「労務管理システム」とは?
労務管理システムとは従業員の勤務に関する情報を管理して、紙媒体の面倒な作業を効率化するシステムのことです。
システムを導入しないと社員一人一人の勤務状況などの情報をアナログで集めないといけません。
社会保険や労働保険などの申請手続きの面倒な処理をシステムで補ってくれるので、経理の仕事を助けてくれます。サービスによっては入社や退社の管理や年末調整などもできます。
勤務管理システムの選び方やどんなシステムがあるのかを紹介していきます。
「労務管理システム」にはどのようなタイプがある?
特定の機能のみ使えるシステムと、複数の機能を使えるシステムがあります。
会社によって必要となる業務は変わるので、全てのシステムが会社に必要なわけではありません。
既に導入している勤務管理システムがあり、事業拡大などで新しい管理が必要となった場合などは部分的な機能があるシステムを導入すれば事足りるでしょう。
アプリで操作できるタイプの勤務管理システムもあります。アプリならば外出中や出張先などさまざまな状況に対応できます。各社員が自分のタイミングで勤務状況を報告できるので、フレックス制度などそれぞれの働く時間が違う場合でも対応できます。
「労務管理システム」の選び方は?
複数の企業が勤務管理システムをリリースしているので、どのサービスを選んでいいか迷ってしまうかもしれません。ここからは勤務管理システムの選び方についていくつか紹介していきます。
導入社数など実績で選ぶ
サービスの紹介サイトを見ると○○社導入などこれまでの実績を表記している場合があります。これまでの実績を重視するならば導入社数などをチェックしましょう。
また導入済みの会社名なども表記しているならば、その会社と自社の業態が近いかどうかもチェックすると良いでしょう。業態が近いならば自社でもサービスを利用できる可能性が高いです。
使いやすさで選ぶ
操作性についてチェックしましょう。サービスによってはデモ画面など、どう操作するのかが表記されている場合があります。社員全員が利用するならば自社の社員が使えるかどうかなど、一度相談することができます。
また扱いにくいサービスを選んでしまうと余計な時間がかかってしまいます。
機能で選ぶ
どのような機能があり、どんな業務に対応できるかをチェックしましょう。
年末調整・入退社管理・保険に関する申請・従業員の情報管理など勤務管理システムでできることはさまざまです。自社にとってどんな機能が必要かをリストアップして、当てはまるサービスを選びましょう。
無料お試し期間の有無で選ぶ
サービスによっては一定期間無料で使用できるプランがあります。サービスを導入してみたものの、使いにくいや自社の業態に合っていないなどのトラブルを防ぎます。
まずはお試しで使用してみて、機能や操作性など問題なければ導入という流れが理想的でしょう。
クラウド管理の有無で選ぶ
近年ではデータをクラウドで管理するサービスが増えてきています。クラウドにデータを保存できれば、異なるデバイスでもデータの管理ができるので、複数の営業所がある場合に適しています。また出張先などで管理データを操作することも可能です。
月額費で選ぶ
月額費がいくらかはとても重要です。サービスによって人数で料金が変わる場合があります。
他システムとの連携
他のシステムと連携できるサービスもあります。給与計算や勤怠管理などのシステムと連携できると、業務効率化ができます。
「労務管理システム」比較検討時の注意点は?
勤務管理システムの比較検討する際に注意するべきポイントを紹介します。
会社の規模や業務に合っているか
勤務管理システムが自社の業務に適しているかどうかは要確認です。社員数など規模によっても利用するべきサービスは変わってきます。
継続して使用できるか
勤務管理は必要不可欠な業務なので、使い続けられるかは重要です。サービスの操作性も重要ですし、データの管理方法や連携できるシステムなどもチェックしましょう。
社員全員が使えるか
社員全員が自分の勤務状況を報告するタイプのサービスならば、事前に社員全員に問題ないか確認を取りましょう。もし導入後に問題が発生すると余計な手間やお金がかかってしまいます。
会社の関係各所に対応できるか
会社には労務士など勤務関係の仕事を依頼する場合があります。そういった関係各所にもサービスを利用して対応できるか事前に確認しましょう。
主要な「労務管理システム」の一覧
「SmartHR」(SmartHR)
おすすめ対象者
労務や業務状況を図式化して確認したい方
主要機能
人事情報の管理・組織図・入退社手続き・年末調整・明細の発行・ToDoリスト
特徴
労務関係のデータを図式化して情報共有できます。勤怠管理や給与計算ソフトと連携できるので、多くの業務を効率的に進められます。登録社数は3万以上で実績も十分です。
費用
初期費用、月額費用、その他費用(複数プランある場合、それぞれ)
スモールプラン・スタンダードプラン・プロフェッショナルプランの3つがあります。
それぞれ細かい機能のカスタマイズが可能で同じプランでも追加する機能によって料金は変わります。
無料プラン、無償トライアルの有無
15日間の無料トライアルがあります。
サポートの有無
無し
「楽楽労務」(株式会社ラクス)
おすすめ対象者
大規模展開している企業の経理
主要機能
入社状況の管理・書類の自動作成・進捗管理・オンライン申請
特徴
従業員それぞれがメールを送ることでデータが更新されて、従業員の情報を一括で管理できます。
労務手続きについてのチェックリストを作成できるので、手順を追いながらスムーズに作業を進められます。
費用
初期費用、月額費用、その他費用(複数プランある場合、それぞれ)
基本プランで月額費3万円からになります。
50人までは3万円です。以降50人単位で1万円ごと上乗せする料金体系です。
無料プラン、無償トライアルの有無
無し
サポートの有無
導入前に営業担当が他社サービスとの違いなど説明します。導入後の疑問点などはサポートスタッフが無料で対応します。
「人事労務freee」(freee株式会社)
おすすめ対象者
起業して社員数がまだ少ない会社
主要機能
記帳作業の自動化・請求書作成・給与計算・勤怠管理・クラウド管理・年末調整
特徴
社員数に合わせて細かく機能の調整が可能です。スタートアップなど少人数から導入可能で、社員の増加に合わせて必要な機能をカスタマイズできます。
費用
初期費用、月額費用、その他費用(複数プランある場合、それぞれ)
ミニマムプランは月額1980円で小規模の利用に適しています。
ベーシックプランは月額3980円で従業員が5人を超えている場合に適しています。
プロフェッショナルプランは月額8080円で従業員50人以下に適しています。
エンタープライズプランは月額費が応相談で従業員50人以上に適しています。
無料プラン、無償トライアルの有無
ミニマムプランとベーシックプランは30日間の無料トライアルがあります。
サポートの有無
疑問点があればチャットやメールで対応します。
「労務管理システム」導入のメリット、デメリット
まずはメリットについて紹介します。
- 紙媒体と比べて時間と手間を軽減できる
社員のデータを一括で管理できるので、労務に関する作業時間や手間を軽減できます。社員数が多くて手作業では時間がかかってしまうならば、労務管理システムを導入すると良いでしょう。
- 関係各所へ提出する書類作成が楽にできる
労務関係の書類を労務士などに提出する際に、労務管理システムを導入していれば簡単書類を作成できます。
ここからはデメリットを紹介します。
- 従業員への共有が必要となる 従業員全員が自分の勤務状況を報告するサービスの場合、システムの操作方法を全員に共有する必要があります。