健康管理システムの比較

「健康管理システム」とは?

少子高齢化位に伴う深刻な人手不足、テレワーク豪華に伴う従業員の健康管理の観点から、経産省が推進する「健康経営」に注力する企業が増えています。

「健康管理システム」とは、定期健康診断をはじめとする社員の健康状態に関するデータを一元管理できるシステムのことで、健康経営を目指すための機能が充実しています。

システムによって機能は異なりますが、健康診断やストレスチェック、アフターフォロー機能が主な機能で、今までは異なる複数の媒体で管理していたデータを一括で管理できるメリットがあります。

「健康管理システム」にはどのようなタイプがある?

「健康管理システム」には2つのタイプがあります。

  • 従業員の健康情報を一括管理するタイプ
  • 日々の健康状態を把握する健康管理タイプ

健康情報を管理するタイプは、今までバラバラに管理してきた従業員の健康情報を集約し、データ化することで一括管理が可能になります。

従業員一人ひとりの健康状態をリアルタイムで把握できるので、身体の不調だけでなくメンタル不調の予防が可能です。

感染症対策の一環でリモートワークが増え、会社での健康管理が難しくなりました。そのようなリモートワーク社員や客先常駐社員などの勤務形態や健康状態を把握したい際に有効なシステムが日々の健康状態を把握するタイプ。

スマートフォンやPCから簡単に健康状態を入力できるので、従業員の負担は少ないのが特徴です。

「健康管理システム」の選び方は?

健康管理システムを選ぶ際のポイントは以下の2つ。

  • コストバランス
  • 必要な機能の有無

様々な価格や導入形態(パッケージ型、クラウド型)、機能を持った商品がある健康管理システムは、コストバランスが重要です。

高性能なシステムを入れても自社の規模や規格に合わなかったり、不要なサービスが多ければ複雑になり使いにくくなってしまいます。逆に安く機能性の低いものでは十分なサービスが受けられない可能性もあるでしょう。

健康管理システムを何故導入したいのかを考えた上で、その問題を解決するための機能があるかの確認が必要です。「人事情報との連携」「定期診断情報の管理」「帳票作成」など、どの部分が問題でどうやって解決したいかを検討しましょう。

「健康管理システム」比較検討時の注意点は?

健康管理システムを比較検討する際、以下の点に注視しましょう。

  • 改善したい業務への機能対応
  • 健康診断情報の取得方法

「勤怠形態を含む日々のコンディションを確認したい」「メンタル面でのケアに注力したい」「過重労働を把握・管理したい」「これらの問題を包括的に管理したい」このように求める機能が異なるため、その機能の有無を確認する必要があります。

システム導入時、健康診断結果をはじめとした健康情報をデータ化する必要があります。紙の検診結果しか入力できなかったり、実施期間ごろにバラバラなフォーマットでデータが提供されると、システムの導入準備に労力がかかり、本末転倒になってしまいます。結果フォーマットの統一や入力代行サービスがあるかどうかなども確認しましょう。

主要な「健康管理システム」の一覧

ここからは主要な健康管理システムを、サービス内容や対象者、費用などと併せて3つご紹介します。

「Carely」(株式会社iCARE)

健康情報を社員ごとにクラウド管理する「Carely」は、従業員の健康診断からストレスチェックの実施、長時間労働の管理などが一つのシステムで完結できます。

【おすすめ対象者】

・50名以上の従業員がいる企業

・健康診断からストレッスチェックなど、すべての健康情報を一括で管理したい企業

【主要機能】

・健康診断(受信状況の把握、報告書データの作成など)

・ストレスチェック(PC・スマホでの実施、集団分析レポートなど)

・過重労働対策(勤怠システムからの残業時間取り込みなど)

・産業医面談(面談候補者一覧、面談予約、記録作成など)

・健康相談窓口(高ストレス・荷重労働者フォローなど)

・衛生委員会(議事録の作成・保管・印刷など)

【特徴】

・健康労務のリスクを可視化する管理者向け健康管理ダッシュボード

・クラウドでのデータ管理で、最新システムが追加費用なしで利用できる

【料金】

プランの月額料金+初期費用+オプション料金

・プラン:クラウド(月額200円/人)、ベーシック(月額300円/人)、プラス(月額400円/人)

・初期費用:クラウド‥月額費用3か月分、その他‥1000円×従業員数

・オプション:セキュリティパック(見積もり+50円/人/月)、産業医紹介(50,000円〜/時間)など

【無料プラン・無償トライアル】

なし

【サポート内容】

・健康診断代行サービス

 「newbie」(株式会社マイクロウェーブ)

リモートワークでも従業員のメンタルヘルスや健康管理を行いたい企業にオススメなのが「newbie」。健康診断結果やストレスチェック結果(Web版)を、クラウド上で一括管理するため、業務の効率化や産業医とのオンライン面談も可能です。

【おすすめ対象者】

・テレワークの従業員が多い企業

・なるべく低コストで健康管理システムを導入したい企業

【主要機能】

・健康診断管理

・ストレスチェック管理

・ダッシュボード

・再検査推奨支援

・報告書自動作成

・産業医面談記録

【特徴】

・人事労務担当者はどこからでも、受診率や有初見者数の確認、労基署への報告書作成などが可能

・社員の健康状態を様々な角度から分析・比較できる

・最短1週間で実施可能(ストレスチェック機能のみ)

【料金】

・ストレスチェックのみ(初期費用500円+月額50円/人)

・健康診断のみ(初期費用500円+月額150円/人)

・検診+ストレスチェック(初期費用1,000円+月額200円/人)

・検診業務代行セット(初期費用1,000円+月額300円/人)

【無料プラン・無償トライアル】

 なし

【サポート内容】

・導入前サポート

・導入後サポート(システムの使い方や不明点などの問い合わせ対応)

 

「H.S.Sヘルスサポートシステム」(伊藤忠テクノソリューションズ株式会社)

月間利用継続率99%以上の「H.S.Sヘルスサポートシステム」は、産業衛生業務の効率的なサポートや円光経営の推進を強力にサポートする健康経営プラットフォームです。

【おすすめ対象者】

・複数の拠点を持つ企業

・健康管理業務全般を効率化・簡略化させたい企業

【主要機能】

・検診管理

・ストレスチェック

・長時間労働対策

・予約枠管理

・帳票出力

・多言語対応

・統計・集計・分析

【特徴】

・シンプルでわかりやすい管理画面で、担当初心者でも安心

・医療機関と企業のマッチング

【料金】

スタンダードプラン、プレミアムプラン:要問い合わせ

【無料プラン・無償トライアル】

       なし

【サポート内容】

・紙管理からのシステム導入作業のサポート

・定期的なセミナー実施

「健康管理システム」導入のメリット、デメリットは?

健康管理システムを導入する前に、メリット・デメリットを把握する必要があります。

それぞれを説明していきましょう。

「健康管理システム」導入のメリット

健康管理システム導入のメリットは以下の2点です。

  • 報告書作成などの手間が省ける
  • 離職率低下につながる

定期健康診断の実施は会社の義務になります。実施状況をまとめた報告書を労働基準監督署に提出する必要があり、作成時のデータ集計に労力がかかる企業は多いでしょう。健康管理システムを導入することで、報告書などの手間が省けます。

健康管理システムは、労働時間管理に役立ちます。長時間労働がないか、休日出勤がないかを確認することで、従業員の健康管理が可能です。また、企業や部門に職場環境の問題も把握できます。職場環境の改善は、従業員の満足度向上につながります。

「健康管理システム」導入のデメリット

健康管理システムにはデメリットがあることも理解しておく必要があります。

  • 活用できるかどうかは会社次第
  • 従業員の健康をデータメインで考えてしまう

導入しても活かせなければ意味がありません。様々な機能が備わっていても、それらの機能を使いこなせるかは会社次第です。

健康管理システムは導入するだけでなく、その後に活用して初めて効果を発揮します。

身体の変化は数値やデータでわかっても、心の変化は分かりづらい場合があります。

データを可視化することは重要ですが、データだけに頼るのではなく日々の職場におけるコミュニケーションも大切です。

まとめ

少子高齢化に伴う労働人口の減少や社会情勢の変化により、優秀な人材の確保や離職防止、職場環境の改善は企業にとって取り組むべき課題になりました。

健康経営を心がけることで、従業員の心身の健康を守ることはもちろん、企業としての成長につながります。

従業員の健康状態を把握する健康管理システムの導入は、企業が抱える目に見えない課題を浮き彫りにし、解決するきっかけとなります。

まだ健康管理システムを導入していない企業は、この機に検討してみてはいかがでしょうか?


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