「メールアーカイブシステム」とは?
メールアーカイブシステムとは、メールをアーカイブして保管する製品サービスのことを指します。メールアーカイブシステムを利用すると、送受信したメールをファイルとして一元管理するので、メールサーバー内のメールを削除して容量を空けることができます。
またメールアーカイブシステムはメールの保存目的だけでなく、アーカイブされたデータファイルは削除や改ざんすることができないので、内部統制対策として利用されることもあります。
メールアーカイブシステムはリアルタイムで保存を行っています。そのため取引先との大切なデータを誤って削除してしまった際などにも、メールのデータをアーカイブシステムに保管していれば復元することができ役立ちます。
「メールアーカイブシステム」にはどのようなタイプがある?
メールアーカイブシステムには大きく分けるとクラウド型とオンプレミス型の2つのタイプがあります。
それぞれの違いについてご説明すると、クラウド型はインターネット環境があれば場所や時間を問わずシステムが利用できます。
既存のサーバーを利用するため導入までのスピードが早く、基本的に必要なのは月額利用料のみなので、ほかのタイプと比べて初期費用が安くなる傾向にあります。しかし一般向けに提供されているシステムの機能を追加するなどカスタマイズに制限があります。
オンプレミス型は自社サーバーを経由してシステムにアクセスするため、新しいサーバーを用意する必要があり、初期費用が高くなります。また専用のサーバーを経由するので、システムを利用できる場所に制限が発生します(※外部アクセスするにはVPNなどの設定が必要)。
バージョンアップなども自社内で対応しなければならないため、サーバーの運用や構築ができるスキルがなければ運用しながらオンプレミス型の良さを活かすことは難しいです。
これだけお話しするとデメリットが多いオンプレミス型ですが、外部からのアクセスを遮断するため社内でセキュリティ対策ができ、サーバー攻撃をリスクが低くなります。さらにサーバーの運用・構築を自社で行うので、自由度の高いカスタマイズが実現できます。
「メールアーカイブシステム」の選び方は?
メールアーカイブシステム選ぶ際にはなにを基準として選べばよいのでしょうか。
システムを利用する基準としては「従業員が簡単に操作できるか」や「アーカイブ方法」が重要なポイントとなります。メールアーカイブシステムを導入すると、メールの検索などを行う際に利用するのは従業員です。実際に利用する立場の人間が簡単に操作できるかが大切です。
簡単に操作ができなければ運用操作を覚えるまでに時間がかかることや、せっかくシステムを導入したのに利用されないというリスクも考えられます。従業員の利用を促進するためにも、分かりやすいシステムを選ぶと良いでしょう。
またアーカイブシステムには大きく分けて「ゲートウェイ型・パケット収集型・ジャーナル連動型」の3種類のアーカイブ方法があります。これらのアーカイブ方法を基準としてシステムの選定を行う企業も多いです。
ゲートウェイ型は既存のネットワーク上を通過したメールをアーカイブする手法で、最もポピュラーな方法です。ネットワークの構成を変更する必要がないので容易に導入できます。
パケット収集型は電子メールなどの全てのデータをアーカイブします。メールサーバーを社内に置いていない企業に適していますが、メールの送信を取りやめるなどのフィルタリング機能はありません。
ジャーナル連動型はメールサーバーの処理記録に従って、電子メールのやり取りが発生する度に電子メールのアーカイブが行われる手法です。ジャーナル機構のあるメールサーバーであればすべての電子メールの収集が実現できます。
「メールアーカイブシステム」比較検討時の注意点は?
メールアーカイブシステムは多くの企業がサービスを提供していますが、比較検討する際には「提供タイプが適切か」や「基本機能が充実しているか」という点に注意しましょう。
メールアーカイブシステムの提供タイプはクラウド型とオンプレミス型の2タイプがメインだとお話ししましたが、どちらのタイプを導入すべきかについてはシステムで実現したいことや活用方法によって異なります。
例えば、サーバーは問わないが自社の要望に合わせて複数のカスタマイズ機能を追加したい場合はオンプレミス型のメールアーカイブシステムの導入が適しており、機能は基本的なもので十分だが費用を抑えたい場合はクラウド型の導入がオススメです。
メールアーカイブシステムを比較する際にはまずは提供タイプを決定し、ある程度検索対象を絞ってからシステムを選ぶとスムーズです。
さらに必要な基本機能は企業によって異なりますので、自社が必要とする機能が充実しているシステムを探しましょう。自社に合ったメールアーカイブシステムを見つけると、新しくカスタマイズする必要がなくなり、費用を抑えて導入ができます。
主要な「メールアーカイブシステム」の一覧
「MailStore Server (メールストア サーバー)」(ウェアポータル株式会社)
おすすめ対象者
簡単な操作でデータを管理したい方、充実したセキュリティ機能を求める方、初期費用を抑えてシステムを利用したい方
主要機能
メールの蓄積・検索・保証
特徴
添付ファイルに含まれる文字列も高速検索、業務の効率化ができる、70000社以上の企業が導入、サポート体制も充実
費用
MailStore5-9ユーザ新規 1年保守付:7,800円 2年保守付:9,500円
MailStore10-24ユーザ新規 1年保守付:6,000円 2年保守付:77,000円
MailStore25-49ユーザ新規 1年保守付:5,200円 2年保守付:6,200円
MailStore50-99ユーザ新規 1年保守付:4,800円 2年保守付:5,800円
MailStore100-199ユーザ新規 1年保守付:4,000円 2年保守付:5,000円
MailStore200-399ユーザ新規 1年保守付:3,000円 2年保守付:3,700円
MailStore400-ユーザ新規 1年保守付:2,500円 2年保守付:3,100円
無料プラン
なし
無償トライアル
なし
サポート
あり(メールまたは専用サポートページ・修正パッチ・最新バージョンへのアップグレード)
「MailBase V6(メールベース バージョン 6)」(サイバーソリューションズ株式会社)
おすすめ対象者
メールだけでなくチャットもアーカイブで管理したい方、メールを長期保管・高速検索したい方、内部統制を強化したい企業
主要機能
メール管理、権利者検索・一般ユーザ検索・複数条件検索、メール検索・閲覧・転送ログ、データエクスポート
特徴
オンプレミス・クラウドでも環境問わず利用可能、12年連続国内売上No.1、Microsoft Teamsとも連携可能
費用
AC数100/メールアーカイブ:初年度420,000円、次年度210,000円
AC数1,000/メールアーカイブ:初年度2,200,000円、次年度1,100,000円
AC数3,000/メールアーカイブ:初年度4,500,000円、次年度2,250,000円
AC数100/Teamsアーカイブ:初年度420,000円、次年度210,000円
AC数1,000/Teamsアーカイブ:初年度2,200,000円、次年度1,100,000円
AC数3,000/Teamsアーカイブ:初年度4,500,000円、次年度2,250,000円
無料プラン
なし
無償トライアル
なし
サポート
あり(カスタマーサポート・導入・運用支援サービス)
「メールアーカイブシステム」導入のメリット、デメリット
メールアーカイブシステムを導入するメリットやデメリットについてお話ししていきます。
メールアーカイブシステムを導入するメリットは「内部統制ができる」や「メールの一元管理ができる」と言う点が挙げられます。
メールを誤って削除してしまった際にはメールの復元ができ、さらに不正やスパムメールなどの情報を管理しておくことで、管理監査や内部統制などにも役立ちます。
メールアーカイブシステムを導入するデメリットは特にありませんが、デザイン性や使用感を確かめておくと良いでしょう。
システムの提供会社によっては、ある程度の期間無料でメールアーカイブシステムを利用できるお試し期間などを設けている企業も存在します。購入するシステムを決定する前にそういった期間を利用して使用感を試してみるのもオススメです。