「CTI」とは?

CTI(Computer Telephony Integration)は、電話とコンピューター・FAXを統合する技術システムのことを指します。

CTIシステムを利用すると受電した電話番号をもとに登録してある顧客情報システムを解析し、顧客名や住所などの特記事項をコンピューター上に表示できます。受電ごとに顧客情報を手動で検索する必要がないため、スムーズに業務に取り掛かることができます。

また、これまでの顧客との通話データをもとに見込み顧客や繋がりやすい時間帯などの顧客のグループ分けを行うことも可能です。顧客との過去のやりとりを記録して今後の業務に活用できるので、効率良く業務を遂行できます。

「CTI」にはどのようなタイプがある?

CTIは多くのサービスが提供されており、クラウド型とオンプレミス型、さらにインバウンド業務向けとアウトバウンド業務向けの機能の4つに分かれています。

クラウド型はインターネット上に仮設したサーバーを経由してCTIツールにアクセスします。インターネット環境があれば24時間どこからでも利用できる特徴があるため、自宅や社内に新しくサーバーを設置する必要はありません。

サーバーの開設時間を短縮できるので導入までがスピーディーで、初期費用を安く抑えられる傾向にあります。

オンプレミス型は自社が利用する専用のサーバーを構築して、専用サーバー経由でCTIツールを利用します。

新しく回線を設置する必要があるため、クラウド型と比較すると初期費用が高くなってしまう傾向にありますが、外部からの不正アクセスを受けるリスクが低く、マルウェア感染対策としても高いセキュリティを維持できます。

また、大衆向けのサーバーではないので、自社特有の機能やデザインなどの要望に合わせて自由度の高いカスタマイズができるメリットがあります。

インバウンド業務向けはインバウンド業務を効率化させるためのCTIシステムで、着信時に顧客情報をポップアップ表示や複数拠点に分散したコールセンターの連携を行えます。

アウトバウンド業務向けCTIはテレフォンアポインターなどのアウトバウンド業務の効率化や1件あたりの架電の精度を向上させるために利用します。

例えばこれまでの架電データを分析して在宅率が高い時間帯に電話を掛けるように仕組みづくりを行ったり、なかには自動発報システムを搭載しているものもあります。

「CTI」の選び方は?

CTIを選ぶポイントは「情報共有がスムーズにできるか」や「目的を達成できるか」を軸として選ぶことをオススメします。

CTIツールを導入する際には業務内容の情報共有がスムーズに行えるかどうかが重要なポイントです。例えば、自分の担当以外の顧客からの電話に対応する場合、顧客の待ち時間を長くしてしまうとストレスト与えてしまうことでクレームに繋がることも考えられます。

そのため、過去の対応履歴がすぐに表示できるCTIツールなどの情報共有がスムーズにえきるCTIを選びましょう。

また、CTIツールを導入する際の目的を達成するために必要な機能が搭載されているかどうかも重要なポイントです。多くのツールを選定していると、豊富な機能が搭載された李力的なツールも多く存在します。しかし、実際は本来目的となる課題を解決できるかどうかでツールを選びましょう。

「CTI」比較検討時の注意点は?

CTIを導入する際の比較検討時の注意点はサポート体制と既存システムとの連携が可能かという点です。

CTIツールを導入した後にトラブルが発生してツールが利用できなくなってしまうと業務に支障が出てしまい顧客を待たせてしまったり、電話が繋がらなくなったりとクレームに繋がります。

24時間365日のサポート体制や企業専任のサポートスタッフからのサポートなどが受けられるかどうかを確認しておきましょう。

また既存システムとの連携も重要なポイントです。せっかくCTIツールを導入したのに既存システムとの連携ができなければ連携可能なツールに既存データを移す作業や、連携せずに使うと不便に感じてしまうケースもあります。

現在利用している顧客管理ツールなどのシステムが、導入を検討しているCTIツールとの連携を行っているかをチェックしておきましょう。

主要な「CTI」の一覧

「BIZTEL」(株式会社リンク/ブライシス株式会社)

おすすめ対象者

オペレーターのテレワークを導入したい企業、CRMやSFAと連携して業務効率化したい企業、クラウド型のCTIツールを求める方、問い合わせ窓口を簡単・スピーディーに開設したい方、セキュリティ対策を整えたい企業

主要機能

コールセンター管理(ACD設定・ガイダンス設定・エージェント管理・着信設定)、稼働状況モニタリング(通話数・待ち呼数・着信数・応答率・放棄呼数)、統計レポート(コールセンターレポート・エージェントレポート・アウトバウンドレポート)、ソフトフォン、全通話録音、音声ナビ、音声認識サービス連携など

特徴

国内シェアNo.1を獲得、1,700社以上の導入実績、PBX(交換機)の設置不要、音声認識AI/音声テキスト化システム搭載

費用

ライトプラン(~10席):月額利用料90,500円/初期費用283,000円

スタンダードプラン(~30席):月額利用料241,000円/初期費用633,000円

スタンダード110プラン(100席~):月額利用料900,000円/初期費用2,333,000円など

無料プランの有無

無償トライアルなし

サポートの有無

サポートあり(24時間365日のカスタマーサポート、チャットボット機能、電話・メール対応、デモ対応)

「カイクラ」(株式会社シンカ)

おすすめ対象者

低コストでCTIツールを導入したい企業、小規模のコールセンターの電話対応を行いたい方、複数人で電話対応をしているが顧客情報が共有されておらず非効率だと感じている方、顧客受電時に担当者が分からず顧客を待たせてしまっている、夜間での入電や折り返し漏れが発生し、機会損失やクレームに繋がる

主要機能

対応履歴共有で安心スムーズな対応、顧客データベース機能(顧客情報管理・顧客タグ付け・自由項目追加)、電話コミュニケーション機能、Google Map連携、1拠点=1ライセンス費用

特徴

顧客満足度のアップ、折り返し漏れの削減、情報共有&クレーム対応が簡単、

費用

1ライセンスあたり:初期構築200,000円、機器設置費用50,000円、月額利用料25,000円(税抜) ※詳しい料金については別途問合せ

無料プランの有無

無料プランなし、無償トライアルなし

サポートの有無

サポートあり(カスタマーサポート、電話・メール対応)

「CTI」導入のメリット、デメリット

CTIを導入するメリット・デメリットについてお話していきます。

CTIを導入するメリットは次のようなものが挙げられます。

  • 業務の効率化
  • トラブル防止
  • オペレーターの品質向上
  • 人件費の削減

CTIは受電した電話番号をもとに顧客情報を顧客管理システムから割り出し、企業名や住所などをコンピューターに表示できます。

そのため、特にコールセンターなどの電話業務の多い部門では受電したと同時にシステムが情報を表示するので、顧客情報を検索する必要がなくなるため業務の効率化に繋がります。

また、CTIでは通話音声のデータを顧客情報システムなどに紐づけて保存できます。電話内容のデータを保存しているので、万が一顧客とのトラブルがあった際に役立ち、エビデンスとしてトラブルの防止に役立ちます。

さらに音声データをもとに今後のカスタマーサポートの対応改善や新人育成などができ、オペレーターの品質向上が目指せます。

アウトバウンド業務向けのCTIツールなら架電業務を自動発報システムで代行し、1時間に3,500コールを行えるシステムもあるため人件費の削減に繋がります。

CTIを導入するデメリットは特にありませんでしたが、強いて挙げるとすると費用がかかります。なるべく費用を安価に導入したい場合は運用方式や必要な機能を抑えてツールを選ぶことをおすすめします。


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