給与前払いサービスとは?
給与前払いサービスとは、給与を給料日前に支払うサービスです。従業員にとっては急にお金が必要になった際に前払いをしてもらえるととても助かるのですが、企業側にとっては従業員ごとに給料の支払日や回数を変更することは、経理の業務負担がかなり大きくなるため前払いは難しいケースがほとんどでした。
そこで、サービス会社を利用することによって企業の業務負担はあまりなく従業員への前払いが可能になります。
サービス会社が前払い金を立て替えるものや預託金を預けるものなど色々なサービスがあるのでこれから見ていきましょう。
給与前払いサービスにはどのようなタイプがある?
給与前払いサービスは、主に2つのタイプがありサービス会社によって異なります。
立て替えタイプ
立て替えタイプは、サービス会社が給与前払い金を立て替えて従業員の口座に振り込んでくれるタイプです。従業員は、前払い金から手数料や振込手数料を引かれた金額を振り込んでもらうことになります。
企業側は前払い金を用意する必要がないため金銭的に負担がかかりません。企業側は、後にまとめて立て替え金を支払います。
預託資金支払いタイプ
企業側が、前払い資金をサービス会社に預託して従業員に支払うタイプです。立て替えタイプよりも手数料が安くなります。
給与前払いサービスの選び方は?
ここからは、給与前払いサービスの選び方を解説していきます。
運用工数はどのくらいかかるのか
サービス会社によって実際に前払いをするまでにかかる工数が異なるので、業務負担にならない範囲での作業にとどまるかを検討する必要があります。
自社システムと連携できるサービスなら工数を減らせますし、給与前払い資金を立て替えてくれるタイプもかかる工程は少なく済みます。
費用はどのくらいかかるのか
給与前払いサービスでは、企業か従業員に費用がかかります。
導入費用や月額費用が無料の場合は、従業員が手数料を支払うことになり、手数料が高くなると従業員の不満も高くなるので注意が必要です。手数料は前払い金の3~6%が相場で、振込手数料やATM手数料がかかる場合もあります。
導入費用や月額費用を支払うサービスはサポートを受けたい場合や従業員に負担をかけたくない場合におススメです。
企業の状況によって適したサービスは異なりますので目的に合わせてしっかりと検討しましょう。
どれだけの銀行と連携しているか
サービス会社によって連携している銀行の種類や数が違います。大手銀行・ゆうちょ銀行・インターネットバンクなど幅広く対応していると従業員の負担は少なくなります。
地方の企業の場合、地方銀行に対応しているかの確認が必須です。コンビニのATMで引き出す場合、手数料を無料にしているサービス会社もあります。
サポート体制
サービス会社のサポート体制はメール対応が多いですが、電話やチャットで対応をしてくれるサービス会社もあります。
給与前払いサービス比較検討時の注意点は?
給与前払いサービスを比較検討する際は、企業側と従業員側両方の立場に立って検討しているか注意する必要があります。
企業側の立場では、データの連携が容易なのか経理担当の負担は増加しないのか、従業員への説明が容易かどうかもポイントです。
従業員側の立場では、スマートフォンから簡単に申請できるのか、手数料は会社が負担してくれるのかがポイントです。
もし会社が手数料を負担する場合には、事前に利用人数を予測して予算を立てる必要があります。
主要な給与前払いサービス会社の一覧
プリポケ(株式会社マネーコミュニケーションズ)
おすすめ対象者
全ての規模の事業者
主要機能
立て替えタイプ
特徴
安心の伊藤忠商事100%子会社・業界最低水準立て替えタイプ利用料・スマートフォンから24時間簡単申し込み・即時送金可能
初期費用
無料
月額費用
無料
従業員利用手数料
1.5%(振込手数料別途)
サポート
メール・電話
CRIA(株式会社メタップスペイメント)
おすすめ対象者
従業員100人以上の事業者
主要機能
立て替えタイプ
特徴
初期費用と月額費用と従量費用ゼロ・スマホから申請して24時間365日前払い金受取可能・英語とベトナム語に対応・セブン銀行だと即時受取可能でATM手数料無料
初期費用
無料
月額費用
無料
従業員利用手数料
540円以下・時間外手数料無料
サポート
メール・電話
楽天早トク給与(楽天カード株式会社)
おすすめ対象者
全ての規模の事業者
主要機能
預託資金支払いタイプ
特徴
勤怠データを管理画面からアップロードするだけ・楽天銀行口座なら手数料無料でポイントも付与・手厚いサポート
初期費用
無料
月額費用
25,000円(7ヶ月目以降)
従業員利用手数料
楽天銀行口座受取無料
楽天銀行口座以外3万円未満168円 3万円以上262円
サポート
メール・チャット・電話
タスキDayPay(株式会社タスキ)
おすすめ対象者
全ての規模の事業者
主要機能
立て替えタイプ
特徴
英語や中国語、スペイン語など10か国語に対応・従業員利用手数料は企業負担でも可・スマホから24時間365日申請可能
初期費用
無料
月額費用
無料
従業員利用手数料
4%・振込手数料200円
サポート
メール・電話
Prepay(株式会社イデアホールディングス)
おすすめ対象者
全ての規模の事業者
主要機能
立て替えタイプ
特徴
チャージ型クレジットカードを利用・日払いルールを統一できる・大変な事務処理は丸投げできる
初期費用
200,000円(キャンペーン時無料)
月額費用
無料
従業員利用手数料
プリペイ利用料・振込手数料200円~
サポート
メール・電話
Payme(株式会社ペイミー)
おすすめ対象者
全ての規模の事業者
主要機能
立て替えタイプ
特徴
立て替えタイプ以外にクレジットカードタイプ・セブン銀行デポジットタイプが選べる・シンプルな画面で使いやすい
初期費用
無料
月額費用
契約プランによる
従業員利用手数料
契約プランによる
サポート
メール・チャット・電話
THE給与(株式会社昭栄)
おすすめ対象者
運送業・建設業の事業者
主要機能
立て替えタイプ
特徴
従業員利用手数料ゼロ・社内ATM型・勤怠管理と経費管理の自動化によって大幅に業務負担削減・アルコールや免許証、体温などのチェックができて管理がスムーズになる・顔認証と静脈認証が選べる
初期費用
無料
月額費用
35,000円~(リース料)
従業員利用手数料
無料
サポート
メール・電話
エスプリ(株式会社シスプロ)
おすすめ対象者
従業員規模100人以上の事業者
主要機能
預託資金支払いタイプ
特徴
申請時の低価格利用料金・給与振り込み手続き代行も可能・新たな口座開設は必要なし
初期費用
無料
月額費用
0円~(申請回数1回につき25円~50円)
従業員利用手数料
300円
サポート
メール・電話
Advance pay SAISON(株式会社クレディセゾン)
おすすめ対象者
全ての規模の事業者
主要機能
立て替えタイプ
特徴
東証一部上場企業で信用力の高いクレディセゾンが運営・セブン銀行とゆうちょ銀行だとリアルタイムで受取可・口座開設や資金準備は必要なし
初期費用
無料
月額費用
従量制
従業員利用手数料
要問い合わせ
サポート
メール・電話
給与前払いサービス導入のメリット、デメリット
給与前払いサービスを導入した場合のメリット・デメリットを解説します。
メリット①~人材確保につながる~
日給・週給希望者も採用が可能になり採用応募数の増加につながります。導入前より応募数が2倍~6倍に増加したケースもあり、給与支払いの多様化は必須になってきています。
また、離職率の低下にもつながります。働き方が多様化してきている中、給与が先払い可能な会社ほど魅力が高く辞めない傾向があります。
メリット②~業務負担の削減~
従業員側の要望に応えて給与前払いを取り入れると、かなりの業務負担が生じます。即時支払いなどするとなると、経理担当の負担は相当なものです。サービス会社を利用することで、この負担を軽減することができます。
デメリット~運用コストがかかる~
システムの利用にはもちろん費用がかかります。会社が負担をすることで従業員が気軽に前払いを利用すると費用はどんどん高くなってしまいます。しかし従業員側が負担をすると手数料次第では利用頻度が下がりそもそもの目的を果たすことができないこともあります。バランスを考えた運用を行ないましょう。
まとめ
給与前払いは、従業員の離職率の低下や求人の応募数の増加につながる福利厚生サービスです。さまざまなサービス会社があるので、自社の条件に合うサービスを選んで是非導入を検討してみてはいかがでしょうか?