購買管理システムの比較

「購買管理システム」とは?

購買管理システムとはその名の通り、企業が活動する上で必要なものを社外から調達する業務を効率化するためのシステムです。

購買業務を行う上での主なミッションは QCD(Quality・Cost・Delivery)を向上させることです。その理由は購買業務を最適化することで質の高い仕入れができ、さらにコストの削減ができることで業績アップや顧客満足度の向上に繋がるからです。

基本的に購買管理システムは、物品の購買に至るまでの見積・発注・注文などの作業の一元管理して操作を行います。全てシステム内の電子承認フローでペーパーレス化が実現するため、テレワークなどの導入を進めている企業にもおすすめできます。

そのほか購買管理システムでは取引契約書の作成や管理だけでなく、支払い管理なども行えるので、購買業務の担当者からすると情報管理をしやすいです。また下請法に該当しないようにコンプライアンスを維持することができる点もメリットとして挙げられます。

このように購買管理システムは便利な機能を多く搭載しているので、導入を検討する企業が増えています。

「購買管理システム」にはどのようなタイプがある?

購買管理システムを大きく分けると”クラウド型・オンプレミス型・パッケージ型”の3つのタイプがあります。

クラウド型は既存のサーバーを経由してアクセスするもので、インターネット環境があれば24時間どこからでもアクセスが可能です。サーバーの構築や保守が不要なため、現在利用しているネット環境があればすぐに利用できる、導入までの期間も短いという特徴があります。

コスト面では月額利用料として利用ユーザー数などに応じて利用料を支払うのが一般的で、カスタマイズが不要な方で、且つ低コストですぐに利用開始したい方におすすめなのが「クラウド型」です。

オンプレミス型はクラウド型と異なり、サーバーやネットワーク機器を新しく入手(購入・リース)して、自社内に構築・運用を行うタイプのことを指します。

決められたサーバー内のみでしか利用ができないというデメリットはありますが、セキュリティ面では高い安全性を持っています。またカスタマイズ性に富んでいるので、自社の欲しい機能などを追加・修正することが可能です。

クラウド型と比べて自由度の高いシステムが利用できますが、導入までに期間がかかり、初期導入費用が高くなる傾向にあるのが「オンプレミス型」です。

パッケージ型はソフトとしてPC内にシステムをダウンロードして利用するものです。ダウンロードをしてPCに取り入れるWordやExcelなどのOfficeソフトをイメージすると分かりやすいでしょう。

パッケージ型のソフトは既製品ですでに必要な機能が取り揃っていれば、低価格で導入ができます。しかし、大衆向けの機能が搭載されているパッケージソフトですから、新しく機能を追加したり、カスタマイズすることができないというデメリットがあります。

「購買管理システム」の選び方は?

購買管理システムの選び方は「導入実績」や「部門間の連携が取れるか」という点を軸にして選ぶことをおすすめします。

その理由はシステムの企業導入実績が多いと問合せなどの対応が増える、サポート体制が充実している可能性が高いからです。その場合、よくある質問やチャットサポートなどの対応がマニュアル化されていることが多く、導入する企業にとってメリットだと言えます。

また部門間での連携がとれなければ業務がスムーズに遂行できませんので、システム内で部門間での連携が取れることは重要なポイントです。

「購買管理システム」比較検討時の注意点は?

業界によって購買するモノやフローが違うため、適しているシステムが異なります。そのため、購買管理システムを比較検討する際は「業界や製品に適しているか」という点に注意しておきましょう。

システムによって取り扱っている商品や価格は変わってきますので、購買管理システムを導入する際には自社の業界や業種に適しているシステムかを吟味するようにしましょう。

また導入を検討する担当者とシステムを運用する担当者が異なる場合には、無料トライアル期間を設けているシステムを選ぶことをおすすめします。実際に現場に立つ担当者がデザイン感や操作性を知ることで使用者にとって使いやすいシステムを導入でき、使用意欲が高まります。

主要な「購買管理システム」の一覧

「楽々ProcurementII」(住友電工情報システム株式会社)

おすすめ対象者

ペーパーレス化を実現したい方、内部統制を強化したい企業、購買管理業務の効率化を図りたい方

主要機能

購入依頼、見積、発注、注文書の一括発行機能、入荷検収

特徴

購入依頼から検収までの業務を電子承認ができる、購買実績の一元管理や業務効率化ができる、バーコード連携対応

費用

【クラウドサービス】

従業員数:~300人/初期導入費用:~1,200万円/導入期間:7ヶ月

従業員数:~500人/初期導入費用:~800万円/導入期間:4ヶ月

従業員数:~700人/初期導入費用:~900万円/導入期間:8ヶ月

従業員数:~1,000人/初期導入費用:~800万円/導入期間:8ヶ月

【Model SS(購買部門向け、中規模限定)】

従業員数:~200人/導入初期費用:~1,000万円/導入期間:6ヶ月

従業員数:~300人/導入初期費用:~1,000万円/導入期間:6ヶ月

無料プラン

あり(体験版ダウンロード&セミナー)

サポート

あり(詳細説明やデモ)

「SOLOEL」(ソロエル株式会社)

おすすめ対象者

低価格でシステムを導入したい方、購買業務を効率化したい企業、テレワーク環境へ対応したい企業

主要機能

カタログ検索機能、受発注機能、見積機能、受入検収機能、横断検索機能、契約管理機能

特徴

短期間で導入が可能、初期費用0円、低価格の商品を簡単に探せる

費用

Enterprise/初期費用:個別問合せ、システム利用料:個別問合せ、導入費用:約4ヶ月

Light/初期費用:150万円、システム利用料:30万円~、導入期間:約3ヶ月

無料プラン

なし

サポート

有り(導入検討から導入後の運用定着化までをトータルサポート)

「購買管理システム」導入のメリット、デメリット

購買管理システムを導入するメリットとデメリットについてお話していきます。

購買管理システムを導入するメリットは次のようなものが挙げられます。

・購買管理業務の効率化

・QCDの向上

・ペーパーレス化の実現

購買管理システムではQuality(品質)・Cost(コスト)・Delivery(納期)の向上が図れることが最大のメリットと言えるでしょう。

システム内では目的となる製品の最安値を簡単に検索することができ、製品を選定する時間が短縮されることでコストダウンや業務の効率化に繋がります。納期についても情報を一元管理してくれるので、人為的なミスが削減できます。

またペーパーレス化ができるので、紙での作業を無くしたいと考えている企業やテレワークを導入したい企業にも購買管理システムはおすすめです。

購買管理システムを導入するデメリットは「他システムと連携ができなければ作業が複雑になる」という点です。

提供されている購買管理システムの中には、これまで利用していたシステムを連携して利用できるものも多く存在します。社内で利用中のシステムと連携ができなければ、内容を擦り合わせる作業を行わなければなりませんので、かえって手間がかかってしまいます。購買管理システムのメリットとデメリットを考慮して、システムの導入を検討してみてくださいね。


AD