VOC管理システムの比較(顧客の声管理)

「VOC(顧客の声)管理システム」とは?

VOC(顧客の声)管理システムのVOCとは「Voice of Customer」の略で、その名の通りお客様の声を管理するシステムです。

VOC管理システムの導入の目的は、VOCの情報を活かして商品やサービスの改善を行うことで質を上げて顧客満足度を向上させることです。そして企業の成長や業績アップにも繋がります。

「VOC(顧客の声)管理システム」にはどのようなタイプがある?

VOC(顧客の声)管理システムには「クラウド・オンプレミス」の2つのタイプが提供されています。

クラウド型は既存のサーバーを利用するのでインターネットが繋がっている環境であれば、月額利用料を支払うことで24時間どこからでもシステムの利用が可能なタイプです。

オンプレミス型は自社専用のサーバーを利用してシステムにアクセスするので、導入時には新しくサーバーの構築を行う必要があります。そのためクラウド型と比べて導入までに時間がかかりますが、自由度の高いカスタマイズが実現できるメリットがあります。

それぞれの違いを簡単にまとめるとクラウド型は初期費用を抑えてスピーディーな導入ができますが、カスタマイズに制限があり、外部からの不正アクセスなどで攻撃を受けてしまうリスクがあります。

一方、オンプレミス型はサーバーの構築・運用費が必要なため初期費用が高くなる傾向にあり、サーバー設置などに時間を要するため導入までに時間がかかってしまいます。

しかし自社内のネットワーク環境下で運用しているため、システムの機能追加や修正などのカスタマイズを自由に行うことができ、不正アクセスを受けにくいため高いセキュリティレベルでの利用が可能です。

運用タイプによって適した活用方法が異なるので、企業に合った運用タイプを選ぶことは導入時の大切なポイントと言えるでしょう。

「VOC(顧客の声)管理システム」の選び方は?

VOC(顧客の声)管理システムを選ぶ際には「提供タイプ」と「VOCの集計方法」を軸にしてVOC管理システムを選びましょう。

提供タイプは前述でお伝えした通り、企業の理想とする使い方によって適切な提供タイプが異なり、選定時の重要なポイントとなります。

例えばテレワークを導入しているが、VPN接続の準備ができていない場合にオンプレミス型のVOC管理システムを導入してしまうと専用のサーバーにアクセスすることができません。

場所を問わずに利用したい場合にはクラウド型のシステムが適しており、このようにまずはタイプを選定してから機能面を選ぶと良いでしょう。

次にVOCの集計方法です。VOCのもととなるものはアンケート調査やコールログなど企業によって異なります。集計したいデータとシステムの集計できるデータが対応していなければ、せっかく導入しても上手く活用することは難しくなります。

これからVOC管理システムの導入を検討される方は「提供タイプ」と「VOCの集計方法」に着目してシステムを選びましょう。

「VOC(顧客の声)管理システム」比較検討時の注意点は?

いくつかのVOC(顧客の声)管理システムを比較検討する際には「VOCの情報が分かりやすく管理されているか」に注意してシステムを選びましょう。

VOC管理システムでは、膨大な量のVOC情報をシステム内に蓄積します。データが毎日増えていく訳ですから、その情報が分かりにくければ上手くデータを集計することができず、顧客満足度の向上に繋がりません。

各所に散らばっている顧客の声をVOC管理システムで有益な情報として集約できるよう、情報が分かりやすく管理できるシステムを選びましょう、使用感はデモ画面や無料お試し体験などで確認することをオススメします。

主要な「VOC(顧客の声)管理システム」の一覧

「楽テル」(株式会社ラクス)

おすすめ対象者

VOC分析・クレーム集計を簡単に行いたい方、顧客満足度向上のための改善点を見つけたい企業、業務の効率化を行いたい方、

主要機能

VR(自動音声応答)、全通話録音機能、ACD(自動着信振り分け)、オートコール・プレディクティブコール、モニタリング・アドバイス、文字起こし機能

特徴

クリックのみで簡単集計、過去の対応履歴を素早く検索、入力しやすい画面にカスタマイズ可能、テレワーク・他拠点との情報共有

費用

初期費用150,000円~、月額費用70,000円~、各CTIシステム費用(月額費用は、ご利用ユーザ数やデータベース作成数に応じて変動。金額詳細は要問合せ。)

無料プラン

なし、無償トライアルあり(期間不明)

サポート

あり(お電話・メールでのサポート、サポートセミナー、学習ツール・動画マニュアル、サポートサイト・FAQサイト)

「見える化エンジン」(株式会社プラスアルファ・コンサルティング)

おすすめ対象者

消費者の声を把握したい企業、注目ワードなどの分析も行いたい企業、新商品開発を行いたい企業

主要機能

VOCの情報取得・リサーチ、顧客満足(CS・ロイヤリティ)の分析、共有・改善

特徴

1,600社以上で導入、SNSの声を活用、コールログを活用、顧客の声を可視化する30種以上のアウトプット、全社レベルでの自律的な顧客の声活用を支援

費用

「見える化エンジン基本プラン」または「見える化エンジン+コンサルティングプラン」の2タイプ。初期費用、月額費用、その他費用については要問合せ

無料プラン

なし、無償トライアルなし

サポート

あり(支援概要・分析操作、分析のコツや方向性などのアドバイス、オンラインサポート)

「qualtrics(クアルトリクス」」(クアルトリクス合同会社 / Qualtrics Japan LLC)

おすすめ対象者

顧客行動を分析し理解したい企業、売上に影響を与える顧客分析を行いたい方、導入後すぐに利用したい方

主要機能

VOC管理、データの収集・分析・レポート、マーケティング・ブランド調査

特徴

主要な顧客体験や業務目標の進行状況を把握、問題点の特定、顧客満足を向上させる主要原因を特定、リアルタイムなKPIでチームを指導、顧客行動を予測・分析して顧客のロイヤルティを向上

費用

初期費用、月額費用、その他費用については要問合せ

無料プラン

なし、無償トライアルあり(全アンケートで回答は100件まで)

サポート

あり(問合せ窓口、サポートチケット、オンラインヘルプ)

「VOC(顧客の声)管理システム」導入のメリット、デメリット

VOC(顧客の声)管理システムを導入するメリット・デメリットについてお話ししていきます。

VOC(顧客の声)管理システムを導入するメリットは次のようなものが挙げられます。

・顧客満足度の向上が図れる

・企業としての課題・問題点を発見できる

・業務の効率化ができる

VOC管理システムを導入すると、消費者から寄せられる声の中で企業が改善すべき点が発見できます。またそのなかでも数の多い意見であれば早急に改善すべきなど、問題解決のための優先順位を付けることも可能となります。

サービスを提供している企業であれば、お客様から寄せられた意見に沿うことで、クレームとなる原因を事前に潰すこともできます。さらにVOC管理システムで自動的にデータ化されることで人為的な入力作業を無くし、業務効率もアップします。

VOC(顧客の声)管理システムを導入するデメリットは「費用対効果が分かりにくい」と言う点です。

VOC管理システムを活用して顧客の声を集計すると商品やサービスの改良・改善ができますが、その情報が実際にいくらの利益を生み出したかを明確に判断することは難しいです。

VOCの意見を元に商品開発を行い、途中でほかのアイデアを加えるなどVOCを活用した情報と組み合わせた場合は特に難しいです。実際にシステム導入後の効果を数値で表しにくいことがデメリットと言えるでしょう。


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