バジェットとは?意味や使い方、決定する要因などを解説

経営計画を立てる上で、バジェット、つまり予算を考慮に入れないことはまずないでしょう。バジェットは全てのビジネスにおける重要な役割を担っています。

この記事では、バジェットの基本的な意味や使い方、そしてバジェットを決定する要因について説明します。予算編成のプロセスを理解することで、規模の大小に関わらずビジネスの目標達成に役立てられるでしょう。

バジェットとは

まずバジェットの基本的な意味や使われる場所について見ていきましょう。

バジェットの意味

英語の「budget」という言葉には複数の意味がありますが、名詞として使用される場合と形容詞として使用される場合では少しニュアンスが違ってきます。

名詞としてのバジェット

名詞として、バジェットとは「予算(額)」「経費」といった意味を持ち、特定の目的のために確保される一定の金額を指します。

形容詞としてのバジェット

形容詞としてのバジェットは「お買い得の」「格安の」といった意味を持ち、その場合のバジェットが指すものは通常よりも安い価格で取得または提供される品目やサービスなどです。

バジェットがよく使用されるのは?

バジェットという用語が良く使用されるのは外資系企業や映画業界、エンターテインメント業界などです。

外資系企業

外資系企業において使用される場合のバジェットとは、ある一定の期間やプロジェクトにおいて業務や支払う賃金のために確保される金額を指します。

映画業界

映画業界において使用される場合のバジェットとは映画制作のために割り当てられた金額です。

バジェットの使い方

それではバジェットという用語が使用される場面を具体的に見ていきましょう。

バジェットは「ビッグバジェット」「ローバジェット」といった名詞的な使用法と「バジェット○○」といったような形容詞的に使用される場合に分かれます。

ビッグバジェット

ビッグバジェットとは日本語で言うと「大予算」という意味であり、制作に割り当てられる金額が非常に高いことを指します。

大規模な予算

映画やエンターテインメントにおいてビッグバジェットである場合、最新鋭の機材や豪華出演陣など高価な制作方法が用いられることが多いでしょう。

映画業界や芸能ビジネスに多い

ビッグバジェットという用語は、映画業界やエンターテイメントビジネスなど大規模な作品を制作する際によく使われます。

ローバジェット

ビッグバジェットの対極にあるのがローバジェットであり、日本語で言うと「低予算」という意味です。

小規模な予算

ローバジェットとは、制作に割り当てられる金額が非常に少ないことを指します。映画業界では一般的に使われており、限られた資源で低予算の映画を制作することを指します。

低予算作品は、特殊効果がなく、使用するスタッフも少なく限られた場所で行われることが多くなり制作に工夫が必要になるでしょう。

ビッグバジェットの対義語

ローバジェットという言葉は、ビッグバジェットの対義語として使われることが多く、「今回の作品はローバジェットで」といったように使用されます。

バジェット不足

映画業界以外で使用されるバジェット関連の言葉でよく使用されるのが「バジェット不足」ではないでしょうか。

予算の不足

バジェット不足とは予算の不足であり、プロジェクトにかかる費用をまかなうには低すぎる予算を表す言葉です。

プロジェクト開始の支障となる

バジェット不足はビジネスではよく遭遇する障害であり、プロジェクトの見直しや縮小、断念につながることも多くなるでしょう。

バジェットエアライン

バジェットエアラインとは、安価な座席を提供する低価格の航空便のことです。

フライト料金の安い航空便

バジェットエアラインでは基本的なアメニティを提供し、限られたスタッフで運営されており、旅行費用を節約したい人に人気があります。

バジェットトラベラーは格安航空会社

安いホテルや「BudgetAir」のような格安航空会社を使用してなるべく低予算で行う旅行をバジェットトラベルと呼び、そのような旅行者たちをバジェットトラベラーと呼びます。

バジェットレンタカー

低価格のレンタカーを提供するレンタカー会社がバジェットレンタカーです。

料金の安いレンタカー会社

1958年に創業した「Budget Rent a Car」というアメリカのレンタカー会社がオーストラリア、ニュージーランド、ヨーロッパに拡大し、日本も含め120ヵ国、3,000店以上に事業展開しています。

燃費の良いコンパクトなレンタカー

バジェットレンタカーは燃費の良いコンパクトなレンタカーの使用や無人受付機の導入による人件費の削減、広告費を抑えるなどといった工夫によって低価格でのカーレンタルを可能にしています。

バジェットホテル

宿泊にかける予算を抑えてその分観光や食事に回したい、といった旅行者やビジネスパーソンに人気なのがバジェットホテルです。

格安で宿泊できるホテル

バジェットホテルはベッドやテレビなどの基本的な設備と最低限の広さを備えた低料金の宿泊施設です。

アメニティや寝具を必要な分だけ取っていくシステムやチェックインの機械化などで低価格を成立させています。

東横インなどが代表的

バジェットホテルは東横インなどチェーン展開されているホテルに多いです。

バジェットを決める要因

バジェットを決める要因には「利益」「売上」「原価」「経費」といったものが挙げられます。

利益

収入から経費を差し引いた額が利益です。利益は、ビジネスの成功度を示す重要な指標となります。

収入と利益を区別する

収入はビジネスに入ってくる資金であり、利益は収入から経費を差し引いたものです。収入は必ずしも利益に直結するわけではなく、利益が正しく出ているかが重要です。

前年または前月の利益を参考に

過去の財政状況を参考にすることで、今後の予算作成に役立ちます。また、過去のデータをもとに傾向を分析することで今後のビジネス方針を決定できます。

売上

企業が売り上げた商品やサービスの金額のことを指します。売上は経費を差し引いた利益とは異なるため注意が必要です。

売上と利益は一致しない

売上は収入の一部を占めますが、経費を差し引いた利益とは異なります。経費が多い場合や売上が低い場合は、売上と利益が一致しないことがあります。

売上から経費を差し引く

売上から生産費や人件費、輸送費などの経費を差し引くことで、利益が算出されます。事業にとって売上自体より利益額や利益率が重要な指標となるでしょう。

原価

商品を製造または販売するために支払われた全ての費用が原価です。

商品の製造に関わる費用

製造業の場合は商品を製造するためにかかった材料費に加え作業員の人件費、その他の経費全てを足し合わせたものが原価(製造原価)であり、小売業の場合は売れた分の商品の仕入れや製造にかかった費用を原価(売上原価)と呼びます。

原材料費やメンテナンス費など

商品を製造するためにかかった費用には原材料費のほかに製造に使用する機器のメンテナンス費や消耗品費、工場の水道光熱費などが含まれます。

経費

企業が継続的に運営するために必要な費用、例えば人件費、輸送費などが経費です。

生産に必要な資金

原価が製品やサービスを生み出すのにかかる費用なのに対して、経費は製品やサービスを販売する際にかかる費用です。

人件費や輸送費など

企業が商品やサービスを提供するための人員を雇用する際に支払われた人件費や、商品の配送に必要な輸送費のほかに店舗の使用料などは経費にあたります。

まとめ

「バジェット」という用語には単純な「予算」といった意味のほかに「低価格」「予算額の大きさ」といったニュアンスが含まれることがお分かりいただけたでしょうか。

ビジネスにおいて、バジェットの概念だけでなくバジェットを決定する要素である「原価」「経費」「売上」「利益」などについて理解することが、プロジェクトにおけるバジェットの作成や理解に役立つでしょう。


AD