「サービスデスクツール」とは?
サービスデスクツールとは顧客からの自社に対する商品やサービスの問い合わせ・クレーム対応をはじめとした改善要望などの意見や、社内からの問い合わせに対しての業務をサポートするツールのことを指します。
企業内には社内外からの問い合わせに回答するサービスデスクやヘルプデスクのような窓口業務を担当する部署が設けられていることが多く、ユーザーや社員に対して正確な情報を迅速に回答することが求められています。
しかし、サービスデスクが問合せ情報を管理・回答しながら情報を発信すると、引き継ぎ業務などが上手くいかずに人為的なミスが発生してしまい、さらなる問合せやクレームに繋がるケースもあります。
サービスデスクツールを導入することで顧客からの問い合わせ内容をナレッジ共有したり、よくある質問で回答をまとめることで問合せ窓口の業務効率がアップします。そのため、社内外問わずに問合せ業務の多い企業はサービスデスクツールの導入率が高い傾向にあります。
「サービスデスクツール」にはどのようなタイプがある?
サービスデスクツールは多くのサービスが提供されており、「クラウド型・オンプレミス型」の2タイプに分かれています。
クラウド型は新しくサーバーを解説する必要がなく、提供されているサーバー経由してソフトウェアに接続し、ツールを利用します。インターネット環境があれば24時間場所を問わずに利用できるのが特徴で、利用申し込みから導入までがスピーディーです。
自社で新しくサーバーを設置する必要がないから、システム構築や運用の知識が無くても低価格で気軽に導入できるメリットがありますが、専用回線ではないため外部からの不正アクセスを受けるリスクがあります。
オンプレミス型は自社サーバーにソフトウェアをインストールしてツールの運用を行うので、自社でシステム構築や運用を行う場合はある程度の知識が必要です。
オンプレミス型では自社専用のサーバーでツールを運用するから、自社に合わせて機能の追加や画面表示の変更など自由度の高いカスタマイズができるメリットがあります。
また、自社サーバーからでないとアクセスができないので、外部からの不正アクセスを受けにくく、セキュリティ面でも高い安全性があると言えます。
しかし、自社サーバーが無い場合は新しくサーバーを構築する必要があるので、初期費用が発生し、導入までに時間がかかる傾向にあります。テレワーク環境でツールを利用したい場合にはVPNなどの仮想サーバーを経由することで利用できるようになります。
「サービスデスクツール」の選び方は?
サービスデスクツールを選ぶポイントは「接続タイプ」や「コスト」を軸として選ぶことをオススメします。
サービスデスクツールの提供タイプはクラウド・オンプレミス型がメインとなっています。ある程度カスタマイズして利用したい場合にクラウド型を選んでしまうと思ったようなカスタマイズができない可能性もあるのでオンプレミス型を選ぶことをおすすめします。
また、サービスデスクツールには月額利用料が安いけれどユーザー数に制限があるツールや、利用ユーザー数が無制限で使用料が高いツールが提供されています。自社の利用者数を確認しておくことでコスパの良いツールが選べます。
「サービスデスクツール」比較検討時の注意点は?
サービスデスクツールを導入する際の比較検討時の注意点は「必要な機能の優先度を確認しておくこと」です。
サービスデスクツールは多くの会社からサービスが提供されています。豊富な機能が魅力的で導入してみたけれど、実際に導入してみると不要な機能が多くて無駄になってしまうというケースも考えられます。
ツールを導入する際には必要な機能の優先順位を付けておき、利用するにあたって必要な機能が搭載されているツールを選びましょう
主要な「サービスデスクツール」の一覧
「LMIS」(株式会社ユニリタ)
おすすめ対象者
データの可視化・分析によるノウハウの蓄積を求める企業、セルフサービス強化による顧客満足度の向上を目指す企業、解決スピードの向上を行いたい企業
主要機能
ヘルプデスク業務、システム監査対応、ITIL導入、サービス構成管理、カスタマーサクセス/カスタマーサポート、システム運用の自動化、情報管理
特徴
クラウド環境に対応、導入ユーザー数10,000名以上、業務・作業の自動化
費用
【LMIS25ユーザー】月額100,000円、初期費用300,000円(25ユーザまで利用可能)
【LMISユーザー追加】月額4,000円(26ユーザー以上を利用する場合に1ユーザー単位追加可能)
無料プラン、無償トライアルの有無
無料プランなし、無償トライアルあり(期間未記載)
サポートの有無
サポートあり(サポートセンター〈電話・メール・Webポータル〉、LMIS活用クリニック、オンラインデモ)
「SmartStageサービスデスク」(株式会社クレオ)
おすすめ対象者
スピーディーにツールを導入したい企業、高い柔軟性を持つツールを導入したい企業、既存の外部システムと連携して利用したい企業、業務負担を軽減したい企業
主要機能
インシデント管理、サービス要求管理、イベント管理、問題管理、変更管理、リソース管理・展開管理、ベンダー管理、サービスサポート管理、ナレッジ管理・FAQ管理、構成管理、IT資産管理、サービスレベル管理など
特徴
安心のサポートプラン、クラウド型とオンプレミス型に対応、分かりやすい操作性
費用
【SaaSプラン】Join:初期費用110,000円、月額費用110,000円
Standard:初期費用110,000円、月額費用:330,000円
EX:初期費用330,000円、月額費用550,000円
【オンプレミスプラン】初期費用と年間の保守費用は要問合せ
無料プラン、無償トライアルの有無
無料プランなし、無償トライアルあり(14日間)
サポートの有無
サポートあり(メール・電話・オンラインでのカスタマーサポート対応、デモンストレーション) ※導入支援サービスあり(有料)
「IBISE」(株式会社PRAZNA)
おすすめ対象者
問い合わせの回答漏れを削減したい企業、簡単な操作を求める企業、業務の効率化を目的とする企業、ナレッジ情報の共有をしたい企業
主要機能
FAQ作成、フォーム作成、問い合わせ一元管理、フォームテンプレート、記事作成など
特徴
手軽に導入&利用できる、10年連続シェアNo.1、充実のサポート体制、安心のセキュリティ
費用
エッセンシャル:基本料金10,000円/月、月額使用料1,500円/ユーザー(最大3名まで)
スタンダード:基本料金30,000円/月、月額使用料4,000円/ユーザー
プロフェッショナル:基本料金100,000円/月、月額使用料8,000円/ユーザー
無料プラン、無償トライアルの有無
無料プランなし、無償トライアルあり(14日間)
サポートの有無
サポートあり(カスタマーサポート、セミナー&イベントの開催)
「サービスデスクツール」導入のメリット、デメリット
サービスデスクツールを導入するメリット・デメリットについてお話していきます。
サービスデスクツールを導入するメリットは次のようなものが挙げられます。
- 顧客満足度の向上
- 業務の効率化
- 人為的なミスの削減
サービスデスクツールを導入すると社内での情報共有などのコミュニケーションがスムーズにとれます。さらに人為的なミスを削減でき、問い合わせから回答までのスピードが早くなる傾向にあるため、顧客満足度が向上するというメリットがあります。
サービスデスクツールを導入するデメリットは、もともと問い合わせが少ない企業は費用対効果が見込めないという点です。 日常的に社内外からの問い合わせが多く、回答業務が滞っている場合はサービスデスクツールを導入すると問合せ管理がスムーズに行えますが、問い合わせ頻度が低い場合は、ツールを導入せずに担当者が管理する方がコストパフォーマンスの良いケースもあります。