ブレストとは?意味やメリット、ルールや進め方も解説

ビジネスにおいて会議などでアイデアを出すことはしばしば求められますが、「意見がマンネリ化する」「自分の出したアイデアを非難されるくらいなら黙っていよう」といった理由から思ったようなアイデアが出ないケースも多いのではないでしょうか。

また、そうではなくても日々仕事に追われる中で新しいアイデアを考えるのは難しいものです。そんな時に活用したいのが一つのテーマに対して複数の人が自由な発想を出し合い斬新なアイデアを生み出す「ブレスト」です。

本記事ではブレスト(ブレインストーミング)の意味やメリット、ブレストを行う際のルールや進め方について解説します。

ブレストとは

まずはブレストの意味と特徴について見ていきましょう。

ブレストの意味

ブレストは、企業やグループで新しいアイデアを出し合うための手法のひとつです。

「ブレインストーミング」の略

ブレストは「ブレインストーミング」の略であり「brain(脳)」と「storming(嵐)」から成る単語です。つまりブレストとは脳の中に嵐を起こすように、秩序なく考えを出していく手法です。

一つのテーマに対してアイデアを出し合う

ブレストでは、参加者が一つのテーマについてアイデアを出し合います。参加者は、自分自身のアイデアだけでなく、他の参加者のアイデアに触発されることによっても新しいアイデアを生み出します。

ブレストの特徴

ブレストの特徴は、主に「自由なディスカッション」と「固定観念に縛られない」の2つです。

自由なディスカッション

ブレストの特徴は参加者間での自由なディスカッションです。出てきた意見に対しても自由に意見を述べることでさらに新しいアイデアが生まれる可能性があります。

固定観念に縛られない

ブレストではアイデアの妨げとなる固定観念や決まりきった考え方の排除が重要です。「通常こうあるべき」や「今まではこうだった」などの考えは捨て、思いつくままに多くのアイデアを出し合い、創造性豊かなアイデアを生み出します。

ブレストのルール

ブレストでは主に以下のルールが重視されます。

  • 批判をしない
  • 質より量を重視
  • アイデアを組み合わせる
  • 結論を出そうとしない

批判をしない

ブレストでは、アイデアを出す過程で批判や評価は行われません。アイデアを出しやすい雰囲気を作るために、肯定的な意見のみを出し合います。

自由で柔軟な発想を生み出す

ブレストでは、固定観念や決まりきった考え方にとらわれず、自由で柔軟な発想を生み出すことが求められます。

現実的ではない意見もOK

ブレストではまずはたくさんのアイデアを出すことが重要です。そのため、実現可能性などを一旦排除した現実的ではない意見も歓迎されます。

質より量を重視

ブレストは「課題に対してアイデアを出し合う」目的で行われるため、アイデアの質よりも量を重視します。

数多くの意見を出すこと

ブレストにおいては実現性や方法は一旦置いておき、できるだけ数多くのアイデアを出すのが重要なポイントです。

量が出て初めて質が高まる

ブレストではアイデアの量が質を高めると考えられています。そのため、参加者は数多くの意見を出すことが求められます。

アイデアを組み合わせる

なぜブレストにおいてアイデアの量を重視するのかというと、アイデアの組み合わせによりブレストの効果が発揮されるからです。

積極的に意見を絡ませる

ブレストでは複数の参加者間で積極的に意見を絡ませることが求められます。

画期的なアイデアが生まれる

積極的に意見を絡ませる過程でアイデアが洗練されたり、より良いアイデアが生まれたりする場合があります。

結論を出そうとしない

ブレストにおいては通常の会議のように結論を出そうとしないように注意しないといけません。

結論が目的ではない

ブレストは結論を出すのが目的ではありません。参加者間でアイデアを出し合った結果として課題が解決する場合もありますが、無理に結論を出す必要はありません。

新しいアイデアの創造が目的

ブレストは参加者が自由に意見を出し合い共有する過程で互いにアイデアを補完しながら、新しいアイデアを生み出す場です。

ブレストのメリット

ブレストには、以下のようなメリットがあります。

  • 斬新なアイデアの発見
  • 柔軟な発想ができる

斬新なアイデアの発見

ブレストの一番大きなメリットは、一般的な「結論を出すための会議」では難しい斬新なアイデアが発見される可能性です。

一人では考えつかないアイデアが生まれる

ブレストでは、従来の発想を超えた斬新なアイデアが生み出される可能性に期待できます。参加者の多様な背景や経験・知識が混ざり合った結果、一人では思いつかなかった発想が生まれる場合があります。

複数のアイデアを組み合わせる

出された複数のアイデアを自由に組み合わせることで、アイデア実現への課題が解決したりより洗練されたアイデアになったりする効果があるのもブレストのメリットです。

柔軟な発想ができる

会議に限らず問題を解決しようとして思考する場合、大概周囲の評価や固定観念、自らが設けてしまっている制限によってかなり制約を受けることでしょう。ブレストではそれらを取り払い柔軟な発想ができるのもメリットのひとつです。

批判を禁じることで自由に意見が出せる

新しいアイデアを出すより批判する方が簡単です。このため会議で結論が出ないというケースは日常的に見受けられるでしょう。ブレストでは批判を禁じ、参加者が自由に意見を出し合います。肯定的で積極的な意見交換により新しいアイデアが生まれやすくなります。

固定観念にとらわれない

参加者が過去の経験などから、「反対される」「きっと上手くいかない」といった固定観念にとらわれていると新しいアイデアを生み出すのが難しくなります。そのため、ブレストに参加する際には、固定観念にとらわれずに自由な発想をするのが大切です。

ブレストの進め方

ブレストを進める流れは以下の3ステップです。

  1. ファシリテーターを決める
  2. 課題を具体的に決める
  3. ブレストの開始

ファシリテーターを決める

ブレストにおいては、まずは会議やディスカッションの進行を担当するファシリテーターを選定します。

進行役

ファシリテーターは進行役として流れのコントロールを行いますが、主な役目は主体となってリードするのではなく参加者が自由に発言できるような雰囲気作りです。

書記係

書記係は、ブレストの議事録を取ります。出されたアイデアや共有の過程で出された意見・提案を正確に記録し、後日参照できるようにします。

課題を具体的に決める

課題が明確になっていないまま自由に発言するだけでは、ただ会議が散漫に終わるだけになるでしょう。そのため会議の目的となる課題を具体的に決めるのがブレストの重要な点です。

参加者によって解釈が違わないようにする

課題が決まったら、参加者全員が同じように理解し共有できるように説明します。課題についての解釈が異なると、参加者が意見を出す際に混乱が生じる可能性があります。また、ブレストで設定する課題には「対前年比で20%売り上げをアップさせるには」「新規顧客を10%増やす対策」といったように具体性を持たせることが大切です。

数値目標なども設定

アイデアの量を重視するブレストにおいてはアイデアの量自体に数値目標を設定するのも有効です。例えば、「1時間以内に1人10個のアイデアを出す」というような目標の設定により、参加者がより積極的にアイデアを出しやすくなります。

ブレストの開始

ブレストは、参加者全員が集まり、ファシリテーターにより課題の明確な説明と必要な情報が提供されたのちに開始されます。

アイデアが出なくなるまで進行

ブレストは、参加者がアイデアを出し尽くすまで進行します。参加者がアイデアを出し始めたら、発想を促進するためにファシリテーターが進行を促します。アイデアやそれに関する意見の交換が一通り終わったら終了です。

出尽くしたところでグルーピング

参加者がアイデアを出し尽くしたら、ファシリテーターは重複したアイデアを集約しながら実現性やコストなどの指標に基づきグループ化し、関連性の高いアイデアをまとめます。

まとめ

ブレストとは、「ブレインストーミング」の略称で、一つのテーマに対して複数の人が自由な発想を出し合い、斬新なアイデアを生み出す手法です。批判を禁じ、固定観念に縛られないアイデアを活発に交換する自由なディスカッションにより、数多くの意見から新しいアイデアの創造を目指します。

ブレストの活用により、自分一人では思いつかないような斬新なアイデアが生まれたり、複数のアイデアを組み合わせることでより柔軟な発想ができるようになったりする効果が期待できます。ぜひブレストを活用して斬新なアイデアを生み出し仕事の成果につなげると共に、日ごろから意見を出しやすくなる職場の土壌づくりにも役立ててみてください。


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