「工事管理ツール」とは?
「工事管理ツール」とは、その名前の通り工事に関する業務をサポートするツールです。
建設現場・工事現場では、現場職員1人1人が作業工程・工事進捗を把握しておくことが必要不可欠です。しかし、必要な部品の仕入れや顧客への報告など煩雑な業務は多くそのすべてを漏れずに把握することは困難です。
そこで、工事管理ツールはあらゆる情報を集約して工事のスムーズな実施を手助けします。一般的には、工事の受注から部品発注を管理する「受発注管理」や、現場のスケジュール管理を行う「工程管理」機能を備えており、複雑な情報を一元管理できます。過去の見積もりの引用や受注履歴の確認もできるため、工事管理ツールは管理者にとっても欠かせない存在です。
「工事管理ツール」にはどのようなタイプがある?
工事管理ツールの提供形態は、主に「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類に分かれます。
「クラウド型」はインターネットを介して利用するタイプです。自社でシステムを構築する必要がないため、導入後すぐに利用開始できるのがメリットとなります。また、オンプレミス型に比べると初期費用が安く済むため、中小企業も手軽に導入できるのが魅力です。
一方、「オンプレミス型」は必要なハードウェア・ソフトウェアを購入して利用するタイプ。初期費用はかかるものの、長期的に見ればクラウド型よりコストが抑えられる可能性もあります。さらに、購入後は自社が使いやすいよう自由にカスタマイズできる点も魅力です。
「工事管理ツール」の選び方は?
操作性
工事管理ツールを比較検討するにあたり、まずは「操作性」をチェックしましょう。工事管理ツールは管理者だけでなく、現場の従業員も使用する場合がほとんどです。操作方法が分かりづらいと、かえって現場が混乱してしまう可能性があります。トライアル期間などを利用して実際の操作性を確認し、管理者・現場双方にとって利用しやすいシステムを選びましょう。
機能性
次に、どんな機能を備えているかを確認しましょう。同じ工事管理ツールでも、製品によって搭載機能は異なります。現場の仕事はもちろんのこと、工事には仕入れや会計など複数の業務が密接に関わってきます。工程管理以外に発注や請求関連の機能を備えている製品を利用することで複数の業務遂行が並行して可能になり、全体業務の効率化に繋がります。
ただ、多機能な製品は魅力に感じますが、その分料金も高額になります。導入後に使用しなければ、結果として無駄なコストがかかってしまう点には注意しましょう。まずは自社の課題を整理し、必要な機能を見極めましょう。
料金
最後に、料金体系をチェックしましょう。製品によって「初期費用の有無」「月額払いか年額払いか」など料金体系はさまざまです。クラウド型は月額制が多く、毎月コストが発生する代わりに初期費用が安いのが魅力です。どのタイミングで料金が発生するかをしっかり確認し、自社にあった料金体系の製品を選びましょう。
「工事管理ツール」比較検討時の注意点は?
工事管理ツールを比較検討する際は、現場の意見をよく聞くようにしましょう。工事管理ツールを使用するのは管理者だけではありません。現場にとって使いにくいツールではかえって現場仕事へ支障をきたす可能性もあります。
まずは現場での課題を整理し、現場従業員の使い勝手もしっかりと考えながらシステムを選ぶことが重要です。
主要な「工事管理ツール」の一覧
「ANDPAD」(株式会社アンドパッド)
おすすめ対象者
工事に関わる内容をクラウドで一元管理したい企業
主要機能
写真・資料管理、日報管理、チャット機能、営業管理など
特徴
資料共有・日報管理が手軽にでき工事進捗を分かりやすく可視化。
チャット機能付きで現場とのコミュニケーションも楽々可能です。
初期費用、月額費用、その他費用
【初期費用】100,000円
【導入サポート研修】100,000円/回
【プラン】
ライトプラン:36,000円/月 60 IDまで
ベーシックプラン:60,000円/月 100 IDまで
ビジネスプラン:120,000円/月 200 IDまで
エンタープライズプラン:要問合せ 500ID以上
無料プランの有無、無償トライアルの有無
無
サポートの有無
有(無料オンラインセミナー開催など)
「SMAC工事管理」(株式会社パナック)
おすすめ対象者
必要な機能のみの導入でコストをおさえたい企業
主要機能
見積管理、発注管理、日報管理など
特徴
8つの基本機能から選択・組み合わせての導入が可能。
オンラインサポート体制も充実で初めて利用する場合も安心です。
初期費用、月額費用、その他費用
【基本ソフトウェア価格】
見積管理:100,000円
実行予算管理:100,000円
発注管理:100,000円
日報管理:150,000円
労務機械管理:100,000円
仕入管理:100,000円
支払管理:150,000円
請求管理:150,000円
無料プランの有無、無償トライアルの有無
無
サポートの有無
有(導入時サポート、専用フリーダイヤルによる問い合わせなど)
「アラジンオフィス プロジェクト管理システム」(株式会社アイル)
おすすめ対象者
案件ごとの売上・利益を一目で把握したい企業
主要機能
原価管理、案件管理、収支管理
特徴
案件ごとのコストを正確に確認でき、人件費削減やマネジメント改善にも役立ちます。
必要な機能を追加してカスタマイズも可能。
初期費用、月額費用、その他費用
別途問合せ
無料プランの有無、無償トライアルの有無
別途問合せ
サポートの有無
別途問合せ
「BUILD-U Premium」(株式会社ユニテック)
おすすめ対象者
スムーズな操作性を重視したツールを求める企業
主要機能
受注管理、注文管理、支払管理、入金管理など
特徴
Webブラウザのみで利用可能な工事管理ツール。
回線データの大幅圧縮により、現場のモバイル環境でもスムーズに作業できるのが魅力。
初期費用、月額費用、その他費用
別途問い合わせ
無料プランの有無、無償トライアルの有無
別途問い合わせ
サポートの有無
別途問い合わせ
「工事管理ツール」導入のメリット、デメリット
メリット1:業務の効率化につながる
工事管理ツール導入のメリットは、まず、業務の効率化につながるという点です。工事管理には、事務処理から現場の進捗管理まで膨大な業務が発生します。それゆえ1つの案件に多くの部署が関わり、部署間の細かい共有が欠かせません。工事管理ツールを導入することで工事に関する情報の一元管理が可能になります。ツール上で誰でも簡単に案件確認ができるため、共有漏れによるミス削減にもつながります。
メリット2:社外とのコミュニケーションが円滑になる
次に、社外とのコミュニケーションが円滑になる点です。工事管理ツールを導入すれば、ツールから工事進捗が一目で確認できます。そのため顧客へのスムーズな報告が実現でき、会社の信用性向上にもつながります。なお、製品によっては顧客自身が進捗状況をチェックできるものもあります。より社外との共有を重視したい場合にはおすすめの機能です。
メリット3:現場に行かなくても状況把握ができる
最後に、現場に行かなくても状況把握ができる点があります。今まで、工事の進捗を確認するには現場に行く必要がありました。しかし、工事管理ツールを導入すれば現場に行くのが難しい状況でもツール上で進捗確認が可能です。中には工事状況を写真付きで記録できる製品もあり、遠方でも詳細に状況を把握できます。
デメリット1:導入コストがかかる
工事管理ツール導入のデメリットに、まず、導入コストが挙げられます。工事管理ツールは現場で働く従業員が使いこなせなければ意味がありません。導入時は全員がツールを使いこなせるように、マニュアル作成や研修の実施が必要になります。導入後、しばらくは管理者に質問が殺到するケースも想定しておかなければなりません。
デメリット2:現場の負担になってしまう
次に、かえって現場の負担になってしまう可能性が挙げられます。上手く導入を行なえないとツールを使いこなせないといったトラブルが起き、逆に現場仕事に影響が出る可能性もあります。特に多機能なシステムを選んでしまうと、現場が使いこなせずかえって混乱を招いてしまいます。このような事態を防ぐためにも、ツール導入の際に必要機能を見極めて選定するのが重要です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
これを機に工事管理ツールの導入を是非検討してみてください。