「従業員満足度調査(ES調査)システム」とは?
従業員満足度調査(ES調査「Employee Satisfaction Survey」)は、従業員のモチベーションを図ったり、従業員の抱える課題を見える化するためのアンケート調査を行うシステムです。
アンケート結果を集計、分析することで企業内部の課題を明確にし、社員の離職防止や満足度向上、業務改善による企業の成長に繋げることができます。
従業員満足度調査(ES調査)の最大の特徴は、従業員の不安や不満を無記名のアンケート形式で直接吸い上げることで、聞き取り調査では見えてこない問題にも気づくことができることです。
また従業員満足度(ES)と顧客満足度(CS)には強い相関関係が見られ、従業員満足度が高い企業は顧客満足度も高い傾向にあります。
「従業員満足度調査(ES調査)システム」の選び方は?
従業員満足度調査(ES調査)システムを選ぶ際は、以下のポイントを抑えましょう。
- 目的 : サービス機能や対応できる規模、精度はシステムによって大きく異なります
- 費用 : 実施人数や質問数で料金設定がされています。追加オプションがあり、自社に必要な質問形式にカスタマイズすることもできます。その分の料金は上乗せになります
- 実施方法 : 多くの調査システムはオンライン上で行われますが、紙面に対応している調査システムもあります
- 結果の受け取り方法 : PDFやCSVなど調査・分析結果の受け取り方はシステムによって様々です
- 支援体制:調査方法や分析方法、分析結果の活用方法のサポート体制もシステムによって様々です
実施準備、実施中、実施後の分析など一連の流れを確認したうえで、調査システムを選びましょう。
「従業員満足度調査(ES調査)システム」比較検討時の注意点は?
従業員満足度調査(ES調査)システムを比較する際は、実施側の負担だけでなく従業員に寄り添った実施方法かどうかも重要になります。
予算や実施準備、結果の分析のしやすさに重きを置きがちですが、従業員満足度調査(ES調査)は従業員のための調査でもあるの以下の点には注意をしましょう。
- 匿名性は守られているか:ID入力など人物が特定できる仕組みになっていないか
- やたらと質問事項を追加していないか:多すぎる質問は回答者の負担になります
- 経営層が求める回答になっていないか:経営層や一般社員に受けが良さそうな質問フローになっていないか
会社だけのメリットを考えるのではなく、従業員にとっても有益な調査となるようなシステム選び、アンケートの設定が必要です。
主要な「従業員満足度調査(ES調査)システム」の一覧
ここからは主要な従業員満足度調査(ES調査)システムを、サービス内容やおすすめの対象者、費用などと併せて紹介していきます。
「Geppo」(株式会社ヒューマンキャピタルテクノロジー)
「Geppo(ゲッポウ)」は株式会社ヒューマンキャピタルテクノロジーが提供する従業員満足度調査(ES調査)システムです。
多くの企業に導入されてきた実績があり、従業員30人以下の中小企業から数千人規模の大企業まで対応できるのが特徴です。
おすすめ対象者
・従業員の気持ちの変化を知りたい
・従業員満足度調査(ES調査)を手軽に行いたい
主要機能
・3タイプの質問(仕事満足度、人間関係、健康)
・ダッシュボード機能
・レポート出力
特徴
・「個人の課題」と「組織の課題」を見える化し、個人と組織の両視点から働き方改善
・実名での回答もでき、従業員の異常に素早く対応可能
・従業員30人以下の中小企業から従業員数千人規模の大企業まで対応可能
・1社に1専任担当者が付く充実のサポート体制
料金
~25人:2万円
~50人:3.98万円
~100人:6.8万円
~200人:10.8万円
~300人:14万8,000円
~500人:19万8,000円
~750人:24万8,000円
~1,000人:29万8,000円
無料プラン・無償トライアル
・無し
「モチベーションサーベイ」(株式会社トランストラクチャ)
「モチベーションサーベイ」は株式会社トランストラクチャが提供する従業員満足度調査(ES調査)システムです。
外からでは分かりにくい、従業員のモチベーションの高さを把握し、分析することで効果的な業務改善につなげることができます。
おすすめ対象者
・柔軟な設問設計や分析をしたい
・設問数を追加したい(標準選択設問50問+自由設問20問追加可能)
・コストパフォーマンスの良いシステムを使いたい
主要機能
・要件設定
・調査結果や全体傾向の報告、推測される課題に向けての提言
・組織課題に対する要因分析 ※オプション
特徴
・Webやメールだけでなく、紙やマークシートでの実施も対応可能
・「アンケート分析スキル向上研修」の実施
・分析やレポートが豊富で、フィードバックによる活用支援がある
料金
~300人:880,000円
~1,000人:1,250,000円
~3,000人:2,750,,000円
無料プラン・無償トライアル
・無し
https://www.transtructure.com/services/research-diagnosis/motivation-survey/
「スマレビ」(株式会社シーベース)
「スマレビ」は株式会社シーベースが提供する従業員満足度調査(ES調査)システムで、15年以上の歴史を持ち200社以上の従業員満足度調査から得たデータをもとに、調査項目が設定されているのが特徴です。
おすすめ対象者
・従業員満足度調査(ES調査)を効率的に実施したい
・セキュリティが強いシステムを利用したい
主要機能
・ライトプラン:組織課題を把握しやすい判断レポートを提供
・スタンダードプラン:サーベイ実施から結果考察までシステム活用をガイド
・アドバンスプラン:組織課題の考察、打ち手、経過観察までフルサポート
特徴
・スマートフォンで利用可能
・必要な項目で自由に設問構成を設定できる
・多言語対応(英語・中国語・韓国語)
料金
・ライトプラン(~100人):18万円
・スタンダードプラン(~100人):48万円
・アドバンスプラン(~100人):78万円
無料プラン・無償トライアル
・無し
「従業員満足度調査(ES調査)システム」導入のメリット、デメリットは?
「従業員満足度調査(ES調査)システム」の導入にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
「従業員満足度調査(ES調査)システム」導入のメリット
「従業員満足度調査(ES調査)システム」導入のメリットは大きく分けて以下の3つです。
- 見えにくい組織課題や問題点を正確に把握できる
- 従業員のモチベーション向上
- 顧客満足度(CS)向上
最も大きなメリットは「見えにくい組織課題や問題点を正確に把握できる」点でしょう。
定期的に面談や研修を行っている企業は多いですが、社員が言い出しづらい問題を抱えていると適切なフィードバックができず、課題が見えづらいことで本質的な改善になかなか繋がっていかないという問題を抱えていました。
しかし匿名性のある従業員満足度調査(ES調査)では、匿名のままシンプルな質問に回答をすることで従業員の不安や課題を把握できるため、対面では把握できなかった問題を見える化することができ、切なフィードバックを行うことができます。
当然自身の抱えていた問題が解決され働きやすくなった従業員のモチベーションは向上していきます。
また従業員満足度調査(ES調査)は従業員や顧客満足度の向上につながります。
従業員満足度の高い企業は自然と優秀な人材が集まり、社内の雰囲気もよくなり、良いサービスを生み出します。その結果、顧客満足(CS)にも繋がるのです。
「従業員満足度調査(ES調査)システム」導入のデメリット
「従業員満足度調査(ES調査)システム」導入のデメリットは、主に次の2つ。
- 調査方法、調査票選びが難しい
- 調査結果の活用方法が難しい
- 定期的に行う必要がある
多すぎる質問は従業員の回答に対するモチベーションを下げますし、質問をシンプルにし過ぎると回答の信頼性は下がってしまいます。
また、結果をうまく活用できなければ調査した意味がありません。実施して満足するのではなく、調査結果をもとに改善策を考えたり、個別面談などアクションを起こす必要があります。従業員満足度調査(ES調査)を従業員へのアピールとして使うのではなく、しっかりと調査、分析を行い業務改善に繋げる必要があります。
そして従業員満足度調査(ES調査)は定期的に行うことで最大限の効果を発揮するものです。定期的に実施をすることで企業全体の発展、社員同士の信頼関係、顧客満足度のさらなる向上に繋げていく必要があります。
まとめ
今回は従業員満足度調査(ES調査)システムの選び方やおすすめのシステムをご紹介しました。
少子高齢化による人材不足に対応するためにも、職場環境を改善し、優秀な人材の離職を防ぐ必要があります。離職率の低下と定着率の向上のために、従業員満足度調査(ES調査)は重要なツールとなります。
各社の比較をしっかり行い、自社にとって最適な従業員満足度調査(ES調査)システムを見つけましょう。