「e文書ソリューション」とは?
e文書ソリューションとは契約書や申込書、請求所・注文書・見積書などの国税書類や医療関係所瑠などの重要書類をシステムで電子化して保存するシステムのことを指します。
これまで紙で保管していた企業では紙データを紛失するリスクがなくなり、システムでデータを一括管理するので書類整理や検索が大幅に分かりやすくなります。
また、紙データの二重保管防止や保管スペースの削減にも繋がって、会計処理や税務申請時にもスムーズに申請を行うことが可能となり、作業の効率化もアップします。
「e文書ソリューション」にはどのようなタイプがある?
e文書ソリューションは多くのサービスが提供されており、主に「クラウド型・オンプレミス型・パッケージ型」の3タイプに分かれています。
クラウド型は既存のインターネット環境を利用してシステムにアクセスするタイプのことです。現在利用しているサーバーを利用するので、インターネットが使用できるエリアであれば場所や時間を気にすることなくシステムが利用できます。
e文書ソリューションの導入にあたって新しいサーバーの設置が不要なので、申し込みから利用開始までの期間が最短1日などで導入できるシステムも多く存在します。
リーズナブルな価格ですぐに導入できるので人気が高いクラウド型ですが、誰でもアクセスできるサーバーを経由してシステムを利用するため、外部からの不正アクセスを受けてしまう可能性があります。
会社の重要書類を保管するシステムですから、アクセス制限機能などのセキュリティ対策を行っているツールを選ぶことをオススメします。
オンプレミス型は自社専用のサーバーを経由してe文書ソリューションシステムを利用します。専用の回線なので外部からの攻撃を受けるリスクは低く、自由度の高いカスタマイズが可能なので、好みに合わせて機能の追加・修正ができます。
デメリットは利用できる場所に制限があり、初期費用としてサーバーの設定・構築費用がかかることです。オンプレミス型は社内以外でシステムを利用しない場合やVPN接続に対応している企業におすすめです。
パッケージ型はパッケージをそのまま買い取り、PCやドライブにソフトをダウンロードして利用するタイプです。
パッケージ型は市販目的で製造されているので、パッケージソフトに搭載されている機能からカスタマイズはできません。
料金はソフト代金として一括購入するため、月額利用料は不要です。求めている必要な機能が搭載されているのであれば、安価で購入できるのでお得だと言えるでしょう。
「e文書ソリューション」の選び方は?
e文書ソリューションを選ぶポイントは「保管できるデータ量」と「コストパフォーマンス」を軸として選ぶことをオススメします。
保管できるデータ量に制限があると、一定のデータ量を超えてしまうと保管できなくなってしまうため、どの程度の文書量が保管できるのかを確認しておく必要があります。
また保管データ量に比例して月額利用料が変動する場合もあるので、料金は一律かデータ量による変動制かを確認しておきましょう。
保管予定の文書量が多い場合は一律料金を、文書量が少ない場合はデータ量による変動料金を採用しているシステムを選ぶと高いコストパフォーマンスでシステムを利用できます。
「e文書ソリューション」比較検討時の注意点は?
e文書ソリューションの比較検討時の注意点は「セキュリティ対策」です。
重要な契約書や申込書のデータが漏洩してしまうと、企業の信用問題やコンプライアンス違反に繋がります。企業の重要な文書を保管するのですから、システム比較の際にはセキュリティ対策をしっかりと行っている提供会社を選ぶと良いでしょう。
二段階認証や不正アクセス対策など機能を設けているシステムの導入がオススメです。
主要な「e文書ソリューション」の一覧
「e-文書法ソリューション」(大塚商会)
おすすめ対象者
書類の整理整頓を行いたい企業、書類を保管する場所がない企業、文書をデータ化して業務効率を上げたい企業、導入時の手厚いサポートを求める企業
主要機能
データの保管、検索、タイムスタンプなど
特徴
文書の保管スペースが不要で保管コストが削減できる、バインダー整理などの保管のための作業時間を低減、取引先からの確認依頼にも電子化ですぐに対応できる、取引実績100万社以上
- 初期費用、月額費用、その他費用については要問合せ
- 無料プランなし、無償トライアルなし
- サポートあり(導入時の設定作業を代行、カスタマーサポート、トラブル対応など)
「CLOUD SIGN(クラウドサイン)」(製品提供会社名)
おすすめ対象者
安心のセキュリティ機能を求める企業、文書管理の業務を効率化させたい企業、
主要機能
契約締結、タイムスタンプ、契約書管理、対面申込み、アクセスコードによる2段階認証、承認権限設定、アクセス制限、SSO(シングルサインオン)、複数部署管理機能、登録制限、AIによる書類の自動入力、検索機能など
特徴
30万社以上の導入実績、電子署名法に準拠したクラウド型電子契約サービス
- Light:月額11,000円、月額固定費用、送信件数ごとの費用220円
- Corporate:月額30,800円、送信件数ごとの費用220円
- Enterprise:月額費用、送信件数ごとの費用は要問合せ
- 無料プランなし、無償トライアルあり(期間未記載)
- サポートあり(導入検討時の社内資料作成サポートから導入後の運用もサポート ※チャットサポート・課題解決セミナー・社内稟議資料・マニュアル案内など)
「PFU」(株式会社PFU)
おすすめ対象者
適切な文書管理を行いたい企業、問い合わせ対応の時間を削減したい企業、紙保管に関するコスト削減を目指す企業、
主要機能
文書の登録・管理・検索、
特徴
- 令和3年度電子帳簿保存法改正に対応、ステップアップ導入でのe-文書法対応も可能、書類の紛失リスク回避
- プランは3種類【営業業務支援パッケージ・旅費精算業務支援パッケージ・支払業務支援パッケージ】初期費用、月額費用、その他費用については非公開のため要問合せ
- 無料プランなし、無償トライアルなし
- サポートあり(e-文書の専門SEがワンストップでサポート、問い合わせ対応)
「e文書ソリューション」導入のメリット、デメリット
e文書ソリューションを導入するメリット・デメリットについてお話していきます。
e文書ソリューションを導入するメリットは次のようなものが挙げられます。
- 欲しい書類をどこからでも確認できる
- 書類をデータで保管するので管理が楽に
- 書類の保管スペースが不要になる
- 文書の劣化対策
文書を紙データで保管していると、年度や分類ごとにファイルでまとめられていても、欲しい文章を見つけるまでに時間がかかってしまいます。e文書ソリューションはデータをシステム上に保管するので、知りたいデータを検索するとすぐに目的の文書にたどり着けます。
文書を整理する際のファイリングの手間や書類の保管スペースが不要になるのも大きなメリットです。文書管理のために倉庫や保管スペースを借りている場合にはコストの削減も可能です。
また紙は劣化するため、長年保管していると紙が黄ばんだり、印字が薄くなってしまうこともあります。データ保管だとそのままの状態で保管できるため、文書の劣化対策ができます。e文書ソリューションを導入すると業務効率がアップするため、多くのメリットがあります。
e文書ソリューションを導入するデメリットは「情報漏洩のリスク」や「データが破損してしまう可能性がある」という点です。
e文書ソリューションは書類データをインターネット上に保管するので、情報漏洩のリスクが0%という訳ではありません。
提供されているe文書ソリューションシステムは、システム内でセキュリティ対策を行っているものばかりなので、安全性は高いと言えます。しかし、外部からの不正アクセスや攻撃を受けてしまうと、データの情報が漏れてしまう可能性があります。
またシステム上のエラーで保管していたデータが破損してしまう可能性もゼロではありません。万が一のことも考えて、バックアップ機能やデータの復元機能のあるシステムを選びましょう。