリーズもCMの面白さと数々のコラボによる話題性で長く続いた名物シリーズとなり、「お父さん犬」の人気でブランドイメージだけでなくグッズも人気となりました。

バイラルマーケティングの注意点

「自然発生的に消費者から拡散させる」というバイラルマーケティングは成功すると効果が高い半面、失敗すると大きなマイナスイメージを与えます。

自然に拡散するように心がける

バイラルマーケティングでは、顧客の意見や口コミを利用して自然に情報が拡散するよう心がけることが重要です。

あからさまな宣伝をしない

あからさまな宣伝は消費者の反感や不快感をかってしまい逆効果になる危険性があります。逆に宣伝色が少ない方が、消費者が安心して信頼や好印象につながるケースもあります。

コンテンツの充実にコストをかける

あからさまな宣伝をせずに顧客の関心や拡散を自発的に行わせるためには、人に伝えるメリットがあるような魅力的なコンテンツの作成にコストをかけるべきです。

手法によっては違法になることも

企業が表立って宣伝しないバイラルマーケティングでは、手法によっては違法と捉えられる場合があるので適切な方法を取る必要があります。

ステルスマーケティングは危険

企業側が消費者のふりをして顧客の意見を誘導しようとするステルスマーケティングは、消費者の信頼を大きく失う危険性があります。

国によっても捉え方が異なる

規制や文化の違いから国によってバイラルマーケティングのとらえ方が異なるため、国によってはステルスマーケティングとみなされる危険性もあることを忘れてはいけません。

まとめ

バイラルマーケティングは消費者が自発的に拡散したくなるような魅力的なコンテンツをSNSあるいはYouTubeやCMなどの動画を活用して提供することにより効果をあげるマーケティング手法です。

成功すればかけたコスト以上の大きな効果を企業にもたらす反面、失敗してしまえば宣伝効果が出ないだけならまだしも、最悪炎上といった形で逆方向に拡散し企業に大きなダメージを与えます。

バイラルマーケティングの活用においては「ステルスマーケティングになっていないか」「魅力的かつ法的道義的に問題ないコンテンツになっているか」を慎重に確かめる必要があるでしょう。


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