メール配信システムの比較

「メール配信システム」とは?

「メール配信システム」とは、あらかじめ登録された顧客のメールアドレスへメールを一斉配信するためのシステムです。主に「メールマガジン」や「サービス会員登録の御礼メール」などの配信に使用されます。

近年、メール配信システムが注目されている理由には、メールマーケティングの重要性の高まりがあります。一般的に、ビジネスパーソンが毎日チェックしていると言われているのが「メール」。SNSが若者の利用率が高いのに対し、メールは幅広い世代が利用しているためメールを活用した顧客へのアプローチは効果的な手段です。

ただし、通常はメールを大量に送ると迷惑メールやスパムメールと判断される可能性があります。そこで、メール配信システムは配信スピード調整や同一IPアドレスから認識されないような仕組みを利用し、せっかく送信したメールが顧客に届かない事態を防ぎます。

つまり、手動で行うよりも迅速かつ正確なメール送信を可能にするのが「メール配信システム」です。

「メール配信システム」にはどのようなタイプがある?

メール配信システムは、それぞれ配信タイプ・提供形態に主な違いがあります。

まず、配信タイプには大きく分けて「大量配信型」と「セグメント型」があります。大量配信型は多くのユーザーへの一斉配信を想定したタイプで、大量のメールを高速で配信する機能に特化しています。ただし、ユーザーにあわせたメールを配信するのが難しいという特徴があります。一方、セグメント型はユーザーの属性にあわせたメール配信機能を備えたタイプです。過去の購買履歴からおすすめの商品をメールで知らせることもでき、効果的なアプローチが可能です。

次に、サービスの提供形態には「クラウド型」と「オンプレミス型」があります。クラウド型はインターネットを介して利用する形態です。ベンダーのメールサーバにアクセスして利用するため、導入時の手間やコストがかからない点がメリットです。ただし、メールの配信数によっては料金が高額になる可能性もあります。一方、オンプレミス型は自社内にメールサーバを設置して利用する形態です。セキュリティ性が高く、自社にあわせたシステムを構築できるのがメリットです。ただし、システムをゼロから構築するため、導入に時間がかかるデメリットもあります。

「メール配信システム」の選び方は?

配信数の上限

メール配信システムを比較検討するにあたり、まず配信数の上限をチェックしましょう。製品によって1回で配信できるメールの数が異なります。特に多くの顧客を抱える企業は、1回で多くのメールを配信できるシステムを選ぶ必要があります。ただし、配信数に応じて料金が異なる場合もあるため、自社の配信数を想定し料金も合わせて検討する必要があります。

到達率

次に、メールの到達率をチェックしましょう。「到達率」とは送信したメールが顧客に到達した割合のことです。到達率が低い場合は迷惑メールとみなされており、せっかくメールを送っても顧客には読まれません。システムを選ぶ際は、到達率の比較も重要なポイントです。

機能

次に、システムごとの機能をチェックしましょう。ひとえに「メール配信システム」と言っても、製品によって搭載されている機能はさまざまです。例えば、購入後の御礼メール・購入1週間後にフォローメールといったように段階的に顧客へ送れる「ステップメール機能」や、メールの開封率・到達率を測定する「効果測定機能」が付いた製品もあります。最低限の一斉メール送信ができればいいのか、その他の機能が必要かをしっかりと検討して選びましょう。

料金体系

次に、製品ごとの料金体系をチェックしましょう。メール配信システムの料金体系は、「メールの配信数に応じて費用が発生するタイプ」と「月額固定料金タイプ」に分かれます。メールの配信数が少なければ、従量課金タイプの方が安く済みます。自社の配信数に応じて、適切な料金体系を選びましょう。また、中には初回無料サービスやトライアル利用があるシステムもあるので試してみてください。

セキュリティ対策の高さ

最後に、「セキュリティ対策の高さ」をチェックしましょう。メール配信システムは多くの顧客情報を扱うため、セキュリティ対策が万全かは非常に重要です。SSLなどの暗号化やウイルス対策など、システムごとのセキュリティ対策を比較しましょう。システムによっては、24時間体制でのWebサーバ監視が備わっている場合もあります。なお、クラウド型システムはベンダーのメールサーバを利用するため、既に利用している企業の口コミなどからベンダーの信用性もチェックしましょう。

「メール配信システム」比較検討時の注意点は?

メール配信システムを比較検討する際に、まずは導入の目的を整理し、目的にあわせたシステム選びをすることが重要です。

例えば「メルマガの開封率が低い」といった課題がある場合、メール配信システム導入の目的は「メルマガ反応率の改善」となります。インパクトの高い「HTMLメール」の作成機能がついたものや、ユーザーのニーズに応じた配信ができる「セグメント配信機能」がついたシステムを選ぶといいでしょう。また、「短時間で大量にメールを届けたい」という目的がある場合は、配信上限数の多いシステムを選ぶべきです。

まずは自社の課題を整理し、課題解決に適したシステムを選びましょう。

主要な「メール配信システム」の一覧

「Cuenote FC」(ユミルリンク株式会社)

おすすめ対象者

シンプルな操作性のシステムを求める企業

主要機能

配信予約機能、HTMLメール作成、デバイス別自動配信、効果測定など

特徴

配信まで、3STEPで完了するマニュアル要らずの操作性。

デバイスごとのURLクリック数や到達率、開封率などのレポート表示で効果分析も簡単。

初期費用、月額費用、その他費用

<クラウド型>

初期費用:30,000円~

月額費用:メールアドレス数に応じる

※無制限の場合150,000円~

<オンプレミス型>

別途問い合わせ

無料プランの有無、無償トライアルの有無

サポートの有無

有(導入サポート、運用サポートなど)

「WiLL Mail」(株式会社サパナ)

おすすめ対象者

メール配信数が毎月大きく異なる企業 

主要機能

配信予約、ステップメール配信、パーソナライズタグ機能、開封・クリック分析など

特徴

 最低契約期間1ヶ月で、毎月最適なプランに変更可能。

毎時100万通配信可能な高性能配信エンジンを搭載。

初期費用、月額費用、その他費用

別途問い合わせ

無料プランの有無、無償トライアルの有無

有(14日間)

サポートの有無

有(導入サポート、運用サポートなど)

「配配メール」(株式会社ラクス)

おすすめ対象者

見込み客抽出からセグメント配信まで、多機能なシステムを求める企業

主要機能

配信予約機能、セグメント配信、効果測定、ホットリード抽出など

特徴

属性情報をもとに細かいセグメント配信が可能。

特化プランなら見込み客を抽出し、ニーズにあわせたアプローチもできます。

初期費用、月額費用、その他費用

別途問い合わせ

無料プランの有無、無償トライアルの有無

トライアル有(詳細は別途問い合わせ)

サポートの有無

有(電話によるサポート、運用提案など)

「blastmail」(株式会社ラクスライトクラウド)

おすすめ対象者

多くの顧客を抱え、配信数・到達率ともに高性能なシステムを求める企業

主要機能

HTMLメール作成、ターゲット配信、効果測定、API連携など 

特徴

独自開発の高速配信エンジンで、毎時280万通の大量配信が可能。

マニュアル無しに簡単に操作できるほど、シンプルな画面も特徴。

初期費用、月額費用、その他費用

初期費用:10,000円(1年契約で初期費用半額)

月額費用

3,000円~(メールアドレス数に応じる)

無料プランの有無、無償トライアルの有無

有(7日間)

サポートの有無

有(電話によるサポート、運用提案など)

「メール配信システム」導入のメリット、デメリット

メリット1:業務の効率化につながる

メール配信システム導入のメリットに、まず、「業務の効率化につながる」点があります。メール配信にあたり、手作業で宛名を直したり本文を書き替えたりすれば膨大な時間がかかってしまいます。そこで、メール配信システムを利用して作業を自動化すれば、正確かつ迅速にメール送信が可能になります。また、重複メールの配信停止や、届かなかったアドレスの削除も行ってくれる機能もあり、送信後に発生する作業の手間も省けます。

メリット2:マーケティング戦略の改善につながる

次に、「マーケティング戦略の改善につながる」メリットがあります。いくらメールで顧客にアプローチをしても、メールをどれくらい開いてもらえたのか、URLをクリックしてもらえたかなどを分析できなければ改善につなげられません。そこで、メール配信システムを導入すればメールの開封率やURLのクリック率を確認できます。効果測定によって明らかになった課題点を改善することで、よりメールマーケティングの効果が高められます。

メリット3:人為的ミスを防げる

次に、「人為的ミスを防げる」メリットがあります。手動で大量にメールを送る場合に起きやすいのが「誤送信」。誤送信は個人情報の漏洩につながるため、企業の信用性を維持するためにも必ず防がなければなりません。メール配信システム導入により作業を自動化すれば、人為的ミスによる誤送信を減らす効果が期待できます。

デメリット1:設定の手間がかかる

メール配信システム導入のデメリットに、まず「設定の手間がかかる」点があります。メール配信システムによっては、配信時間や配信方法など細かな設定ができるタイプがあります。使いこなせれば便利ですが、初回設定時は膨大な時間がかかることも。結果、うまく使いこなせず無駄なコストがかかってしまう恐れがあります。トライアル期間などを利用して、購入前に実際の操作性や必要な機能を見極めるようにしましょう。

デメリット2:コストがかかる

次に、「コストがかかる」点が挙げられます。特にオンプレミス型の場合は、サーバ設置費なども含め初期費用が高額になります。初期費用が比較的安価なクラウド型でも、配信数によっては高額な料金がかかる点も否めません。導入時には費用対効果を見積もり、自社に適したシステムを選ぶのが重要です。

まとめ

いかがだったでしょうか?

使いこなすことができれば売上の向上に大きくつながるメール配信システム。これを機に導入を検討してみてください。


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