コーチングとは
コーチングの起源
馬車を意味する「Coach」が語源
「Coach」の期限は1500年代とされています。
コーチという言葉は、馬車のことを指しており、馬車は人を目的地へと運ぶ乗り物です。
「コーチ」の意味は「大切な人をその人が望む場所まで送り届ける」でした。
目標に向かってサポート
人の望む場所まで送り届ける➡支援する
時を経て「人の目標達成をサポート(支援)する」との意味で使われるようになりました。
1950年代になってからビジネスシーンで使われ始めたとされています。
コーチングとカウンセリングの違い
コーチングとカウンセリングの違いには以下の点があります。
コーチとクライアント(カウンセリングを受ける人)の関係から見てみましょう。
カウンセリングは過去と向き合う
カウンセリングの狙いですが、通常のこころの位置を【ゼロ】とすれば【マイナス】位置のこころをもとの位置へと戻すことです。
つまり現在の状態から原因を探して【過去】と向き合いアプローチします。
コーチングは未来志向
カウンセリングに対してコーチングの狙いは、クライアントのなりたい姿を求めて【ゼロ】を【プラス】へと導いてあげることです。
現在の状態から理想の【未来】へと支援するのが狙いとなります。
コーチングの効果
次にコーチングの効果について見てゆきましょう。
対象者の行動に変化をもたらす
コーチングはクライアント自らの行動・思考に変化を促すことが出来ます。
目標達成に向けて意欲的になる
クライアントは「自分が何を考えているのか」または「どんな成長をしてゆきたいか」に気づくことが可能になります。
これにより自分発のアクションを起こして、意欲的になってゆきます。
自主性も向上する
自分から思考すれば、自然と自分発で行動するようになります。
自主性を育むのがコーチングの主な狙いとなるのです。
信頼関係の構築
コーチとクライアントの信頼も重要なポイントです。
上司と部下の対話が円滑になる
いくら上司と部下の間でコーチング関係があっても、そこに信頼がなければ効果は表れにくいでしょう。
お互いに相手を信じて活動することが軸になります。
信頼が生まれると、お互いにやり取りしやすくなり、対話も自然と生まれるでしょう。
部下の成長を促す効果も
上司が「○○だから●●すれば」と部下に指示することは良いコーチングではありません。
目的はあくまで対話を通して「課題や解決策に気づく」ようにしてあげることです。
コミュニケーションの活性化
上司と部下の信頼が生まれれば、その他にもメリットが生まれてきます。
社内の意見交換が円滑になる
コーチングを受けている当事者だけでなく、社内でも良い影響が生まれます。
コミュニケーションが取りやすくなれば、社内の意見交換も円滑になるでしょう。
そして社内全体に波及してゆけば、コーチングもまた順調になります。
組織の生産性も向上
社内のコミュニケーションが円滑になれば、当然チームや組織の生産性も
向上します。
小さな行動(上司と部下の活動)から組織全体へ伝わってゆけば、計り知れない影響をもたらすかもしれません。
コーチングのデメリット
そんなコーチングにもデメリットは存在します。
解説してゆきましょう。
コーチの能力の限界
コーチによって効果が違う
コーチングが良い結果を出せるかどうかは、コーチの腕次第です。
コーチの腕が良くなければ、望む結果は出せません。
つまり結果を求めるならば、能力の高いコーチを選ぶのがポイントです。
一度に多くの対象者を相手にできない
コーチングは1対1のコミュニケーションでおこなうもの。
よって大人数を相手にするのは不可能です。
コーチングが非効率と言われるのはこのためです。
コーチングのリスク
成果が出るまでには時間がかかる
またコーチングは、クライアントの行動を少しずつ変えてゆくものです。
なのでどうしても時間はかかり、この点もデメリットの一つに挙げられます。
コーチとの相性で逆効果となる場合も
仮にコーチの能力が優れていても、クライアントとの【相性】が良くなければ良い結果は生まれないでしょう。
コーチの能力のみだけでなく、相性からくるお互いの【信頼】が生まれるかがポイントになります。
コーチングに必要なスキル
傾聴
傾聴のポイントは【相手を深く理解してしっかりと相手の話を聞くこと】。
対象者の声に耳を傾ける
対象者の声をしっかりと聞くのは当然ですが、相手を受け入れること【受容】や、相手の話に【共感】することも必要です。
アクティブリスニング
アクティブリスニングとは、相手の話し方・仕草や表情、姿勢を観察することです。コーチには相手の話す内容だけでなく、その動き全てに気配りをすることが求められるのです。
承認
承認のポイントは【相手の変化・成長に気が付いて相手に伝えること】。
成果だけではなくプロセスを認める
相手の成長した部分だけではなく、そこに至る過程【プロセス】を褒めることが大切です。
どの部分が成長したのか、よかったのか。
素早く、具体的に、一貫性をもって褒めるのがポイントです。
やる気や自主性を育む
いずれは褒める回数を徐々に減らしてゆき、ここぞのポイントで褒めるようにするのも大切です。
より効果的なコーチングになり、クライアントのモチベーションも上がり、自主性も高まるようになるでしょう。
質問
質問のポイントは【相手に考えさせて成長する機会を与えること】。
対象者の考える力を伸ばす
仮に相手が失敗をした際のケースを例えると
「なぜ失敗したか?」を問うのではなく
「失敗した要因は?」「次に失敗しないためにどうする?」
など相手が客観的にとらえて分析する方向へと導くことが求められます。
気付きを促す質問をする
あとは質問しすぎないことも大切です。
質問が多すぎると相手が疲れて答えられなくなる恐れがあります。
相手が気づきを得ることをサポートするように質問してあげましょう。
コーチングが効果的なケース
以下の3つの場合は、コーチングが効果的なケースになります。
①知識が成果に結びついていない
必要な知識や能力はあっても成果が出ていない場合が該当します。
モチベーションの低下が一因
せっかくできる力があっても、本人に「モチベーション」が起きない場合です。
この際はコーチングで本人のやる気を出してあげれば良い方向へと向かいます。
気持ちを前向きにさせる
本人に自信を起させて、「あなたはできるのだ」と信じさせるのが大切です。
②労力が成果に結びついていない
時間と労力は費やしているが、結果が出ない時。
または本人の行動に変化が見えない時はコーチングが効果的です。
自主性の不足が一因
例えば本人が会社や上司に「させられている」ならばコーチングは効果的です。
自分で考えて行動せず、仕方なく行動しているのが要因になります。
受け身姿勢を変える
指示されるままの「受け身」ではなく「自発的」に行動するサポートをしてあげること。コーチングは、本人自らの行動を促すのがポイントです。
③自信を失っている
本人が自信を持てなくなっている際も、コーチングは有効です。
次の行動に進めなくなっている
自分がどのように行動すればよいか、何をすればよいかを気づかせるサポートはコーチングの基本となります。
自己肯定感を向上させる
自信をなくした相手には、自信を回復させることが求められます。
能力的には問題がなくても、自信が持てないならばアクションを起せません。
出来ることを諭してあげるのは重要なコーチングの役割となります。