電話会議システムの比較

「電話会議システム」とは?

「電話会議」とは名前の通り電話を使った会議形態を指し、遠隔会議手段の1つとして広まってきました。そんな電話会議をスムーズに行うためのシステムが「電話会議システム」です。

電話会議では、会議参加者は固定電話・スマートフォンなどを活用して会議に参加します。基本的には参加者が専用の電話番号をダイヤルして参加する「ローカルアクセスポイント方式」、もしくは会議主催者が参加者全員に電話をかける「コールミーバック方式」で会議が始まる仕組みです。

電話会議では参加者の顔は見られません。しかし、Web会議よりも手軽に導入できてコストが抑えられる他、通信の安定性が高い点もメリットとして挙げられます。電話という普段から使い慣れた機器で利用できる点も、電話会議が多くの人に受け入れられやすい理由。また、電話回線は世界中に張り巡らされているため、海外拠点にいる従業員とも遠隔会議が可能です。

このように「電話会議」は今後ますます期待が高まっている遠隔会議手段であり、同時に重要視されているのが「電話会議システム」です。

「電話会議システム」にはどのようなタイプがある?

電話会議システムは、電話回線を使用するのが一般的。一方、近年は電話回線とインターネット回線の両方を使う「デュアルタイプ」も増えています。

電話回線を使う電話会議のデメリットはコストがかかる点。アクセスポイントにかける通話料金が参加者全員分発生するため、コストを抑えたいのであればインターネット回線を使用するタイプがおすすめです。ただし、インターネット回線を使用するタイプは定額制プランが多いのがデメリット。会議頻度が少ない場合、長期的に見るとコストがかかってしまう恐れがあるため注意が必要です。

「電話会議システム」の選び方は?

料金

電話会議システムの導入にあたり、まずチェックしておきたいのが「料金」です。電話会議システムの料金体系は、月々の基本料金に加えて会議ごとに料金が発生する「従量制課金サービス」が一般的。一方、サービスによっては定額制プランや割引が適用されるプランもあり、会議頻度が多い会社にはおすすめです。また、追加料金を払って「録音機能」など便利なオプションサービスをつけられるものもあります。

アクセスポイント数

次に、「アクセスポイント数」をチェックしましょう。電話会議ではアクセスポイントにかけるまでの通話料金が発生します。そのため、多くのアクセスポイントが用意されているサービスが、結果的に通話料金を抑えられる可能性があります。特に会議参加者が多い企業は、アクセスポイント数の多いサービスを選びましょう。

サポート体制

次に、「サポート体制」をチェックしましょう。会議中に何らかの不具合が発生した場合、なかなかトラブルが解決しなければ貴重な会議時間を失ってしまいます。そんな時に、24時間365日サポート対応を行ってくれる事業者であれば、問題が起きても迅速に対応してくれます。また、サポートによっては日本語以外の言語に対応してくれる場合も。国外と通話する機会が多いのであれば、海外からの参加者に対応したサポート体制があるかも見ておくのがおすすめです。

音声品質

次に、「音声品質」をチェックしましょう。Web会議と異なり、電話会議は視覚情報がないため音声品質は非常に重要です。せっかくの会議にも拘わらず、ノイズが混じってしまっては大事な内容を聞き逃しかねません。また、大きな会議室などで行う場合、反響音などの対策も考慮すべきです。円滑に会議を進めるためにも、音声品質はしっかりと確認しましょう。

PCとの連動性

視覚情報がない点がデメリットとして挙げられる電話会議ですが、近年は視覚情報を補うためにPCと連動できる電話会議システムも登場しています。PCとの連動機能があれば、資料を共有しながら会議の進行が可能。音声だけの情報よりも、お互いの理解が深まります。また、あわせてチャット機能がついていれば、万が一音声が不安定になって場合も会議をスムーズに継続できます。

「電話会議システム」比較検討時の注意点は?

電話会議システムの比較検討時は、あらかじめ導入目的や参加人数、会議頻度などを整理しておきましょう。自社の情報を整理しておくことで、より適切な電話会議システムの導入が実現できます。

例えば会議頻度が多い企業は、割引が適用されるプランを選べばコストが抑えられます。海外との会議が多い企業の場合、海外のアクセスポイントが多いサービスや、多言語に対応したサポートが受けられるサービスが安心。

導入前にはしっかりと導入後のシミュレーションを行い、各社から見積もりをとったうえで比較検討しましょう。

主要な「電話会議システム」の一覧

「V-CUBEボイス」(株式会社ブイキューブ)

おすすめ対象者

低コストでセキュリティ性抜群のシステムを求める企業

主要機能

操作ガイダンスの英語対応、24時間365日サポートなど

特徴

操作ガイダンスは日本語・英語対応で海外利用者がいる場合も安心。

高いセキュリティ性を持ち、5,000社以上が導入しているシステムです。

初期費用、月額費用、その他費用

初期費用・月額基本料無料。利用時のみ料金発生。

無料プランの有無、無償トライアルの有無

サポートの有無

有(質問・トラブル対応など24時間365日サポート)

「Arcstar Audio Conferencing」(エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社)

おすすめ対象者

多い接続数でも安定した音声通話を求める企業

主要機能

ワンタイムPIN、一斉呼出機能、24時間電話サポート

特徴

400回線まで接続しても安定した音声品質。

海外60か国/地域でフリーダイヤルに対応し、海外からの利用も便利です。

初期費用、月額費用、その他費用

【基本料】通常契約:1会議室につき550円/月 

短期契約(2週間のみ利用):1会議室につき275円

【会議利用料】1参加者あたり1分につき27.5円

※別途通話料が加算

無料プランの有無、無償トライアルの有無

サポートの有無

有(24時間電話サポート)

「bizspeak」(ルーシッド株式会社)

おすすめ対象者

フリープランありでまずは気軽に始めたい企業

主要機能

主催者切り替え、ミュート、会議室ロック、フリーダイヤル、会議録音など

特徴

フリープランなら登録1分ですぐに導入。

有料プランなら海外53ヶ国からの利用が可能。

初期費用、月額費用、その他費用

【グローバルプラン】24時間プラン:1,100円 30日プラン:3,300円 1年プラン:33,000円

北米エリア(アメリカ・カナダ)は0円

【ビジネスプラン】国内2~10回線 2時間まで1,000円

(以降10回線追加ごとに+1,000円)

国内+海外2~10回戦 2時間まで2,000円

(以降10回線追加ごとに+2,000円)

※1時間延長ごとに追加料金あり

無料プランの有無、無償トライアルの有無

有(フリープランあり)

サポートの有無

別途問い合わせ

「CCA」(Chorus Call Asia 株式会社)

おすすめ対象者

多機能ながらリーズナブルなサービスを求める企業

主要機能

自動録音機能、呼び出し機能、データ共有ツール

特徴

70ヶ国以上のアクセスポイント設置で海外との通話も安心。

独自の音声システムとデータ共有ツールで円滑な会議進行を実現できます。

初期費用、月額費用、その他費用

【初期費用・月額基本料】無料

【サービス利用料】15円/分×端末数×会議時間

※別途通話料が加算

無料プランの有無、無償トライアルの有無

有(2週間)

サポートの有無

有(問い合わせ対応など24時間365日 サポート)

「電話会議システム」導入のメリット、デメリット

メリット1:時間や場所を問わずに会議が行える

電話会議システム導入のメリットは、まず「時間や場所を問わずに会議が行える」点です。電話会議を使用すれば、従業員が自宅や他拠点など離れた場所にいてもスムーズに連絡が可能。もし、今まで会議のためにわざわざ遠方へ出向いていたのであれば、移動時間や交通費の削減になります。多くの店舗を抱える小売業や、多くの取引先を抱えるBtoB企業でも、遠方にいる相手と密接なコミュニケーションが可能になります。導入により、従業員の生産性が向上するのが電話会議システムの魅力です。

メリット2:Web会議よりもスムーズに会議が行える

次に、「Web会議よりもスムーズに会議が行える」点が挙げられます。主に電話回線を使用する電話会議システムは、インターネット回線を使用するWeb会議よりも通信の安定性が期待できるのがポイント。Web会議ならありがちな「遅延」や「音声の乱れ」が、電話会議では心配いりません。また、回線がつながらずに会議に参加できないトラブルも少ないです。電話会議システムによって、国内・国外問わず安定した通信で円滑な会議が実現できます。

メリット3:初期コストがほとんどかからない

次に、「初期コストがほとんどかからない」点です。電話会議を利用するにあたり、電話機は自社にあるものを使用すれば問題ありません。また、固定電話だけでなくスマートフォンも活用できるため、誰でも簡単に電話会議に参加できます。他にスピーカーやマイクが必要になる場合もあるものの、遠隔会議の中では断然コストを抑えて運用できるのが電話会議システムです。

メリット4:緊急時の連絡手段にもなる

最後に、「緊急時の連絡手段にもなる」点が挙げられます。電話会議システムは会議以外への活用も可能。複数拠点に一斉に電話をかけられるため、特に緊急時の連絡手段としても便利です。例えば、災害が発生した際の安否確認や緊急の場合の情報伝達も、電話会議システムを利用することで迅速に行えます。

デメリット1:相手の顔が見えない

一方、電話会議システムのデメリットに、会議においての「相手の顔が見えない」点が挙げられます。音声だけの情報伝達となる電話会議は、相手の表情を見ながら会議を進められないのが難点。特に、参加者が多い場合は誰が発言したかわからなくなりがちです。参加人数が多い場合は、各自が名前を告げてから発言するなど、ちょっとした工夫が必要になります。

デメリット2:資料共有ができない

次に、「資料共有ができない」点が挙げられます。視覚情報のみの電話会議では、Web会議などと比べると細かいニュアンスを感じ取るのは難しいです。資料を使って分かりやすく説明したい場合は、先にメールなどで資料を送っておいてから電話会議を行いましょう。また、PCと連動性があり、電話会議をしながら資料共有ができるサービスの利用もおすすめです。

デメリット3:通話料金がかかる 

最後に、「通話料金がかかる」点が挙げられます。電話会議システムの導入は、初期費用こそは安いものの通話料金が発生してしまう点がデメリット。特に海外拠点と長時間行う場合は、通話料金がかなり高額になってしまう場合があるため注意しましょう。サービスごとの費用を比較検討し、自社にあったプランが用意されているサービスを選んでください。


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