MDM(モバイル端末管理)ツールとはiPhoneやAndroidなどのスマートフォンやタブレット端末を一括管理して、遠隔操作やアプリケーション管理・Webブラウザー管理などを行うことでセキュリティを強化するためのツールです。
昨今、場所にとらわれないテレワークなどの働き方を導入する企業が増えており、多くの企業では従業員一人ひとりにデバイスが配布されて各々管理を行っていますが、端末を紛失・破損してしまった場合に情報漏洩や貸与物品管理などを行わなければなりません。
例えば、出先でスマートフォンを紛失してしまった場合は、MDMツールを使って遠隔からデバイスロックやデータの初期化を行うことで情報漏洩を防げます。
また、MDMツールはモバイル端末のバージョンやインストールしたアプリケーションの管理などを一元管理できるので、情報セキュリティ担当者の業務負担を軽減できるため、複数のデバイスを所有する企業には欠かせないツールです。
「MDMツール」にはどのようなタイプがある?
MDMツールには「クラウド型」と「オンプレミス型」の2タイプに分かれています。
クラウド型は既存サーバーを利用してMDMツールを利用するから、インターネット環境がある場所では365日24時間いつでもツールが利用できるメリットがあります。そのため、テレワークなどの場所を問わない働き方を導入する企業から注目を集めているタイプです。
サーバーを新設する必要がないため初期費用を抑えられる傾向にあり、月額使用料を支払うことで利用申し込み日から時間がかからずスピーディー利用開始できます。
一方で、一般向けのサーバーを利用してMDMツールにアクセスするため、自社の好みに合わせて機能を追加するなどカスタマイズに制限があり、セキュリティ面で外部からのサイバー攻撃を受けてしまうリスクが考えられます。
オンプレミス型は自社専用のサーバーを用意して、そこからMDMツールにアクセスするのでサーバーの構築・運用費が発生するため初期費用が高くなってしまう傾向にありますが、機能の追加やデザインの変更など自由度の高いカスタマイズが実現できます。
システムの運用管理やバージョンアップなどを自社で行う必要があるため、システム運用の知識があるスタッフが在籍しなければなりません。
「MDM(モバイル端末管理)ツール」の選び方は?
MDMツールを選ぶポイントは「セキュリティ機能」や「使いやすさ」を軸として選ぶことをオススメします。
MDMツールはスマートフォンやタブレットなどの端末管理や遠隔操作が行えますから、セキュリティ機能が整っているツールを選ばなければかえって情報漏洩のリスクを高めてしまう可能性もあります。
企業の大切な情報を外部に漏らさないためにも、セキュリティ機能の高いMDMツールを選びましょう。
またMDMツールは海外製品も多くリリースされているので、ツールの使いやすさも大切なポイントです。操作方法が分かりにくいケースや日本製品へのサポート体制が整っていないこともあります。
無料トライアルやデモがある場合は、導入前に使用感を確かめておくことをオススメします。
「MDM(モバイル端末管理)ツール」比較検討時の注意点は?
MDMツールを導入する際の比較検討時の注意点は、“対応するデバイスの種類を確認しておくこと”です。
社内で従業員がそれぞれ使用しているスマートフォンやタブレットなどのデバイスが全て同じ場合はそれらがツールに対応しているかをチェックするだけでOKです。
しかし、デバイスのプラットフォームが統一されておらず、種類が複数混合している場合はマルチデバイス対応のMDMツールを選ぶようにするとよいでしょう。
せっかく導入したのに非対応機種があり使えないというトラブルがないよう、対応デバイスの種類を確認しておくことはツールを選定する上で重要なポイントです。
主要な「MDM(モバイル端末管理)ツール」の一覧
「CLOMO MDM」(株式会社アイキューブドシステムズ)
おすすめ対象者
テレワークを安全に導入したい企業、安全性の高いセキュリティ機能を求める企業、使いやすいMDMツールを求める企業、遠隔操作で利用状況を把握したい企業
主要機能
機能を制限・設定、遠隔操作、端末ロック・データ消去、アプリの配布・管理、ウイルス対策、電子証明書の配布、アプリ管理、緊急サポート
特徴
MDM市場11年連続No.1、遠隔で利用状況を把握、専任のサポートチームがしっかりサポート
費用
【CLOMO MDM】初期費用19,800円、月額2,100円、ライセンス月額300円(1デバイス)
【CLOMO SECURED APPs】
CLOMO SecuredBrowser/初期費用19,800円、月額2,100円、ライセンス月額250円(1デバイス)
CLOMO SecuredBrowser with i-FILTER/初期費用19,800円、月額2,100円、ライセンス月額380円(1デバイス)
CLOMO SecuredMailer/初期費用19,800円、月額2,100円、ライセンス月額380円(1デバイス)
CLOMO SecuredCalendar/初期費用19,800円、月額2,100円、ライセンス月額250円(1デバイス)
CLOMO SecuredContacts/初期費用19,800円、月額2,100円、ライセンス月額250円(1デバイス)
CLOMO SecuredDocs/初期費用19,800円、月額2,100円、ライセンス月額320円(1デバイスあたり)
無料プランの有無
無料プランなし、無償トライアルあり(期間未記載:10デバイスまで)
サポートの有無
サポートあり(専任のサポートチームによるサポート、24時間365日有人オペレーターが緊急対応、カスタマーサポート)
「i-FILTER ブラウザー&クラウド」(デジタルアーツ株式会社)
おすすめ対象者
モバイル端末やPCのWebアクセス制御を行いたい企業、クラウド型のMDMツールを利用したい企業、管理者の負担を軽減させたい企業、情報漏洩対策を行いたい方
主要機能
URLフィルタリング、セキュアブラウザー機能、レポーティング機能
特徴
使い慣れた標準ブラウザーでもフィルタリング、アプリケーションによらずWebアクセスを制御、メールのURLリンクを直接セキュアに開くことができる、マルチデバイスを一元管理
費用
500ライセンス購入の場合:1ユーザーあたり年額2,400円(※ライセンスごとの初期費用、月額費用、その他費用は要問合せ)
無料プランの有無
無料プランなし、無償トライアルあり(30日間無料体験)
サポートの有無
サポートあり(電話・メールによるカスタマーサポート、イベント・セミナー開催など)
「Optimal Biz」(株式会社オプティム)
おすすめ対象者
IT管理者の負担を削減したい企業、業務効率化を求める企業、端末管理コストの軽減をしたい企業、サポート体制が整っているツールを利用したい方
主要機能
端末管理、遠隔操作(端末ロック・データ消去など)、アプリケーションの制限、Webフィルタリング、資産管理
特徴
マルチデバイスをクラウドで一元管理、18万社以上の導入実績、各種レポート機能、管理者へのアラート通知、アプリ配信・連絡先の追加、国内開発のため安心のサポート体制
費用
初期費用、月額費用、その他費用については要問合せ
無料プランの有無
無料プランなし、無償トライアルあり(未記載)
サポートの有無
サポートあり(問合せフォーム、カスタマーサポート)
「MDM(モバイル端末管理)ツール」導入のメリット、デメリット
MDMツールを導入するメリット・デメリットについてお話していきます。
MDMツールを導入するメリットは次のようなものが挙げられます。
- モバイル端末が簡単にできる
- 盗難&紛失対策ができる
- セキュリティ対策の強化
MDMツールはデバイス端末の管理を一括で行えるので、誰がどの端末を利用しているのかやどのようなアプリケーションをインストールしているかなどを把握できます。
GPS機能の搭載されたツールの場合は盗難されてもデバイス端末がある位置情報が分かるので対策になります。また遠隔操作で端末にロックをかけたり、データの初期化を行ったりなどセキュリティ対策にも対応できるメリットがあります。
MDMツールを導入するデメリットはコストがかかる・ソフトウェアの利用に制限が発生する可能性があるという点です。
MDMツールを導入するとコストが掛かるので、あまりお金を掛けずにデバイス管理を行いたい企業にとってはデメリットに感じるでしょう。デバイス端末の管理が少数の場合はツールを利用せずに個人で管理を行っても良いかもしれません。
もう1つのMDMツールを導入するデメリットは脆弱性のあるソフトウェアを利用しようとすると、業務上必要なものもセキュリティ対策に引っかかり、アクセス制限がかかってしまう可能性があることです。