図面管理(EDM)ツールの比較

「図面管理(EDM)ツール」とは?

図面管理(EDM)ツールとは、製造や設計などで多く利用されるCADの図面データや設計資料を一元管理することを目的として開発されたツールです。

従来では、多くの企業が紙ベースの図面データをアナログで管理したり、PCのフォルダで管理したりしていましたが、この管理をより簡単にできるのが図面管理ツールといえます。

アナログな管理方法で、いくつか問題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。

例えば、図面データが顧客と紐付けできておらず、間違った図面データを納品してしまったり、過去の図面データを探すのに時間がかかったり、社内で情報共有できていなかったりといった問題は、設計を担う企業には決して他人事ではありませんよね。

図面管理ツールを導入すれば、図面データの検索が容易になるだけでなく、顧客ごとの管理も可能です。また、図面の更新履歴が残せるため、どれが最新の図面かわかりやすくなります。

ごく小規模の設計事務所などであれば、導入はコストをよく考える必要がありますが、大規模な企業であればもはや必須のツールといえるでしょう。

「図面管理(EDM)ツール」にはどのようなタイプがある?

図面管理ツールのタイプは、大きく分けて以下の2種類が挙げられます。

・図面管理に特化したもの

・文書管理に特化したもの

主にCADデータの管理が目的であれば図面管理に特化したもの、ドキュメント管理が主な目的であれば、文書管理に特化したものがおすすめです。

もちろん、両方を兼ね備えたタイプの図面管理ツールもあります。自社の目的に合わせて、適切なタイプを選びましょう。

「図面管理(EDM)ツール」の選び方は?

次に図面管理ツールの選び方について解説します。図面管理ツールを選ぶ際は、自社の導入目的に合っているかよく検討しましょう。

例えば、過去のデータ管理や保管が主な目的であれば検索機能が優れているもの、プロジェクト管理や情報共有が目的であればシステム連携に特化したものなど、さまざまな機能があります。

自社が最も解決したい課題にあわせて、各社の機能を比較検討することが重要です。

「図面管理(EDM)ツール」比較検討時の注意点は?

図面管理ツール比較検討時の注意点は、費用対効果をよく見極めることです。

多くの図面管理ツールには初期費用や月額費用が発生します。よって、自社の運用にツールが適していない場合、思わぬコストがかかることになるでしょう。

そのため、上記の選び方やタイプをよく比較し、導入前に費用対効果をしっかり検討することが重要です。

主要な「図面管理(EDM)ツール」の一覧

「デジタルドルフィンズ」(枚岡合金工具株式会社)

https://digitaldolphins.jp/

おすすめ対象者

中小企業

主要機能

自動登録

OCR機能

特徴

モバイル対応

初期費用、月額費用、その他費用

要問い合わせ

無料プランの有無、無償トライアルの有無

要問い合わせ

サポートの有無

カスタマーサポートあり

導入後サポートあり

故障時サーバー補償

概要

デジタルドルフィンズは、現場の声を汲み取って開発された図面管理ツールです。

特に検索機能が優れており、現場でサッとデータを取り出せるように10秒以内に図面を見つけられるほどの検索能力を発揮します。

また、OCR機能で紙の図面をスキャンすることも可能です。まさに現場で使うのに最も適した図面管理ツールといえます。

「図管王Standard」(株式会社デザイン・クリエィション)

https://www.dcrea.co.jp/product/zukanohs/

おすすめ対象者

中小企業

主要機能

エディタ機能

特徴

シンプルな操作性

初期費用、月額費用、その他費用

要問い合わせ

無料プランの有無、無償トライアルの有無

要問い合わせ

サポートの有無

カスタマーサポートあり

概要

図管王Standardは、操作性に優れた図面管理ツールです。

複合検索機能により、CADや写真などデータ形式を問わず情報を入力すれば簡単に検索が可能。また、Webでの利用が可能なため共有性にも優れています。業務効率化を図るなら第一に候補にしたい図面管理ツールといえるでしょう。

「CheX(チェクロス)」(株式会社YSLソリューション)

おすすめ対象者

中小企業

主要機能

QRコード連携

測定器連携

特徴

モバイル対応

初期費用、月額費用、その他費用

要問い合わせ

無料プランの有無、無償トライアルの有無

要問い合わせ

サポートの有無

カスタマーサポートあり

マニュアルあり

概要

CheX(チェクロス)は、建設現場での利用に特化した図面管理ツールです。

モバイル対応ですぐにデータの閲覧が可能なほか、工程表や写真の一元管理も可能。現場でのスムーズな業務に非常に役立ちます。

また、QRコードでの読み取りや測定器との連携など、ユニークな機能も満載。まさに建築現場で利用するのに特化した図面管理ツールといえます。

「楽々Document Plus」(住友電工情報システム株式会社)

https://www.sei-info.co.jp/document-plus/cases/design-drawings.html

おすすめ対象者

中小企業〜大企業

主要機能

高速ビューワー機能

アクセス権限設定

特徴

快適な閲覧性

初期費用、月額費用、その他費用

要問い合わせ

無料プランの有無、無償トライアルの有無

要問い合わせ

サポートの有無

カスタマーサポートあり

保守サポートあり

概要

楽々Document Plusは、CADデータの閲覧に特化した図面管理ツールです。

高速ビューワーによる快適な閲覧性で、素早い図面管理・

閲覧が可能となっています。また、アクセス権限の設定も容易なため、データの管理性も高いのが特徴。中小企業から大企業まで幅広くおすすめできます。

「FullWEB」(キヤノンITソリューションズ株式会社)

おすすめ対象者

中小企業〜大企業

主要機能

ドキュメント管理

BOM機能

特徴

Web上でのデータ管理が容易

初期費用、月額費用、その他費用

要問い合わせ

無料プランの有無、無償トライアルの有無

要問い合わせ

サポートの有無

カスタマーサポートあり

概要

FullWEBは、Webドキュメントの管理に特化した図面管理ツールです。

文書の管理はもちろん、CADデータの管理にも対応。Web上でいつでもデータを閲覧できるのが非常に便利です。

また、部品表を管理するBOM機能も搭載されており、煩雑な部品データも管理が容易になります。製造業から現場での利用まで幅広く対応できるのが強みです。

「図面管理(EDM)ツール」導入のメリット、デメリット

では最後に、EDMツールのメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット

図面管理ツールの最大のメリットは、図面データなどの情報を一元管理できることにあります。

これまで図面データといえば、部署や部門ごと、または個人同士で管理されることがほとんどでした。

しかし、図面管理ツールを使えば部署や部門を超えて企業全体に情報を共有できるようになるため、業務の効率化や各社員のスキルアップにつながります。

また、これまでPCのフォルダ等で管理していたデータも、図面管理ツールで一元管理すれば担当者にかかわらず全員がわかりやすいように共有することが可能です。

上記で紹介してきた図面管理ツールはどれも見やすいレイアウトやわかりやすい仕様になっているため、例え専門外の社員が閲覧したとしてもデータの共有が可能となります。

担当者にしかわからないような場所に保管されていたデータも、図面管理ツールで管理すれば検索がしやすく、データを探すのに無駄な時間を要することもありません。

煩雑な図面データの管理が一元化されることで、大幅な業務効率化が期待できるでしょう。

デメリット

一方で、図面管理ツールにはデメリットも存在します。それは、導入コストやセキュリティ面です。

これまで紹介してきたように、図面管理ツールには初期費用や運用費用が発生します。アナログな管理であればコストがかからなかったものも、ツールの運用には必ず費用がかかるため、費用対効果をよく考えて導入しないとマイナスになりかねません。

また、図面管理ツールは誰が見てもわかりやすい仕様になっているとはいえ、最初の操作や運用方法は使う人全員に共有しておく必要があります。

そこにかかる労力や、現場への周知もあわせて行なう必要があるため、よく検討したうえで導入しましょう。

また、図面データは企業の大事な資産です。クラウドのツールで管理する場合は、情報漏洩を防ぐために社内のセキュリティ体制を万全にしておく必要があるでしょう。

特に、現場で必要となる図面データは外部に持ち出すシーンも多くなると予想されます。そういった場合の運用方法も社内で共有しておかないと、大事な図面データの漏洩にもつながりかねません。 よって、図面管理ツールの導入は費用対効果をよく検証し、セキュリティ面で万全の対策を取っておきましょう。


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