【Win-Win】とはビジネス用語の一つです。
「自分も相手も勝つ」「勝つと勝つ」ことを意味します。
もとはお互いのメリットを増やし、交渉をうまく進める手法のことです。
今回はこの【Win-win】について解説します。
Win-Winとは
Win-Winの意味
【自分も勝ち、相手も勝つ】のが Win-Winの意味です。
ビジネスシーンで良く使われる言葉になります。
多くの会社が互いに利益を出して発展するのが狙いです。
Win-Winの語源
英語で【勝つ】を意味する【 Win】。
これを重ねた【 Win-Win 】は直訳すれば【勝つと勝つ】です。
これは自分も相手も勝つ、つまりお互いにメリットのある表現になります。
Win-Winの具体的な状況・文例
①ビジネスシーンにて
「今回のプロジェクトでこちらはかなり得をしたよ。取引先も非常に喜んでくれた。
結果としては Win-Winだよ。」
➡お互い利益が出て、良い結果の取引が出来た。 Win-Winである。
②プレゼン会場にて
「今回のプレゼンは結果としてはうまくはゆかなかったし、非常に大変だった。
しかし自分も部下も共に成長したし、得たものは大きかった。なので Win-Winだよ。」
➡結果はともあれ、人として自分や部下が成長できた。 これもWin-Winである。
③お客と営業でのやりとり
お客「今月の発注予定はもうないんだよ。まだ在庫があるからね。」
営業「実は今月のノルマ達成まであと少しなんです。」
営業「もし来月分をいま発注していただけたら、来月分は2割引きの価格にしますよ。いかがですか?」
お客「本当かい?ではぜひお願いするよ!」
➡お客・来月の発注経費削減。営業・今月のノルマ達成。 Win-Winである。
Win-Winの類義語
類義語には以下のものがあります。
- 相互利益・・自分と相手が互いに利益をもたらす関係のこと。
- 互恵(ごけい)・・お互いに特別な便宜、利益を与えたり受けたりすること。
- 共存・共栄・・二つ以上のものが、ともに栄えること。またはお互いに敵対することなく、助け合いながら生存すること。
- 持ちつ持たれつ・・お互いに助けたり助けられたりすること。
- ギブアンドテイク・・お互いに与えあい、奉仕しあうこと。
Win-Winの反対語
今度は反対語です。
- 共倒れ・・お互いが争った結果、両者ともに立ち行かなくなること。
- 痛み分け・・お互いが争った結果、互いに損害を受けたまま引き分けること。
- 不利・・相手に対して、どちらかの形成が良くないこと。
- ゼロサム・・(ゲーム理論)と呼ばれる経済理論の用語。
【片方が利益を出した際に、もう片方は同じ分の損益を出すこと】。
投資では、一方が上がればもう片方は下がることから言われる言葉。つまりプラスマイナスゼロである。
Win-Win-Winとは
WINの一つ増えた Win-Win‐Winは、自分・相手・第三者の全員が良い「三方よし」を意味します。
もとは近江商人の企業理念と言われており「売り手」「買い手」そして「世間」にも良いものとされる考え方です。
自分と相手だけでなく、第三者の世間までも考えてビジネスをおこなう。
近江商人の奥の深さを知るとともに、自分以外のことを考える重要性を気づかせてくれます。
ちなみに三方よしを実践する企業として伊藤忠商事・ツカキグループ(ジュエリー、アパレル)・楽天・ホンダが有名です。
Win-Winにおいて大切なこと
Winwinにおいて大切な点は
【お互いの利益になり、お互いが満足できる】を目指すことです。
何かを決定するとき・問題を解決する際に全て当てはまります。
自分と周囲の相手、全ての人間関係。その全員に利益がある考え方や姿勢を持つことが求められるのです。
勘違いが生じれば、交渉がうまくいかない恐れもあります。
よく話し合い、お互いが認め合うように進めることが求められるでしょう。
もう少し詳しく見てみると
- 相手よりも努力をすること
- 異なる価値観を認め合うこと
- 駆け引きをしないこと がポイントです。
1.【相手よりも努力をすること】は、片方だけでなくお互いに必要な意識です。
よく【お互いに同等に努力しあうこと】と取られがちです。
相手よりも努力するのは損だ、相手の出方に合わせて同じ位努力すれば良いと思うと不公平感が生まれてしまいます。
なので、相手を上回る程に努力をすることで期待以上の結果をもたらすでしょう。
2.【異なる価値観を認め合うこと】
価値観は人によって異なるのは当然です。
なので交渉する前に、お互いの価値観やズレを把握しておくのは非常に大切です。
相手のwinには、相手の思考、信念やビジョンそして求めるものが何かを理解しておく必要があります。
お互いの価値観を擦り合わせ、事前に理解しておけば、交渉もスムースに進むことでしょう。
3.【駆け引きをしないこと】
駆け引きの狙いは【相手の出方や状況を見つつ、自分が有利になるように】物事を進めることです。
Winnwinの原則は【お互いが利益を目指すこと】です。
決して自分のことだけを考えて物事を進めてはなりません。
常にお互いが相手を思いやり、行動すれば良い結果をもたらします。
Winnwinの理想は「自分も相手も勝つ」ことです。
しかし現実ではうまくゆかない時もあるかもしれません。
ではwinnwin以外の関係も少し解説します。
Win-Win or NoDeal について
これはwinnwinの【自分が勝って相手も勝つ】ことと同じく
【自分も相手も勝てないならばDeal(取引き)をしない】考え方です。
お互いに利益を出せないならば、取引は一旦取りやめて保留するというものです。
【一旦】であって今後一切ではなく、お互いに解決策を考案できるまで待ちます。
その後、良い策ができれば再度winnwinの取引をおこなえばよい。
どちらかが妥協して片方の利益を犠牲にすることなく、お互いに利益を出せるまでは待つのが重要な点です。
お互いよりよい利益を出すのには、待つことも大切です。
Win-Winの使い方についての注意点
Win-Win は主にビジネスシーンで使う言葉ですが、真剣なやり取りの場では使わない方がよいかもしれません。
重要な取引や契約の場などが該当します。
ビジネスメールのやりとりでも同様です。
理由は【 Win-Win 】が比較的にくだけた表現のため、相手によっては軽薄な受け答えに取られかえない恐れもあります。
社内で使用するならば、気心知れた・仲の良い同僚などの間だけが良いかもしれません。
Win-Win はビジネスシーンだけでなく、プライベートでも使える言葉です。
ただし、プライベートや人、特に男女付き合いで使う際は注意してください。
時と場合によっては打算で付き合いをしていると捉えられるためです。
人付き合いでは見返りを求めず、純粋に相手のためにしてあげたい・やってあげたいときも必要だからです。
【見返りがあるからやる、何も得られず損するだけならやらない】
これは相手のこころに響かなくなる恐れもあるはずです。
あと注意点としては、【自分の都合を相手に押し付けるために、相手を思いやるフリをする】のはよくありません。
「あなたのためを思って言っている。やっている。だから Win-Win でいこう」などという場合もこれにあたります。
自分の意見を通すのに相手を譲歩させる。
相手が自分よりも少し弱い立場ならば、起きてしまうかもしれません。
相手の立場や状況を考えてうまくコミュニケーションを取ることが良いでしょう。
まとめ
Win-Winの言葉には計算高いイメージを持つ方もいるかもしれません。
実際、お互いの利益を生み出すには緻密な計算が必要なのは事実です。
しかし、本当に大切なことは【相手を思いやる・期待以上のものを生む】ことなのかもしれません。
互いに相手を思いやって物事を進めれば、すばらしい Win-Winとなるでしょう。
決して打算的にはならずに、常に相手のことを考えて取り組む。
そうすればビジネスでも人づきあいでも良好な関係を描けると思います。