「EDIツール」とは?
「EDIツール」(Electronic Data Interchange)とは、企業間取引で行われるビジネス文書の交換を電子化した仕組みを言います。FAXや郵送・電話などを使って行われていた膨大な紙の帳票がデータ化され、発注・受注、請求・支払い、見積もり、出荷・納品などが電子自動化されることで、業務効率化とコスト削減、そしてビジネスチャンスの広がりに繋がります。取引規模が大きくなった企業間では欠かせないシステムとなり、導入する企業が増えています。また、2024年にISDNのサービス提供が終了することに向けて既存のシステムからインターネットEDIの移行が進んでいます。
「EDIツール」にはどのようなタイプがある?
電話回線利用のEDI
電話回線を利用し専用システムをインストールして使用するEDIです。電話回線に専用機器を接続し、取引先企業とデータ交換を行うことができます。
電話回線利用のEDIは、通信コストがかかることや、取引先ごとに異なるソフトウェアを使う必要があるため作業の処理能力に問題があります。また、NTTが2020年に固定電話回線の随時廃止を決定したことによって、今まで電話回線利用で作業を行っていた企業ではインターネット回線利用のWEB-EDIへ切り替える必要があります。
WEB-EDI(インターネット回線利用)
WEB-EDIとは、インターネット回線を利用したブラウザベースのEDIです。固定電話回線を利用したシステムは今後、インターネット回線経由でのやり取りに代わり、主流となっていくでしょう。WEB-EDIは、パソコンに専用ソフトをインストールする必要はなく、クラウド上で一括管理できるようになります。パソコンとネット環境があればすぐに導入可能なWEB-EDIは、低コストで作業効率化に繋がるシステムとなります。
WEB-EDIの構築においては、業界別にWeb-EDIガイドラインが策定されています。WEB-EDI利用者はEDI環境整備のためにガイドラインを参考にすることが推奨されています。
【Web-EDIガイドライン】↓
流通BMS(流通業界)/JEITA ECセンター(IT業界)/JPCA‐BP(石油化学業界)/物流EDIセンター(物流業界)/JAMA・JAPIA(自動車業界)/
「EDIツール」の選び方は?
・新しく「EDIツール」を導入する企業では、ビジネスツール全般がインターネット回線を利用したクラウド管理型のツールに統一されていく動向に合わせて、WEB-EDIを選択することをお勧めします。
・EDIツールは、毎日の業務で頻繁に使用するため、簡単に操作できるシステムを導入すると良いでしょう。
・安全に受送信できる環境を構築するために、セキュリティ対策の整ったサービスを選びましょう。
「EDIツール」比較検討時の注意点は?
・取引先との連携が必要となるため、扱っているEDIツールとの互換性を確認しましょう。
・トラブル対処策としてサポート体制の整ったシステムを導入しましょう。
・低コストと品質のバランスを考えてサービスを選びましょう。
・サービス提供会社の導入実績などを参考に、似通った業界でのケースを確認すると良いでしょう。
・オンプレミス型かクラウド型か自社業務に合うシステムを選択をしましょう。
主要な「EDIツール」の一覧
「MCS/マルチ・コネクション・サービス」(株式会社東計電算)
https://www.toukei.co.jp/service/cloud_service/centaer_servicw
おすすめ対象者
得意先とEDIシステムを安価かつ迅速に構築したい企業
主要機能
Webと紙出しを同時に利用できるデータセンターのワンストップサービス
特徴
投資コストの大幅ダウン/業務効率・作業精度が大幅にアップ/万全のセキュリティ
費用
問い合わせ
サポート
24時間365日対応が可能
「スマクラ」(SCSK株式会社)
https://www.scsk.jp/product/common/smcl/index.html
おすすめ対象者
ビジネス環境の変化に対応したい全業界向け
主要機能
マルチプロトコル/マルチフォーマット/SCSK商材・パッケージ/クラウド環境/業界標準フォーマット/
特徴
年間数10兆円を超える商取引情報を支え続けるEDIシステム連携基盤サービス
費用
問い合わせ
サポート
イベント・セミナーなどの開催
「OpenText B2B Managed Services」(オープンテキスト株式会社)
https://www.opentext.jp/products-and-solutions/products/business-network/b2b-managed-services
おすすめ対象者
IT支援チームの構築を推進している企業
主要機能
可視性と警告表示/データ交換プロセスの流れを自動監視/継続的な取引パートナー管理機能
特徴
B2Bシステム管理/B2Bプログラム管理/EDI と ERP の統合
費用
問い合わせ
サポート
24時間体制サポートサービス/注文から現金化に至るまでの全プロセスをサポート
「受発注クラウドサービス」(富士通コワーコ株式会社)
https://www.fujitsu.com/jp/group/coworco/solutions/procure/function.html
おすすめ対象者
オフィス用品や備品などの購買をクラウドサービスで一元化したい企業
主要機能
ワークフロー機能/専用カタログ機能/マイカタログ機能/予算管理機能/管理項目機能/検収入力/伝票照会機能/管理者機能/独自企業ポータル/
特徴
調達費用や業務費用を削減するサービス/業務工数の削減を実行
費用
問い合わせ
サポート
支出削減を実現するコンサルティングサービス
「EdiGate/POST」(大興電子通信株式会社)
https://www.daikodenshi.jp/solution/edigatepost/
おすすめ対象者
帳票業務のWEB化推進の企業
主要機能
帳票作成/配付方法の選択/配付状況の確認/納期回答照会/グループ機能/マスタ管理/掲示板/操作履歴/お知らせ通知メール/データアップロード/ダウンロード
特徴
購買コストを大幅に削減/リードタイムを短縮/トレーサビリティをいつでも確認/帳票データの自動配信/セキュアにデータ交換/簡単操作
費用
問い合わせ
「JFT/SaaS」(株式会社TOKAIコミュニケーションズ)
おすすめ対象者
法人向けの様々な対外データ交換機能をサービス
主要機能
通信機能/通信管理機能/データ管理機能/ユーザインターフェース機能
特徴
パブリック型の24時間365日ワンストップサービス/
費用
基本設定120,000円/
月額、通信処理数の制限(1¥ヵ月あたり)~1,000~5,000/
通信機能(1手順あたり)30,000~90,000円/
データ変換機能30,000~90,000円
サポート
24時間365日のサービス提供
「PROCURESUITE/プロキュアスイート」(大興電子通信株式会社)
https://www.daikodenshi.jp/solution/procuresuite/
おすすめ対象者
購買業務
主要機能
ユーザビリティに優れた画面デザイン/会計連携」「予算管理」など豊富なオプション・テンプレート/購買情報の一元化と可視化
特徴
見積~検収までの一連の購買業務プロセスを実現///購買業務のコンプライアンス(遵法)強化/本社、各事業部、各工場でシステムを利用可能/間接材購買支援/カタログサイトとの連携
費用
問い合わせ
「らくうけーる」(JFEエンジニアリング株式会社)
おすすめ対象者
生鮮業向け
主要機能
生鮮品向け機能/非生鮮向け機能
特徴
クラウド利用の受発注管理で業務を効率化/販売管理システムとの連携が可能/既存のパソコン、タブレットも利用が可能/安価な月額料金で最新のシステムを提供
費用
月額20,000円/月額2,000円・ID/
ID×99個までの場合 月額600円・ID
ID×100個以上の場合 月額100円・ID
「EDIツール」導入のメリット、デメリット
メリット
・データでのやりとりは、郵送やFAXでの作業よりも効率的で、紙の書類をファイリングする手間や収納場所が要らなくなるなど、作業効率を高めることができるようになります。
・FAXや郵送、電話などでの発注業務をペーパーレス化することができます。
・データが自動更新、自動処理されることで、人的ミスの減り、手作業によるヒューマンエラーが軽減されます。
・「EDIツール」導入による作業の効率化は、BtoB取引において信頼度を高めビジネスチャンスに繋がるメリットを生み出します。
・コロナ禍や働き方改革によってリモートワークに対応できる受注業務が可能となります。
デメリット
・企業取引の規模などや、電子化できないケースがある場合は、紙の帳票が残る可能性もあります。
・企業間取引が少ない企業に関しては、EDIツールの導入が適切であるか検討する必要があります。