OJTとは?必要性やポイントをわかりやすく解説

『OJT(On The Job Training)』の導入を検討している企業の皆様は、「どうやったらOJTを効果的に実施できるの?」や「OJTを導入するにあたって、どんなことに注意すべきなの?」といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、OJTの基礎、導入するメリット・デメリット、導入にあたり注意すべきポイントなどを解説します。

OJTを効果的に活用したい方はぜひご覧ください。

OJTとは

OJTとは「On The Job Training」の略語です。

職場内で仕事をしながら行う訓練という意味で、従業員が業務を通じて必要な知識を配属された新人に教えていくことをOJTと言います。

OJTの重要性

OJTは業務に即したトレーニングをするため、業務に対応するためのスキルを伸ばすことができます。

そのため、「新入社員に如何に早く即戦力になってもらえるか」は、OJTを効果的に実施できるかどうかにかかっているといっても過言ではありません。

Off-JTとの違い

Off-JTとは「Off The Job Training」の略語です。

外部のセミナー・研修などに参加することをイメージするとわかりやすいでしょう。

また、コロナ渦において、オンライン研修が注目を集めています。会社の自席でオンラインセミナーを受ける場合でも、直接の業務を離れて受講する場合は「Off-JT」となります。

OJTの4ステップ

OJTで優秀な人材を育てるためにどのように指導すればいいのか気になりますよね。

ここでは、OJTを4つのステップに分解して説明します。このステップに沿ってトレーニングを実施することで、指導を受ける側の知識の定着に役立つので、ぜひ試してみましょう。

1:Show(やってみせる)

まずは、トレーナーが業務をやってみせましょう。ここでは指導を受ける人(トレーニー)に業務の全体像をイメージしてもらうことがポイントです。

2:Tell(説明する)

次に業務内容や業務を行う上での注意点を説明します。トレーナーは質問に応じ、トレーニーの疑問点を解消しましょう。

3:Do(やらせる)

そして実践してもらいましょう。Show(やってみせる)とTell(説明する)を行ったことで、業務の全体像はつかんでいるので、実際に業務に取り組んでもらい、どこまで作業を行えるか確認します。

段階的な指導が必要な業務の場合は、簡単な業務から行ってもらい、反復トレーニングを繰り返し、知識がしっかりと身についたら次の段階である難しい業務にもチャレンジしてもらいましょう。

4:Check(評価・指導する)

Do(やらせる)の結果を評価し、指導しましょう。トレーナーは改善点を指摘し、トレーニーは実務を行う上で生じた疑問点や不明な点を相談していきながら、業務への課題を見つけていきます。

OJTの4ステップを繰り返すことでトレーニーの力を早く確実に伸ばすことができるでしょう。

OJTのメリット

1:実際の仕事を通して学べるため、効率良くトレーニングできる

OJTは実際の現場で、実際の業務を通してトレーニングをしているため、実務を理解することができます。そして、インプットした知識をすぐにアウトプットできるので、知識の定着が早く、効率の良いトレーニングが可能です。

2:人間関係が構築できる

OJTは、一般的にマンツーマンでトレーニングを実施することになります。

そのためトレーナーとトレーニーのコミュニケーションが活発となり、トレーナーは、トレーニーの得意・不得意、性格等を把握することでき、良い人間関係を築くことができるでしょう。

3:研修参加費用や外部講師費用などの費用がかからない

OJTは社内でのトレーニングのため、研修参加費用や外部講師への委託・会場を手配するなどの費用などがかからないこともメリットになっています。

また、OJTは実務に即して実施するので、Off-JTのようにまとまった研修時間を確保する必要がないこともメリットになるでしょう。

OJTのデメリット

1:トレーナーの負担が大きい

トレーナーは日々の通常業務と並行してOJTを行うため、業務量が増えてしまうケースがあります。

業務が増えてしまうことで不満やストレスにつながってしまうことがあるので、トレーナーが担当する日常業務を一時的に別の従業員に割り振るなど、フォロー体制を整えることが重要です。

2:計画作成の手間がかかる

新人を即戦力として成長させるには、育成計画を作成し、育成計画に沿ってトレーニングを行うことが重要です。

OJTはわからないことをその場で教えるだけではなく、長期的な観点で、どのような業務をどのタイミングで指導するかを計画的に取り組まなくてはいけません。作成した育成計画書は上司や人事担当者など第三者がチェックをすることが望ましいため、作成だけでなく確認作業にも手間がかかります。

3:指導者の能力によってトレーニングの質にバラツキが出る

マンツーマンで行うことが基本のOJTではトレーナーの能力によって、指導範囲やどこまでフォローするかが異なるため、育成レベルに差が生じる可能性があります。トレーナーが提出する育成計画や進捗状況を人事担当者や上司がチェックすることが必要になるでしょう。

OJTのポイント

1:教える業務内容と手順を明確にする

教える業務内容や手順を明確にすることで、トレーニング内容に差が生じないようにすることが出来ます。業務内容のマニュアルを作成するとよいでしょう。

2:期間・期限を決める

OJTの期間は企業によって様々です。1~2週間程度行う企業もあれば、1年以上の期間を設定して行う企業もあります。期限を決めれば、教わる側方が「この期間内に仕事を覚えなくてはならない」という気持ちになるため、良い意味でプレッシャーを感じつつ業務を貪欲に学ぶ姿勢につなげることができます。

また、教える側もOJT期間は通常業務とOJTで業務量が増加してしまいますが、期限がわかっていれば業務量の増加も一時的なものと捉えることができます。

3:フィードバックを行う

指導を受ける側ができていないところを改善するためには、フィードバックが不可欠です。克服するポイントがわかれば成長することができ、成長が実感できればモチベーションアップにつながります。

フィードバックを通じ、「できたこと」「維持していくこと」「改善点」「挑戦していくこと」などを明確にしていくことが重要です。

トレーナーが一方的に説明していくのではなく、トレーニーにも自己分析をしてもらいながら話し合いをしていくとより効果的です。

まとめ

OJTは新人を教育していく上で、様々な職場で有効な手段となっています。

厚生労働省はOJTやOff-JTを実施する企業に費用の一部を支給する人材開発支援助成金制度を実施していますので、推奨されている取り組みとなっています。

実践的なOJTと基礎知識が学べるOff-JTと組み合わせて、人材教育制度をより充実させていきましょう。


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