eラーニングシステムとは?
eラーニングシステムとは、インターネットを使った学習システムのことで、「electronic learningsystem」の略です。通信教育分野ではすでに多くの実績があり、社員研修や新人研修などに取り入れる企業が増えています。
社員研修は企業文化や知的資産を伝承する重要な役割を担います。企業文化・知的資産に関する学習コンテンツを作成し、社員がどこまで学習できているかを管理し、理解度をテストすることも可能です。
コロナ禍の影響もあり今後ますますeラーニングシステムは浸透していくと思われます。
eラーニングシステムにはどのようなタイプがある?
eラーニングシステムは大きく分けて2つの種類があります。ひとつは「クライドタイプ」もう一つは「自社サーバータイプ」です。ここではその違いについて簡単に説明します。
クラウドタイプ
サービス提供会社のサーバーの中にあるシステムに、インターネットを通じてアクセスし利用するタイプです。
特徴は、提供会社のサーバーを利用することで初期投資が安く、導入までの時間が非常に短いことです。サーバーの保守、メンテナンスの必要がないため、最近ではクラウドタイプが主流になっています。
自社サーバータイプ
eラーニングシステムを自社サーバーで構築するタイプです。自社サーバーにしかデータが残らないため、情報漏洩や不正サクセスの心配が減ります。
ただし、システムを自社サーバーで構築するため、初期投資や時間がかかります。
eラーニングシステムの選び方は?
社内研修向けeラーニングシステムを比較する際のポイントを見ていきます。
操作性(使い易さ)
比較する際に重要になるのが操作性です。全従業員が使うため操作性が良いというのは必須条件となります。システムが使いづらいと受講率や使用率の低下を招き導入した目的が達成されない状況を招いてしまいます。社員の年齢層が高い場合にはできるだけ直感的に操作できるeラーニングシステムを選ぶと良いでしょう。
自社教材とのマッチング
企業によって自社教材の作り方は違います。PowerPointやPDF教材を再利用することもあれば、営業や店舗のオペレーションを動画として利用することもあります。eラーニングシステムによって、使用できるファイルの種類が限定されていて自社教材がそのまま使えない、ということもあるので要注意です。各社特徴があるので最初によく確認しておきましょう。
既成教材の種類や内容
企業によっては自社教材を持っていない、一般的な教材で構わないという場合もあります。その時はeラーニングシステムに入っている既成教材で学習を進めることができます。この教材の内容について事前に確認をしておきましょう。
「自社に合うものか」「難しすぎないか」など無料期間やデモ版を利用して確認することができます。また、必須研修以外でも業務に直結する研修教材やスキルアップにつながる研修教材の種類と内容を確認しておくことをお勧めします。
受講促進機能
定期的なリマインド、未受講者やテスト結果を知らせる機能があるかどうかのの確認をしましょう。システムから情報を発信することで、管理側の負担を軽減し、受講率アップにも繋がります。最近ではファイルのシェアや、「いいね!」や「コメント」という機能もあり、より活用しやすくなっています。
eラーニングシステム比較検討時の注意点は?
eラーニングシステムは一度だけ利用するものではなく、継続して利用するツールなので慎重に比較検討する必要があります。
比較検討の際にどのような点に注意すればいいでしょうか?
【利用する目的を明確にする】
何のために使うか目的を明確にしましょう。
「スキルアップ研修」、「新人研修」、「自己啓発支援」など全社員を対象にやりたい。教材は自社のものを使用し、導入することでノウハウの共有や各社員のスキルの把握がしたい。など、目的を明確にしておくことで、スムーズに比較をすることができます。
【依頼する会社の特徴を理解する】
eラーニングシステムを提供する会社は多数あり、導入目的を決めたら、各会社の特徴を理解する必要があります。システムを提供する会社は大きく分けて3つあり、eラーニング教材とシステム両方を提供する会社、eラーニング教材のみを提供する会社、eラーニングシステムのみを提供する会社があります。
①eラーニング教材とサービスを提供する会社
eラーニングシステムを教材からLMS(LearningManagementSystem:学習管理システム)まで総合的に提供してくれる会社です。自社で教材が無い場合でもすぐにスタートでき、立ち上がりが早いのがメリットです。
②eラーニングサービスだけをご提供する会社
eラーニングのシステム、プラットフォームだけを提供する会社です。教材は自社のものを利用し教育・研修をしたいという時に役に立つ業態です。また、教材作成だけ別会社に依頼することも可能です。
③eラーニング教材だけをご提供する会社
eラーニングシステム用教材制作を支援する会社で、動画撮影が中心だったり、文字教材が得意だったりその会社ごとに得意分野が変わってきます。希望に沿った会社を選びましょう。
【中長期的運用を視野に入れる】
eラーニングシステムは教育、研修という企業にとって大変重要な部分を担っています。そのため、短期的なものではなく中長期的な運用を視野に入れる必要があります。
eラーニングシステムを検討する場合には、システムのアップデートはどのくらいの頻度か、既成の教材バリエーションはどのくらいあるか、など中長期的な視点が必要になります。
主要なeラーニングシステムの一覧
一言でeラーニングシステムといっても数多くの会社がさまざまなサービスを展開しています。ここでは、その目的別に主要なeラーニングシステムを5つほど紹介します。
IT初心者でも気軽に使えるeラーニングシステム
「SAKU-SAKUTesting」(図書印刷株式会社)
おすすめ対象者
IT初心者が多い企業
主要機能
ドリル学習機能、コース学習機能、テスト機能、ドリル結果画面、アンケート機能、質問機能、お知らせ機能、メルマガ機能
特徴
SAKU-SAKUTestingはマニュアルが要らない、分かり易く使いやすい操作性で、継続率98%を誇り高い評価を得ているeラーニングシステムです。動画ライブラリ300本、ドリルライブラリ3,000問がダウンロード可能。4StepAssistというコンテンツサポート・運用サポートで安心して運用が可能です。
初期費用
サクセスライトなし、サクテススタンダード20万円
月額費用
サクテスライト680円/1ID、サクテススタンダード390円/1ID
無料プラン・無償トライアル
30日間無料トライアル
クイズとスキルの可視化で楽しく使えるeラーニングシステム
「MENTER」(WHITE株式会社)
おすすめ対象者
IT初心者が多い企業
主要機能
スキル可視化機能、クイズ出題機能、9種類の学習コース
特徴
MENTERではクイズ形式で学習を進めることができ、1日1問10分ペースから学習可能です。また、スキルを自動で可視化してくれるのもMENTERの大きな特徴です。質問に対する回答数、正解数、正解率、得点などをグラフ化してくれます。この可視化によって苦手分野の発見や成長過程のモニタリングが可能です。
初期費用
なし
月額費用
20名以下の場合は5万円、20名以上は1万2,500円(税別)
無料プラン・無償トライアル:
7日間無料トライアル
すでにある自社教材を使えるeラーニングシステム
「LearnO」(Mogic株式会社)
おすすめ対象者
すでに自社教材がある企業
主要機能
動画コンテンツ配信・受講、アンケート集計、グループ管理、学習者へのメール配信
特徴
お客様の「つぶやき」を拾い上げデータベース化しスタッフ教育に生かすことが可能。また、営業プロセスの標準化が可能で、自社の製品、特徴、営業スタイルなどを教える研修の効率化が可能です。
初期費用
なし
月額費用
4,900円プラン(50人以上の場合)、標準プラン14,900円(100人以上)
無料プラン・無償トライアル
1ヶ月間無料トライアル
自社教材がなくてもすぐに使えるeラーニングシステム
「playse.eラーニング」(株式会社manebi)
おすすめ対象者
自社教材がない企業
主要機能
3,000レッスンが見放題、柔軟な受講設定、メール配信、自社教材やテスト作成、支店管理
特徴
playse.eラーニングの特徴はビジネスマナーからコンプライアンス、実務英語など多岐に渡る幅広いジャンルの教材3,000レッスンが見放題という点です。自社教材が無い企業でもすぐに始めることができ、将来的に自社教材作成やテスト作成も可能です。
初期費用
10万円
月額費用
15,000円(30人まで)、500円/1ID(30人〜500人)、400円/1ID(501人〜1000人)、300円/1ID(1001人以上)
無料プラン・無償トライアル
無料トライアル有り
動画で分かりやすく学べるeラーニングシステム
「光Webスクール」(エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト株式会社)
おすすめ対象者
動画によるeラーニングシステムを望む企業
主要機能
プロによる映像編集制作、繰り返し学習機能、テスト機能、アンケート機能
特徴
光Webスクールは社内研修動画などの動画をプロの手によって質の高い動画に作り替えてくれます。既にある研修動画を用意するだけで済み、文字だけでは伝えきれないノウハウも伝えることができます。視聴しながらのレジューム機能、スロー再生などの機能もあり、繰り返し見ることで理解が深まります。
初期費用
47万円〜
月額費用
11万円〜
無料プラン・無償トライアル
30日間無料トライアル
eラーニングシステム導入のメリット、デメリット
【メリット】
・大人数の受講者を一か所に集める必要がなく、個人での受講が可能
・教材の印刷代、会場費用、交通費などのコストがかからない
・教材の内容の変更などが楽
・個別にフィードバックやリマインドができる
・社員のスキルの標準化がしやすい
eラーニングシステムを導入する大きなメリットは教材作成の費用や会場費、交通費などのコストを大幅に削減することができる点と、受講者を一か所に集める必要がないため講習時間の制約があまりないという点です。
個別の研修の進捗管理やリマインドなどがPCひとつで出来てしまうというものもメリットのひとつです。更にはeラーニングシステムを使えば社内ノウハウの共有や社員スキルの標準化をしやすくなります。
【デメリット】
・社員のモチベーションを保つのが難しい
・実技を伴う講習が困難
・高齢者やITが得意でない人には難しい
eラーニングシステムを導入するデメリットで一番に上げられるのは、社員のモチベーションを維持するのが難しいということです。オンラインでのやり取りになり、会場で他人と一緒に受けるといった緊張感もないため、受講側の意欲に依存してしまいます。
また、実技を教えるような講習は動画でもある程度は伝えることが可能ですが、実際に目の前でやって見せるのと比べると分かりやすさには差が出てしまいます。
PCに慣れていない高齢者が多い場合も思うように講習が進まないといった問題が発生する可能性があります。
まとめ
eラーニングシステムはその特徴から中長期での運用が前提とはなりますが、社員研修は企業の生命線です。是非これを機に導入を検討してみてはいかがでしょうか?