「電子契約システム」とは?
電気契約システムとはインターネット(クラウド)上で電子ファイルなどを通じて、押印・署名することで、契約を締結できるシステムのことを指します。
数年前までは紙の契約書に押印・署名をして郵送し、書類を確認、契約締結する企業がほとんどでした。しかし近年、テレワークなどの普及で出社が無くなったことや、郵送の期間をカットしたいというニーズから、インターネット上で契約できる電子契約システムの需要が高まっています。
サービスの内容は提供会社によって異なりますが、上司の承認・稟議ができる機能などを搭載しているものもあります。電子契約システムを導入すると、郵送料金などのコストダウンや業務の効率化に期待できます。
「電子契約システム」にはどのようなタイプがある?
電子契約システムには「クラウド型」と「オンプレミス型」があります。
クラウド型とはインターネット上で外部サーバーを通し、システムを利用します。インターネット環境があればすぐに使用できるので、導入までがスムーズで低コストという特徴があります。
オンプレミス型は自社内のサーバーを経由してシステムを利用します。自社で運用・保守やメンテナンスを行う必要があるため、構築が必要で導入までの時間とコストがかかります。しかし、カスタマイズ性が高いので、システム構築がうまくできれば活用することができます。
オンプレミス型と比較すると、クラウド型の方が導入までのハードルが低いこともあり、多くの企業はクラウド型を導入している傾向にあります。
「電子契約システム」の選び方は?
さまざまな電子契約システムがありますが、システムを選ぶ際には「自社が求めている機能が搭載されているかどうか」をしっかりと検討することが重要です。
例えば、個人経営の会社で契約書締結を行う承認者が契約者本人のみの場合と、大企業で契約書締結までの間に承認ルートが複数ある場合の求める機能は異なってきます。
契約書締結のテンプレートが搭載されていて、電子署名を行って契約締結ができるシステムが必要なのか、社内の稟議や契約締結までをワンストップで行うことができるシステムが必要なのか、しっかりと自社のニーズを把握しましょう。
必要な機能と不要な機能を明確化すると、費用対効果を高めることができます。プラスアルファの機能が必要になった際にはプランを変更するのも良いでしょう。
「電子契約システム」比較検討時の注意点は?
電子契約システムを比較検討し導入する際には、保有できるアカウント数やセキュリティ対策についてもしっかりと検討する必要があります。
電子契約システムを導入するとシステム内で企業間の機密情報を取り扱うことになります。企業間の機密情報ですから、不正アクセスなどで情報が外部に洩れてしまっては危険です。
送信パスワード設定やIPアドレス制限、ワンタイムパスワードなどを導入している電子契約システムを使用することで、情報漏洩の防止を図ることができます。機能面とコストも重要ですが、セキュリティ対策をしっかりと行っているシステムを選びましょう。
主要な「電子契約システム」の一覧
「クラウドサイン」(弁護士ドットコム株式会社)
おすすめ対象者
契約締結のスピード化を行いたい企業、コストを削減したい企業、紙や印鑑での作業をクラウドに置き換えたい企業
主要機能
契約書作成・送信、電子署名、テンプレート管理、契約書保管、契約締結
特徴
弁護士監修の電子契約サービス、電子契約サービス市場累計登録社数No.1
クラウドサインのプランは「Standard、Standard plus、Business」の3つです。
Standard:月額11,000円、送信1件220円/通、ユーザー数無制限、送信件数無制限
Standard plus:月額22,000円、送信1件220円/通、ユーザー数無制限、送信件数無制限、
インポート機能
Business:詳細費用は要問合せ、下位グレード機能にプラスして承認権限設定や高度な管理機能を追加
無料プラン
有り(送信件数:月5件、ユーザー数:1名、電子署名:あり)
サポート
有り(セミナー・イベント)、ヘルプセンターによるトラブルシューティング
「NINJA SIGN(ニンジャサイン)」(株式会社サイトビジット)
おすすめ対象者
テレワークの導入で電子契約システムの導入を進めたい企業、少数精鋭の個人経営の企業、契約業務が多く負担を軽減したい企業
主要機能
契約書一括作成・送信、承認機能、電子契約締結、電子署名、グループ管理、カスタマーサポート
特徴
5つの料金プランがあるので自社に合った適切なプランを選べて無駄がない
NINJA SIGNは「Free」「Light」「Light Plus」「Pro」「Pro Plus」の5つの料金プランを用意しています。
Free(1アカウント無料)
電子サイン0円/通、契約書送信数5通/月、テンプレート登録数3個まで
Light(1アカウント5,478円/月)
電子サイン0円/通、電子署名220円/通、契約書送信数50通/月、テンプレート登録無制限
Light Plus(1~6アカウント21,780円/月)
電子サイン0円/通、電子署名220円/通、契約書送信無制限、テンプレート登録無制限
Pro(1~20アカウント55,000円~/月、初期費用330,000円~)
電子サイン0円/通、電子署名220円/通、契約書送信無制限、テンプレート登録無制限
Pro Plus(1~100アカウント月額132,000円~/月、初期費用330,000円~)
電子サイン0円/通、電子署名220円/通、契約書送信無制限、テンプレート登録無制限
無料プラン
有り(期間無制限)
有料プラン
サポート有り(チャット・メール・電話、無料オンラインセミナーも定期的に開催)
「電子契約システム」導入のメリット、デメリット
電子契約システムを導入することによる、メリット・デメリットについてお話ししていきます。
電子契約システム導入のメリットとして、「契約締結までの時間を大幅に短縮できる」、「郵送費や人件費の削減ができる」と言った点があげられます。
紙の契約書を印刷して発送すると到着までにおよそ2~3日の日数を要し、相手側が書類到着後に署名・捺印をしてから再度返送すると、1~2週間の時間がかかってしまいます。可能性は低いですが、運送中の事故で書類が紛失してしまうというリスクも発生します。
紙での契約締結をインターネット上のデータ(PDFなど)を利用して契約することができれば、書類を紛失するリスクも郵送にかかる時間も短縮できます。電子契約システムには契約書のテンプレートもありますので、テンプレートを利用して作成すれば業務効率も上がります。また、データ上で保存ができるので、書類整理にかかる時間も短縮が可能です。
電子契約システム導入のデメリットは、導入してからの新体制までの業務フローの変更や、情報漏洩のリスクがあるといった点が挙げられます。
業務フローの変更については電子契約システムのみに限らず、新システムを導入する際に発生するものなので、大きなデメリットではないでしょう。
情報漏洩のリスクについては、セキュリティ対策を強化している電子契約システムを利用することでほとんどの場合は回避できます。
まとめ
テレワークが進む昨今、インターネット上で完結できる「電子契約システム」が需要が高まっています。これを機に是非電子契約システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか?