ビジネスにおけるアジェンダの意味とは?アジェンダの作り方も紹介
ビジネスの他に国際会議などでも聞かれる「アジェンダ」。
アジェンダの意味を正しく理解していますか?
アジェンダの意味と目的を把握しないまま作成すると、本来アジェンダが果たすべき役割が上手く機能しない場合があります。
この記事では作成例と共にアジェンダを作成する方法やポイントについて解説します。
アジェンダとは何か
まずはアジェンダの意味や目的について再確認していきましょう。
正しく理解することが、会議をスムーズに進めるアジェンダ作成に繋がります。
アジェンダの意味
アジェンダというと、「地球サミット」で採択された、持続可能な開発目標(SDGs)である「アジェンダ21」のことをイメージする方も多いでしょう。
このアジェンダにはSDGsの目標と行動計画について記載されています。
アジェンダの意味について辞書で見ると、「計画・予定表・議事日程・協議事項・行動計画」といった解説になっています。
この中でビジネスにおけるアジェンダの意味としては「議事日程・協議事項」が該当します。
つまり「アジェンダ」とは「会議の概要と協議事項について記載した文書」のことで、会議をスムーズに結論まで導くための補助的な役割として使用されます。
レジュメとの違い
「概要を知らせる」という観点では、アジェンダは「レジュメ」と同義ではないかと考えられるかと思います。
レジュメとアジェンダの違いは、「行動に繋がる目的の有無」です。
「レジュメ」「アジェンダ」がそれぞれ使われる場面を思い出してください。
「レジュメ」が使用される場面は研究発表など、主に一方向の発信の場である場合が大半です。
一方、「アジェンダ」が使用される場面は会議など双方向のやり取りの場が基本になります。
アジェンダには目的(協議すべき議題とゴール)が設定されている必要があります。
アジェンダの目的
アジェンダの目的は、参加者全員に対しての「議題とゴールの共有」です。
課題とゴールを共有することにより、会議の途中で議題が脱線した際も軌道修正がしやすく、本題についての検討が中途半端に終わることを防げます。
また、議題が明確になっていることで、参加者がそれぞれ事前に考えをまとめやすく、意見の出ないまま時間だけが過ぎるといった無駄な時間を減らし会議の生産性をあげることができます。
アジェンダの作り方
まず会議で取り上げる議題と、結論を出したい事柄について整理します。
その上で、基本となる事項を記載します。
アジェンダの作成に使用するソフトはワード、エクセル、パワーポイントなどどれでもいいでしょう。
インターネット上にもダウンロードして使用できるアジェンダのテンプレートが多数あります。
アジェンダをパワーポイントで作成するとプロジェクターに投映する際にも便利です。
更に、会議後に報告書を作成するのであれば先に各見出しで報告書のプレゼンテーションの枠組みを作成しておき、「目次スライド」としてアジェンダを作成し会議後に決まったことを各見出しに追記して報告書にするといった方法もあります。
基本となる記載事項
アジェンダに記載する基本情報は以下の通りです。
・会議の名称
・開催日時
・開催場所
・参加者
・司会者
・目的
・会議の議題
・タイムテーブル
・配布資料一覧
他にも次回の開催日時やメモ欄を設ける場合もありますし、参加者の中に社外の人間がいる場合は地図なども記載する必要があります。
一度オリジナルのひな形としてきちんとしたフォーマットで作成しておけば、次回から作成時間も節約できます。
次に作成例をご紹介します。
作成例
・開催日時:2023年4月10日(月)10:00~
・開催場所:本社 第1会議室(7F)
・参加者:本社○○生産部長、○○副部長、A工場○○、B工場○○、C工場○○、
D工場○○(6名)
・司会:本社生産部 ○○
・目的: 各工場の営業報告及び受注計画、検討課題の共有
・会議の議題:第52期各工場営業報告、第53期受注計画、□□機械老朽化に伴う△△
生産継続の是非について
・配布資料一覧:第52期 売上報告書(A4 4枚)
全社受注計画表(A3 1枚)
□□機械の現状報告(A4 1枚)
新型□□機械の仕様書・見積書(A4 3枚)
スケジュール
10:00~10:10 挨拶・アジェンダ説明
10:10~10:35 第52期各工場営業報告
10:35~10:50 第53期受注計画について
10:50~11:05 △△の生産状況と新型□□機械の仕様説明
11:05~11:15 休憩
11:15~11:40 △△生産継続の是非について
11:40~11:50 今後のスケジュールについての確認
11:50~12:00 質疑応答・まとめ
12:00 終了予定
問い合わせ先:
本社生産部 ○○
メールアドレス:xxxxxxx@xxxxxxxxx.co.jp
作成のポイント
アジェンダを作成するにあたってのポイントは「内容を簡潔に」「目的を明確に」「話し合う時間の設定」の3つです。
内容は簡潔に
アジェンダには詳細な情報は盛り込まず、簡潔に概要を記載します。
内容を簡潔にすることで、参加者の間で議題が共有されやすくなり、ゴールが明確になります。
目的を明確にする
目的を明確にすることと、議題の数を絞るようにします。
議題の中でも最優先事項を決めておくことで結論の出ない会議になってしまうことが防げます。
話し合いの時間を設ける
会議のスケジュールの中で、議題ごとに折を見て話し合いの時間を設けることが必要です。
あらかじめ時間を設定しておくことで、参加者に時間内に議論をまとめる意識を持たせたり参加者が話過ぎた場合に軌道修正したりするきっかけにもなります。
また、会議が終了した後から別の話が出て来て混乱することを防ぐため、最後に質疑応答の時間も取っておくと良いでしょう。
設定した時間はアジェンダにも記載しておくと司会者だけでなく参加者全員が時間の管理をしやすくなります。
スケジュールに余裕を持たせること
また、重要なのが時間的に余裕を持ったスケジュールを組むことです。
スケジュールに余裕がないと、話し合いが延びた際に後のスケジュールに影響が出て必要な議論ができないという事態も起こりえます。
余裕のあるスケジュールを組んでいれば、議論の結論がなかなかまとまらない、または逆に議論がいい方向に広がった場合にも後のスケジュールに影響を出さずに進行できます。
しかしそれでも予定が押してしまう場合もあります。
場合によっては、優先度・緊急度の比較的低い議題を削ることも視野に入れるべきでしょう。
プロジェクター用は文字を大きくする
アジェンダをプロジェクターで投映する場合は遠くに座っている参加者からも見えるような作りにします。
具体的には文字を大きくする、行間を空ける、文字と背景を見やすいコントラストにするといった配慮が必要です。
まとめ
アジェンダを的確に作成し議論の道筋を具体的にすることは、会議の進行をスムーズにし成果の出ない会議を減らすことにもつながります。
漫然とアジェンダを作成するのではなく、会議の前から目的とゴールを踏まえて作成して会議の生産性向上に繋げていきましょう。