「見積管理システム」とは?
見積管理システムとは商品などの見積を作成したり、見積の管理を行ったりするシステムのことを指します。
見積を作成する際にはスピードや正確さが大切ですが、Excelなどのテンプレートで作成すると入力ミスで時間がかかる、ファイルを削除してしまったなどのリスクがあります。
見積管理システムの導入で作成の工程が少なくなるので、業務効率がアップします。さらに見積の履歴をすぐに参照することも可能です。
業績を上げるためには利益をアップさせることが必要不可欠ですが、見積管理で原価を把握することで、赤字になることなく適正な価格で簡単に見積の作成ができます。
「見積管理システム」にはどのようなタイプがある?
見積管理システムには「オンプレミス・クラウド(SaaS)・パッケージソフト」などの種類があります。
オンプレミス型は自社サーバーを使用して、提供されている見積管理システムを使用するものです。導入する企業の使い勝手の良いようにカスタマイズを行うことができますが、ほかの2タイプと比べて導入費用が高く、サーバーの構築や保守・メンテナンスも必要です。
クラウド(SaaS)型はインターネット環境があれば、場所や時間を問わずに見積管理システムの利用が可能です。PCだけでなく、スマホやタブレットからも見積作成ができるため、出先で見積が必要になった際にも便利です。
サーバーはシステムを提供している会社のものを経由してアクセスします。
パッケージソフト型はパッケージとして販売されているソフトをダウンロード、インストールすることで見積管理システムを使うものです。既製品として組み込まれた機能のみしか使用できす、好きな機能をカスタマイズするなどの柔軟性はありません。
「見積管理システム」の選び方は?
見積管理システムを導入する際には、どのようにツールを選定すればよいのでしょうか。完結に申し上げると、「見積管理システムに期待すること」をベースにシステムを選ぶのがおすすめです。
提供している会社によって見積管理システムを使ってできることは異なります。見積の作成・管理のみができればOKという場合は低コストで導入できますし、プラスして在庫管理も行いたいという場合は、一体化しているシステムを選ぶと管理の手間やコストも軽減できます。
また実際に触ってみて、簡単に操作できるシステムを選ぶのも1つの手です。無料体験プランがあるシステムをいくつか利用して、気に入ったものを採用するという企業も多いようです。
「見積管理システム」比較検討時の注意点は?
あると便利な見積管理システムですが、比較検討を行う際はどういった点に気を付ければよいのでしょうか。見積管理システムを導入する際の注意点についてお話しします。
見積管理システムを比較する場合、次のポイントに着目しましょう。
システム導入検討時には「自社に合った見積作成機能があるか」や「他システムとの連携ができるか」というのは選定における重要なポイントです。
見積の作成方法は業界によって異なり、例えば建築業界なら案件の工程が変動すると料金が変動することも多いです。その際に過去に提出した見積を案件ベースで履歴として見ることができると便利ですよね。
こういった業界ごとに便利な機能が不随していることも多いので、自社の業界にマッチしている機能があるかという点を重視してシステムを選定するのも良いでしょう
既に使っているシステムがある場合には、システムの移行・連携ができるかどうかを導入前に確認しておきましょう。「システムの連携ができずにかえって手間になってしまった」ということもありますので、事前に注意が必要です。
主要な「見積管理システム」の一覧
「CLOUD PAPER」(株式会社SICシステム SIC System Co.,Ltd.)
おすすめ対象者
低コストで見積作成・管理を行いたい企業、インストール不要のクラウド型ツールを希望している企業、低コストでシステムを導入したい企業
主要機能
見積書の作成・郵送、請求書の作成、未入金確認、源泉所得税、発注管理状態の管理、売上レポート、クライアント管理、発注書・納品書・領収書の発行
特徴
クラウド型で簡単に導入できる
バックアップが不要なので、インターネット環境があればアクセス可能
最新機能や改善をリアルタイムに自動アップデート
承認機能があり、データ共有も可能
費用
料金プランは「ライト」、「スタンダード」、「プレミアム」、「エキスパート」の4タイプに分かれています。初月無料
ライト:月額料金1,000円、利用メンバー数1名、クライアント数30社まで、郵送料金1通180円、承認機能なし
スタンダード:月額料金3,000円、利用メンバー数3名、クライアント数無制限100社まで、郵送料金1通170円、承認機能あり
プレミアム:月額料金5,000円、利用メンバー数10名、クライアント数200社まで、郵送料金1通170円、承認機能あり
エキスパート:月額料金10,000円、利用メンバー数50名、クライアント数500社、郵送料金1通170円、承認機能あり
無料プラン
あり(60日間無料)
サポート
あり(リモートでバックオフィスをサポートする、クラウドアシスタントのサポートサービスもあります。※月額5万円/月20時間まで)
「アラジンオフィス」(株式会社アイル)
おすすめ対象者
見積作成・管理だけでなく、在庫管理や生産管理も求める企業、基本パッケージにプラスアルファでカスタマイズしたい企業
主要機能
見積管理システム、在庫管理システム、生産管理システム、輸入管理システム
特徴
導入実績5,000社以上の実績あり、ユーザーリピート率は98.3%と高水準
費用
初期費用などは導入するシステムによって変動するため、要問い合わせ。
無料プラン、無償トライアル
なし
サポート
あり (システム開発から運用・メンテナンスなどのアフターサポートまで、ワンストップで株式会社アイルが行っているので安心。)
チームでサポートを行っているので、対応履歴のデータベースやリモート操作対応などのサポートがあります。
「見積管理システム」導入のメリット、デメリット
見積管理システムを導入することで得られるメリット・デメリットについてお話しします。メリットとデメリットを知り、システム導入の判断材料にしてみてください。
見積管理システムを導入することで得られるメリットは次のようなことが挙げられます。
・見積が効率よく作成・管理できる
・ペーパーレス化で紛失のリスクが軽減
・システム上の承認で発行時間が短縮
・過去の見積や原価情報を把握しやすい
見積管理システムを導入することで、見積作成や管理がスムーズになります。
見積管理システムを導入していない会社なら、Excelのテンプレートなどで見積を作成して、製品や料金・個数を入力して作成します。紙ベースの見積りは紛失してしまうと新たに作成しなければなりませんし、見積りが複数になると管理も大変です。
社内で上司の承認を得る際にも、紙ベースだと手間がかかりますが、見積管理システムならアップロードされたデータを確認して承認ができるので、大幅に時間が短縮できます。
見積管理システム導入のデメリットは特にありませんが、強いて挙げるとすればコストが掛かるという点です。
ExcelがインストールされているPCやフリーソフトなどで見積りを作成すれば無料なので、見積を取り扱う機会が少ないという場合には、システムを導入する必要はあまりないかもしれません。
テレワークが進んでいる昨今、見積管理システムを導入すると業務の効率化がアップするので、導入を検討する企業が増えていますよ。