DMPの比較

「DMP」とは?

DMPとは『Data Management Platform(データ マネジメント プラットフォーム)』の略で、サーバーに蓄えられたさまざまなデータの管理や分析を行い、マーケティングに活用するシステムのことです。

自社サイトに訪れた顧客の行動データを収集・分析することで、顧客の潜在的なニーズを把握します。分析の結果を広告配信などの施策に活用することでコンバージョン率や売上の向上を目指します。

ネット上のデータだけではなく実店舗の売上などを分析することも可能です。

DMPの選び方やおすすめのサービスなどを紹介していきます。

「DMP」にはどのようなタイプがある?

DMPのタイプについて紹介します。

パブリックDMP

他社が保有している顧客データを蓄積しているDMPのことで、自社にはない顧客の行動データを使用して新たな施策を行うことができます。自社の顧客が他社サイトでどのような動きをしているか検証することも可能です。

主に新規顧客開拓に利用できます。

プライベートDMP

自社で保有している顧客の行動履歴や購買データを蓄積しているDMPになります。自社サイトに訪れた顧客がどのページをクリックしたのか、どんなものを購入したのかなど自社で取得できるデータを施策に応用します。

既存顧客に継続して商品を購入してもらうための施策や別の商品に興味を持ってもらうための施策に利用できます。

「DMP」の選び方は?

費用や料金体系で選ぶ

サービスによって月額費用が異なるので、使用にかかる費用をチェックしましょう。機能の追加や使用する人数で料金が異なる場合もあります。

まずは社内で目的と予算をしっかりと確認してから検討をしましょう。

導入実績

導入実績はサービスを信用する要素の1つです。

自社の業種と同じような企業がサービスを導入しているならば自社でも使用できる可能性が高いと判断できます。例えば実店舗の購入データを活用したい場合、同じような業種で規模感の近い企業が導入しているかを確認することで導入後のイメージが付きやすくなります。

UI(ユーザーインターフェース)の使いやすさ

操作画面などの使いやすさをチェックしましょう。操作しづらいUIですと、DMPを使用する人の負担が大きくなってしまいます。分かりやすいものであれば導入もスムーズに進めることができます。

AIやIoTを活用可能か

DMPではAIによるデータ分析が可能です。収集するデータ量が多いほど人の力だけで分析するのは大変です。AIを活用することで大量のデータを細かく分析して施策に応用できます。ものとネットワークを繋ぐIoTを利用できれば、実店舗などで収集したリアルタイムのデータを活用できます。

自社のサービスや施策に合わせて必要な技術を確認しましょう。

カスタマイズ性

自社に合わせてカスタマイズ可能かチェックしましょう。まずは自社でDMPをどのように利用するかを決定し、想定する使用方法に対応できるサービスを探していきます。

カスタマイズをし過ぎて逆に使いづらくなることを防ぐためにも、最初にしっかりと利用目的をはっきりとさせましょう。

データのリアルタイム性

最新のデータを取得できるかチェックしましょう。サービスによってデータを取り込むまでにかかる時間が異なります。市場の状況をいち早く取り入れたいならば、データ処理にかかる時間を確認すると良いです。

「DMP」比較検討時の注意点は?

さまざまなDMPを比較する際の注意点を紹介します。

目的のタイプを使用できるか

サービスによってプライベートDMPかパブリックDMPのどちらかしか使用できない。もしくはどちらも使用できるなど形態はさまざまです。

自社の目的にあったものが使用できることは大前提となります。

実店舗のデータも収集可能か

実店舗を運営しているならば、店舗の売上データが収集可能か確認しましょう。IoTなど顧客データの活用も利用できるかチェックする必要があります。

データの信頼性

パブリックDMPの場合どのようにデータを収集しているかが重要です。サイトなどに記載していない場合は、お問い合わせなどで確認しましょう。

グラフの有用性

取得したデータをグラフに変換している場合、グラフの有用性をチェックしましょう。自社にとって必要となるデータを抽出して役に立つグラフに変換できるかが重要です。

効果測定の有無

データを収集後にA/Bテストなど、施策の効果測定が可能かチェックしましょう。効果測定が可能ならば別で効果測定ツールを導入する必要がなくなるのでお得です。

主要な「DMP」の一覧

おすすめのDMPを紹介します。

「Adobe Audience Manager」(ヤフー株式会社)

主要機能

オーディエンス分析・A/Bテスト・データプライバシー制御・リアルタイム配信・デバイス別のデータ収集・顧客のセグメント

特徴

POSデータやIoTデバイスなど実店舗から取得したデータとモバイルサイトなどオンラインで取得したデータを横断的に集約できます。

煩雑に見えるデータをAIで分析して、利用者が分かりやすいグラフにすることができます。

初期費用、月額費用、その他費用

お問い合わせ後に相談して決まります。

無料プランの有無、無償トライアルの有無

無し

サポートの有無

無し

「Cxense DMP」(シーセンス株式会社)

主要機能

エンゲージメント・マネタイズ・他社ツールとの連携

特徴

デバイスを問わずデータ収集が可能で、POSデータなどリアルなデータも収集できます。ユーザーにとって関連性が高いコンテンツを提供できるので、効率的に収益アップを狙えます。

初期費用、月額費用、その他費用

お問い合わせ後に相談して決まります。

無料プランの有無、無償トライアルの有無

無料のデモを利用できます。

サポートの有無

無し

「juicer」(ログシー株式会社)

主要機能

ペルソナ分析・NPS・A/Bテスト・BtoB分析・リードスコアリング・ポップアップバナー・ユーザー分析・アクセスログ分析

特徴

顧客の関心度をスコアリングして効果的な施策をサポートします。フォームやポップアップなど顧客へのアプローチも可能です。

初期費用、月額費用、その他費用

顧客の詳細な行動履歴などを取得するデータ活用プランは月額20万以上です。

分析結果のレポートを自動作成するDMP分析レポートプランは月額5万円以上です。

広告運用代行プランは5万円+広告配信費+広告運用費です。

セグメントデータご提供プランは1セグメントにつき5万円です。

無料プランの有無、無償トライアルの有無

基本機能の使用は無料です。

サポートの有無

サポートサイトにQ&Aがあります。

「DMP」導入のメリット、デメリット

DMPを導入するメリット

・大量のデータを管理・分析しマーケティングに活用できる

顧客に関する大量のデータを管理・分析することで潜在的な顧客を洗い出すことが可能です。

・マーケティングの効率が上がる

スコアリングやテストによりターゲットに対して最適な施策を見つけることができます。効果的なマーケティングを行うことで売上の向上を目指します。

・自社にはないデータを活用できる

パブリックDMPでは自社にはないデータを活用することができます。サービスの運用開始時は検証に必要なデータが十分ではありません。そこで他社のデータを参考にすることで今後の施策に役立てることができます。

DMPを導入するデメリット

・費用に相当する効果が得られない可能性がある。

DMPに費用をかけても利益を上げられない可能性もあります。自社にとって効果的なデータを集められない場合や効果的な施策を生み出せないと意味がありません。導入前にDMPの活用方法をしっかりと検討しましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

DMPを活用するのは難しい反面、活用できた時の恩恵は大きいです。

これを機に是非DMPの導入を検討してみてください。


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