クライアントPC管理ツールの比較、選び方

「クライアントPC管理ツール」とは?

ITシステム環境はサービスを提供するサーバー側とサービスを受け取るクライアント側で成り立っており、クライアントPC管理ツールとは、サーバーからサービスを受けるクライアントPCを管理するツールのことを指します。

企業内では従業員に付与するPCがクライアントPCとなることが多く、それら1台1台を手作業で管理すると効率が悪いため、まとめて一括で管理できるツールが「クライアントPC管理ツール」です。

企業では従業員に付与するPCについて「誰にいつから付与しているか、どんな状態でどこに管理しているのか」などの情報を把握しておかなければなりません。

そのほかセキュリティ対策や最新版のアップデートなど管理しなければならない情報も、クライアントPC管理ツールを導入することで管理が容易になり、担当者の負担が軽減できます。

「クライアントPC管理ツール」にはどのようなタイプがある?

クライアントPC管理ツールは多くのサービスが提供されていますが、大きく分けると「クラウド型・オンプレミス型・パッケージ型」の3タイプに部類分けされます。

クラウド型は提供会社のサーバーを通してクラウド上のソフトウェアに接続して、クライアントPC管理ツールを利用します。自社でサーバーを用意する必要がないから、月額利用料を支払うと申し込みからすぐに利用がスタートできるという特徴があります。

またクラウド型はインターネット環境が整っていれば、場所や時間に関係なくツールが利用できるので、出張先がある方やテレワークを導入している企業にもおすすめです。

ツールに必要な更新作業などもツールの提供会社が行うので、システムの運用や構築を行う必要がありません。

オンプレミス型は自社サーバー内のPCにソフトウェアやデータベースをインストールしてツールを利用します。

自社専用の回線を利用するから、自社でシステムの構築や運用・管理を行う必要がありますが、その分ツール内の機能追加や修正など自社に合わせて自由度の高いカスタマイズが実現できます。また、専用の回線を使ってアクセスするため、外部からの不正アクセスを受けにくいです。

しかし、自社専用のサーバーが必要となるので、クラウド型と比較すると利用開始できるまでに時間を要し、初期費用が高額になってしまう傾向にあります。

パッケージ型はソフトウェアとしてDVDやゲームソフトのようにパッケージソフトとして販売されているタイプで、PC内に取り込むことでツールが利用できます。大衆向けに販売されていることから機能のカスタマイズを行うことはできませんが、新しいサーバーを用意する必要やサーバーの運用・構築の知識も不要です。

「クライアントPC管理ツール」の選び方は?

クライアントPC管理ツールを選ぶポイントは「運用タイプ」や「管理範囲」を軸として選ぶことをオススメします。

まずは、先述でご説明した「クラウド型・オンプレミス型・パッケージ型」の運用タイプで導入を検討するツールを絞りましょう。

次に、企業としてどこまでクライアントPCを管理したいかなどの条件をピックアップします。必要な機能が携わっており、セキュリティ対策が整ったコストパフォーマンスの良いツールがベストです。

「クライアントPC管理ツール」比較検討時の注意点は?

クライアントPC管理ツールを導入する際の比較検討時の注意点はサポート体制が整っているかどうかです。

クライアントPC管理ツールはPC1台1台の管理を行ってくれるので、作業効率をアップさせることができます。

しかし、毎日ツールをチェックすることはあまりないため、いざ「操作ログを調べたい」や「マルウェア感染の原因が知りたい」などの目的ができた場合に操作方法が分からないということもあります。

そういった際にツールの提供会社のサポート体制が整っていなければ、情報が手に入るまでに時間がかかってしまうことも考えられます。そのため、クライアントPC管理ツールを導入する際にはサポート体制が整っているかにも注目しておきましょう。

主要な「クライアントPC管理ツール」の一覧

「AssetView」(株式会社ハンモック)

おすすめ対象者

必要な機能を搭載しているツールを低コストで導入したい方、情報システム部のテレワーク導入を検討している企業、業務効率をアップさせたい企業、業務負担を軽減したい方

主要機能

基本インベントリ情報の取得、PC更新管理、マルウェア対策、内部統制対策、データ流出対策、PC運用管理、メッセージ配信、電源管理機能、自動レポート

特徴

導入実績9,500社以上、オンプレミス・クラウド型に対応、課題をまとめて監視できる、セキュリティ対策の強化、目的に合わせたカスタマイズができる

費用

①セキュリティパッケージプラン、②スタンダードパッケージ、③単体プラン

料金:【初年度】基本料金+月額利用料、【次年度以降】月額利用料

無料プラン、無償トライアルの有無

無料プランなし、無償トライアルなし(イベント・無料セミナーあり)

サポートの有無

サポートあり(問い合わせフォーム、FAQ、カスタマーサポート)

「SKY SEA」(SKY株式会社)

おすすめ対象者

安全なテレワーク運用を行いたい企業、PC管理を効率よく行いたい企業、セキュリティ対策を高めたい企業、業務の見える化で無駄な作業をカットできる。

運用方法

資産管理、ログ管理、セキュリティ管理、デバイス管理、ITセキュリティ対策強化、ソフトウェア更新管理

特徴

約17,000人以上のユーザーが利用、統合エンドポイント連携ソリューション

データ暗号化、デバイスの制限管理ツール売り上げジェアNo.1、サポート体制充実

費用

初期費用、月額費用、その他費用については要問い合わせ

無料プラン、無償トライアルの有無

無料プランの有無、無償トライアルあり(オンラインセミナ―開催)

サポートの有無

サポートあり(専任のカスタマーサポート問い合わせフォーム、FAQ、保守契約ユーザーWebサイト、ヘルプデスクユート-ビア)。

「LANSCOPE」(エムオーテックス株式会社)

おすすめ対象者

多様な働き方でテレワークを導入した企業、セキュリティパッチ適用による脆弱性対策の課題を持つ企業、PCの大型アップデート管理・更新プログラム管理を行いたい企業

主要機能

基本機能(Webコンソール・ネットワーク通知、リモート電源管理)、IT資産管理(IT資産管理・ソフトウェア資産管理・ファイル配布)、内部不正対策(操作ログ管理・Webアクセス管理・デバイス制御)

特徴

AIを活用したウイルス防御、オンプレミス型に対応、

料金例

【操作ログ取得】端末1台あたり4,500円、【資産管理】端末1台あたり4,500円、【資産管理+操作ログ+Webアクセス管理+デバイス制御】端末1台あたり9,800円 ※詳細料金については要見積

無料プラン、無償トライアルの有無

無料プランなし、無償トライアルあり(無料体験31日間)

サポートの有無

サポートあり(導入・運用サポート、リモートサポート、ヘルプデスク)

「クライアントPC管理ツール」導入のメリット、デメリット

クライアントPC管理ツールを導入するメリット・デメリットについてお話していきます。

クライアントPC管理ツールを導入するメリットは次のようなものが挙げられます。

  • 業務負担の軽減&作業効率アップ
  • セキュリティ対策

クライアントPC管理ツールを導入することで、クライアントPCの管理が容易になるため、情報セキュリティ部門の担当者の業務負担が軽減できます。

また、リモートワークを導入している企業は自宅にPCを持ち帰り、出先でのPC操作となると公衆無線LANなどの安全性の低いネットワークに接続してネットワークを利用することもあります。

そういった際にウイルスに感染してしまったり、不正アクセスを受けてしまう可能性もあります。クライアントPC管理ツールを導入していれば、最新版のウイルスソフトを搭載することにより、セキュリティ対策を行ってくれるメリットがあります。

クライアントPC管理ツールを導入するデメリットは特にありませんでした。 導入や利用に費用が発生しますが、コストを支払うだけで企業内のクライアントPCを一元管理できるので、担当者の負担が軽減できます。


AD