「ファイル転送サービス」とは?
ファイル転送サービスとはネットワークを通して、大容量のファイルやデータを送受信できるサービスのことを指します。
一般的なビジネスの場で大容量のデータやファイルを相手に送信する際に、そのままメールにファイルを添付して送信すると膨大なデータ容量になるためマナー違反となります。
そんな時に役立つのがファイル転送サービスで、メール本文にファイルの添付をせずに、ファイル転送サービスを活用してファイルを送信することができるのです。
しかし第三者のサーバーを経由してファイルを送信するとなると、社外の業務関係者とファイルの共有を行う際に「情報漏洩をしてしまうのではないか」という懸念を持つ方もいらっしゃると思います。
このようなリスクに備えるため、送信時のデータにパスワードを設定することができるファイル転送サービスも増えており、情報漏洩のリスクを軽減することも可能です。
「ファイル転送サービス」にはどのようなタイプがある?
現在提供されているファイル転送サービスのタイプは「クラウド型」が主流となっており、そのほか「オンプレミス型」のサービスも提供されています。
クラウド型のファイル転送サービスはインターネット環境が整っている場所であれば、時間を問わずにいつでもアクセスすることができるという特徴があります。しかし提供されているサーバーを通しているため、自社の要望に合わせて機能をカスタマイズすることは難しいです。また第三者が提供するサーバーのため、情報漏洩のリスクもあります。
オンプレミス型のファイル転送サービスはクラウド型と異なり、決まったサーバーの下でしか使用できないものとなります。使用できる場所に制限はでてしまいますが、外部からサイバー攻撃を受けるリスクが低く、安全性が高いというメリットがあります。
さらにサーバーの構築が可能なので機能の追加などのカスタマイズに対応しています。
クラウド型は低価格ですぐに導入して利用したい方、オンプレミス型はセキュリティ面を重視して自由度の高い運用をしたい方におすすめです。
「ファイル転送サービス」の選び方は?
ファイル転送サービスの選び方は「容量・回数の制限があるか」や「複数人への送信が可能か」を重視して選ぶとよいでしょう。
容量や回数の制限について、有料のプランは送受信の回数が無制限のシステムが多いですが、無料のプラン容量や回数に制限があるシステムがほとんどです。
大容量のデータを複数回を送信したい場合、容量や回数に制限があると業務上支障がでてしまいます。そのため導入するファイル転送サービス選ぶ際には容量・回数の制限があるかに着目して選択するようにしましょう。
また複数人への送信ができるかも重要なポイントで、業務上でデータを送信する際に複数人を宛先として選択したい場合、ファイル転送サービスの種類によっては送信先を1つのアドレスにしか選択できないこともあります。
送信先を変更して何度も読み込み作業を繰り返すと手間がかかってしまいますので、一度に複数人に送信ができるかどうかも考慮して選びましょう。
「ファイル転送サービス」比較検討時の注意点は?
ファイル転送サービスを導入するにあって、さまざまなシステムを比較検討しますが、無料のファイル転送サービスを利用する際には「情報漏洩のリスク」について注意するようにしましょう。
無料のファイル転送サービスにはセキュリティの保証がないケースが多いです。そのためなんらかが原因で情報が外部に洩れてしまうリスクも考えられます。
法人がファイル転送サービスを利用する場合には、送信時に暗号化やパスワード設定などができる法人向けのサービスを検討することをおすすめします。
主要な「ファイル転送サービス」の一覧
「GigaFile(ギガファイル)便」(株式会社ギガファイル)
おすすめ対象者
大容量のファイルを送信したい方、無料でシステムを利用したい方、すぐに利用を開始したい方
主要機能
ファイルの送信、ダウンロード用パスワードの設定
特徴
1ファイル200Gまで無料でファイルが送信できる、登録不要で利用可能
初期費用・利用料
無料
無料プラン
あり
サポート
あり(動画講座)
「データ便」(株式会社ファルコ)
おすすめ対象者
大容量のファイルをやり取りしたい方、セキュリティ性の高いデータ送信を行いたい方、操作性が容易なシステムを取り扱いたい方
主要機能
送受信機能、ダウンロードパスワード、短縮URL発行、請求書発行機能
特徴
SSL暗号化通信が可能で安全性が高い、ドラッグ&ドロップで簡単にファイルの選択ができる、送信したファイルのダウンロード回数を制限できる
費用
ライトプラン:最大500MBまで無料
フリープラン:アンケート回答で最大2GBまで無料
ビジネスプラン:容量無制限/月額550円(送信機能のみの場合は330円)
無料プラン
あり(ライトプラン・フリープラン期間無制限)
サポート
あり(お問合せフォームから問い合わせ可能)
「firestorage(ファイヤーストレージ)」(ロジックファクトリー株式会社)
おすすめ対象者
大容量のデータを送信したい方、オンラインストレージを気軽に利用したい方
主要機能
アップロード、ダウンロード追跡、パスワード設定、SSL通信
特徴
高速なアップロード・ダウンロードができる、月間800万人が利用するオンラインストレージ
費用
無料会員:無料、1ファイルの最大アップロードサイズ2GiB
ライト会員:1,037円、1ファイルの最大アップロードサイズ5GiB
正会員:2,085円、1ファイルの最大アップロードサイズ10GiB
無料プラン
あり(期間無制限)
サポート
あり(メールサポート)
「ファイル転送サービス」導入のメリット、デメリット
ファイル転送サービスを導入するメリットとデメリットについてお伝えします。
ファイル転送サービスを導入するメリットは「大容量のデータを送信できる」や「業務を効率化できる」という点が挙げられます。
大容量のデータを簡単に送信できるというのは、ファイル転送サービスの最大のメリットと言えるでしょう。容量の大きいファイルをメールに添付して送信してしまうと、受け取り手側にとってストレージの容量を埋めてしまうことになるので迷惑となってしまいます。
ファイル転送サービスを利用するとデータ容量を圧迫することなく大容量のデータが送信できるので、スムーズに業務を行うことができ、業務の効率化にも繋がります。
ファイル転送サービスを導入するデメリットは、「社内の情報を外部に漏洩してしまうリスクがある」という点です。
ファイル転送サービスはクラウド型のサービスが主流なので、第三者のサーバーを利用してファイルの送信を行っています。外部からのサーバー攻撃を受けてしまうと、データの情報が外部に漏洩してしまうことも考えられます
しかしこのデメリットはパスワード設定やSSL通信ができるファイル転送サービスを利用することで解消できます。有料のファイル転送サービスでは法人向けのサービスを提供しており、情報漏洩防止のための暗号化やパスワード設定を強化しているサービスもあります。
機密情報をデータとして送信する場合にはこういった高いセキュリティ性を持つサービスを利用することをおすすめします。最近ではさまざまなファイル転送サービスが普及していますので、導入を検討する際には自社に合ったサービスを利用するようにしましょう。