「オンラインストレージ」とは?
オンラインストレージとは、インターネット上にデータを保管するサービスのことを指します。日常生活で多くの方が利用しているiPhoneのクラウドストレージサービスをイメージしていただくと分かりやすいでしょう。
オンラインストレージを行わずにデータを保管する場合はスマホやPC内のデバイスにデータを保管しますが、デバイス上では容量の上限があるため、保管できるデータ量に制限がでてしまいます。
オンラインストレージサービスを利用すると、提供会社が提供しているインターネット上のサーバーのデータを保存するので容量の大きいデータも気軽に保存・共有することができます。
仕事で大きなデータを共有する時に、メールで資料を添付してしまってはPC上の容量が圧迫されてしまうので、オンラインストレージを利用するという方も多いようです。
「オンラインストレージ」にはどのようなタイプがある?
オンラインストレージは大きく2つのタイプに分かれており、「クラウド型」と「オンプレミス型」が提供されています。
この2つはツールを利用するためにアクセスするサーバーに違いがあり、この違いが運用する上で非常に重要なポイントとなるため導入の際には注意が必要です。
クラウド型は普段利用している既存のサーバー(ツールの提供会社が提供しているサーバー)を使ってツールにアクセスします。インターネットに接続できる環境があれば、時間や場所に左右されることなくシステムを利用できるのが特徴です。
そのため、クラウド型はオンプレミス型と比較すると申し込みを開始してから導入するまでの期間が短く、月額利用料を支払うだけで最短即日導入ができるツールも存在します。
クラウド型のデメリットは「セキュリティ」と「カスタマイズ」の2点が挙げられます。
いわば誰でもアクセス可能なサーバーを利用しているので、外部からのサイバー攻撃を受けるリスクがあります。しかし提供会社がツールにセキュリティ機能を搭載することでカバーしています。
カスタマイズ面では共有サーバーを利用しているから、特定の企業向けにツールの機能を修正・追加などカスタイマイズに制限があります。
オンプレミス型は新しく自社専用のサーバーを利用してツールを利用します。新しくサーバーを用意する必要があるので初期費用が発生しますが、自社の回線を使ってアクセスしなければツールを利用できないので、高いセキュリティ機能が期待できます。
しかし、社内のサーバーが繋がる範囲内でしかツールが利用できないというデメリットがありますが、VPNなどの外部からでもアクセスできるようになる手段を用意することでその問題は解決できます。
提供されているツールにパージョンアップ版がリリースされた際には更新作業などを行う必要があり、自社で管理しなければなりません。システム構築に詳しい従業員がいなければ、満足度の高い運用はできない可能性が高いです。
「オンラインストレージ」の選び方は?
オンラインストレージを選定する際のポイントは「保存できるデータ容量」や「コストパフォーマンス」を軸にして選ぶと良いでしょう。
オンラインストレージを導入する目的は大容量のデータを保管したいという企業が多いので、データ容量が足りなくなってしまっては意味がありません。
利用するユーザー数から想定される容量を把握しておき、後から容量を追加できるかなどを確認しておくことが重要なポイントです。
またコスト面では、提供会社によって定額制のツールやデータ量による料金変動制などさまざまなツールが提供されています。定額制と料金変動制のどちらが企業に適しているかを把握し、コスパよくツールを利用しましょう。
「オンラインストレージ」比較検討時の注意点は?
オンラインストレージを比較検討する際は、セキュリティ対策が整っているサービスであるかという点に注意しましょう。
オンラインストレージは企業の重要なデータを保管する訳ですから、機密情報が漏れてしまっては社会的信用を損失してしまうリスクがあります。
最近ではテレワークが増えていることにより、これまでと比べて情報セキュリティを強化している提供会社もありますので、ツールを選定する際にはセキュリティ面をしっかりと確認しておくことがおすすめです。
主要な「オンラインストレージ」の一覧
「Bizストレージファイルシェア」(エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社)
おすすめ対象者
大容量のデータを保管したい方、豊富なセキュリティ機能を求める方、安定したサービスを利用したい方
主要機能
ファイル送受信、共有フォルダ、アクセス権限、上長承認、システム管理
特徴
大容量ファイルや機密情報をやり取りできる、定額制で分かりやすい料金プラン、手厚い導入サポート
- 1GByte(1,000ユーザーまで)初期設定費用22,000円、月額基本料金16,500円
- 2GByte(2,000ユーザーまで)初期設定費用22,000円、月額基本料金28,600円
- 10GByte(10,000 ユーザーまで)初期設定費用22,000円 、月額基本料金71,500円
- 100GByte(10,000ユーザーまで)初期設定費用22,000円、月額基本料金104,500円
- 500GByte(10,000ユーザーまで)初期設定費用22,000円、月額基本料金165,000円
- 1TByte(10,000ユーザーまで)初期設定費用22,000円、月額基本料金22,000円
・無料プランなし、無償トライアルあり(14日間)
・サポートあり(無料電話サポート、メールサポート、問合せ窓口など)
「DirectCloud-BOX」(株式会社ダイレクトクラウド)
おすすめ対象者
テレワークの導入を進めたい企業、高いセキュリティ機能を求める企業、ファイルサーバーをクラウド化したい企業
主要機能
データ管理、ユーザー登録/利用権限管理、データ共有管理
特徴
セキュアなAWS環境で安全なサービスを提供、不正アクセスや情報漏洩からデータを守る、業務負荷を軽減する管理者機能
【NAS・ファイルサーバーのクラウド移行】
- ビジネス:月額90,000円、ストレージ容量3TB
- プレミアム:月額180,000円、ストレージ容量10TB
- エンタープライズ:月額300,000円、ストレージ容量30TB
【ファイル共有・共同作業】
- スタンダード:月額30,000円、ストレージ容量500GB
- アドバンス:月額50,000円、ストレージ容量1TB
・無料プランなし、無償トライアルあり(30日間)
・サポートあり(ヘルプデスク、問合せ窓口)
「オンラインストレージ」導入のメリット、デメリット
オンラインストレージを導入するメリット・デメリットについてお話ししていきます。
オンラインストレージを導入するメリットは次のようなものが挙げられます。
- 膨大なデータを保管できる
- データの共有がスムーズ
- 業務の効率化
オンラインストレージはクラウド上にデータを保管できるので大切なデータを簡単に取り出し、プロジェクトメンバーなどにすぐに共有ができます。
メールでファイルを送信するとアップロードやダウンロードに時間がかかってしまい、タイムロスしてしまいます。オンラインストレージを利用するとスムーズにデータ共有が行えるので、業務の効率化も期待できます。
オンラインストレージを導入するデメリットは「情報漏洩のリスクがある」という点です。
こちらはオンラインストレージ比較検討時の注意点でもお話しましたが、個人や企業の機密データをオンライン上にアップする訳ですから、そのデータが外部に洩れてしまうと大問題となります。
デメリットとなる情報漏洩のリスクを防ぐためには、ハイスペックなセキュリティ機能が搭載されているオンラインストレージツールを導入することでリスクヘッジできます。
企業の大切な機密情報を守るため、オンラインストレージツールを利用する際にはセキュリティ機能の高いツールを選ぶようにしましょう。